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- 単独2位で優勝より大事なものを守った木村彩子 上がり2ホールであえてピンを攻めなかった理由とは?
伊藤園レディス最終日、木村彩子(きむら・あやこ)が5バーディー、ノーボギーの67で回り、通算13アンダーでホールアウト。単独2位となり、120.00ポイントを獲得。メルセデス・ランキング41位にまで順位を上げて、来季のシード権を確実なものとした。
2パットのパーセーブに意地を見せた木村彩子
◆国内女子プロゴルフ<伊藤園レディス 11月10~12日 グレートアイランド倶楽部(千葉県) 6741ヤード・パー72>
首位と2打差で迎えた伊藤園レディス最終日の17番パー3。メルセデスランキング47位にいた木村彩子にとって、勝負したい気持ちと来季のシード権を確実なものにしたい気持ちが頭の中を交錯した。ピンまでは179ヤード。距離をぴったり合わせる自信はある。実際、初日、2日目ともにバーディーを奪っている。しかし、最終日のピンはかなり左に切ってあり、少しでもボールを左に曲げるとグリーン左サイドに広がる池に落としてしまう。ボギーはおろかダブルボギーの可能性もある状況だった。
優勝を狙うなら池ポチャの危険をおかしてでもピンを狙うしかない。しかも、今大会ではショットの調子がかなり上がっていることも自覚していた。
「全英女子オープンに出場した後、トップの位置を高くしたことで、クラブヘッドがボールの上から入るようになったんです。その結果、安定したストレート系のフェードボールを打てるようになりました」
普通に打てばボールが左に曲がることはない。ただ、ピンをデッドに狙うには多少はピンの左を狙う必要がある。リスクは決して小さくなかった。
最終的に木村は安全策をとり、ピン右手前約20メートル地点にボールを落とした。「やはり池にボールを落とした時点ですべてを失ってしまうと考え、右サイドを狙いました」。
長期的な視野に立てば、来季のシード権を狙いにいったのはやむを得ない判断だったのではないか。次戦でシード権が決まる瀬戸際でなければ、また違った攻め方になったはずだ。やはりツアープロである以上、戦う場を保持することが最優先されるべきであり、その場さえあれば、また勝てるチャンスを迎えられる。
続く最終18番パー4でもピンは左に切られ、グリーン左サイドには池が広がっている状況だったが、フェアウェイからしっかりとピンの右サイドにボールを落とした。確実にシード権を狙った作戦がブレることはなかった。ただ、木村なりの意地は見せた。17番は約20メートル、18番も約15メートルのロングパットが残ったが、「腹をくくり、死ぬ気で2パットに収めるつもりで打ちました」と気合いがボールに乗り移り、どちらもパーセーブに成功した。
結局、最後まで隙を見せなかった西郷真央には3打及ばなかったが、単独2位に食い込んだ木村。メルセデス・ランキングも41まで上がり、シード権どころか、最終戦のJLPGAツアー選手権リコー杯の出場まで視界に入ってきた。「次戦の大王製紙エリエールレディスオープンを開催するエリエールGC松山は得意なコースなので頑張ります」と前を向く。仮に同じ場面を迎えたら今度は強硬策で攻めるつもりだ。
木村彩子(きむら・あやこ)
1995年11月2日生まれ、大阪府出身。宮里藍に憧れて10歳からゴルフを始める。2015年にプロテスト合格。18年に賞金ランク43位で初のシード入り。22年アース・モンダミンカップでツアー初優勝を遂げた。
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