バンカーで左ヒザは伸ばしちゃダメ! 初勝利を引き寄せた鍋谷太一の“砂イチ”に学ぶ | e!Golf(イーゴルフ)|総合ゴルフ情報サイト

バンカーで左ヒザは伸ばしちゃダメ! 初勝利を引き寄せた鍋谷太一の“砂イチ”に学ぶ

多くのツアープロのコーチとして活躍している石井忍氏が、“ここはスゴイ”と思った選手やプレーを独自の視点で分析します。今回注目したのは、国内男子ツアー「カシオワールドオープンゴルフトーナメント」で初優勝を飾った鍋谷太一(なべたに・たいち)です。

プロ転向11年でツアー初優勝の鍋谷太一

 国内男子ツアー「カシオワールドオープンゴルフトーナメント」で優勝したのは、最終日に「68」をマークした鍋谷太一選手です。最終日終盤のプレーぶりは見事でした。15番パー4でバーディーを奪うと、17番パー4でもバーディー。最終組でプレーしていた鍋谷選手は、この時点で通算13アンダー。先にホールアウトした宋永漢(ソン・ヨンハン)選手、米澤蓮選手と並びます。

 パー5の最終ホールはバーディーなら優勝、パーならプレーオフ。そんな状況の中で打ったセカンドショットは、グリーン奥のバンカーにつかまってしまいます。ただ、「ライはめちゃくちゃ良くて、スピンがかけやすい状況」と本人は感じていたそうです。

バンカーショットでは、左ヒザを蹴り上げずにさらに曲げることで柔らかい球が打てる 写真:JGTOimages
バンカーショットでは、左ヒザを蹴り上げずにさらに曲げることで柔らかい球が打てる 写真:JGTOimages

 それほど難度の高くないバンカーショットとはいえ、初優勝がかかった大事な3打目。プレッシャーがないはずはありません。しかし、鍋谷選手はこのバンカーショットを60センチにピタリとつけてバーディーフィニッシュ。カップインした瞬間に空を見上げ、顔をくしゃくしゃにして涙を流していたのが印象的でした。

 さて、今回テーマにしたいのは、優勝を引き寄せたこのバンカーショットです。

 皆さんは、地面反力という言葉を聞いたことがあると思います。トップから切り返しのタイミングでヒザを曲げ、インパクトの手前で地面を蹴り上げることで腰の回転スピードが上がり、下半身がリードしたハンドファーストの形でインパクトしやすくなります。

バンカーで下半身の動きを抑えるポイントは左ヒザの使い方

 ショットでは有効な地面反力ですが、バンカーショットでハンドファーストのインパクトをすると、ソールが砂に当たらず、ヘッドが刺さりやすくなってしまいます。つまり、バンカーでは地面反力を使わず、下半身を止めてヘッドを先に行かせた方が脱出しやすくなるわけです。

 下半身の動きを抑えるポイントは左ヒザの使い方です。鍋谷選手の最終ホールのバンカーショットを見てみると、ダウンスイングからインパクトにかけて、左ヒザをさらに深く曲げながらクラブを下ろしているようにみえます。バンカーショットが苦手な人、柔らかい球が打てないという人は、左ヒザを曲げ、地面反力を使わずにクラブを振り下ろしてみましょう。ヘッドが先行して、柔らかい球が打てるようになりますよ。

鍋谷 太一(なべたに・たいち)

1996年生まれ、大阪府出身。高校1年時の2012年7月に「関西ジュニア」で優勝。その後、QTに挑戦し、同年9月に16歳でプロ宣言。米国のミニツアーやアジアの下部ツアーなどで腕を磨き、国内ツアーでは21年の「ISPS HANDAガツーンと飛ばせ」では初めて最終日最終組を経験。また、ABEMAツアーでは賞金ランキング4位に。今シーズンは「カシオワールドオープンゴルフトーナメント」で涙の初勝利を挙げている。国際スポーツ振興協会所属。

【解説】石井 忍(いしい・しのぶ)

1974年生まれ、千葉県出身。日本大学ゴルフ部を経て1998年プロ転向。その後、コーチとして手腕を発揮し、多くの男女ツアープロを指導。「エースゴルフクラブ」を主宰し、アマチュアにもレッスンを行う。

【動画】左ヒザの柔らかい使い方がポイント! 鍋谷太一ベタピンにつけたバンカーショット実際の映像

【写真】初優勝の鍋谷太一と初賞金王の中島啓太

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プロ宣言から11年で悲願の初優勝を遂げた鍋谷太一 写真:JGTOimeges
注目の賞金王の行方は最終戦を待たずして中島啓太に 写真:JGTOimages
バンカーショットでは、左ヒザを蹴り上げずにさらに曲げることで柔らかい球が打てる 写真:JGTOimages
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