“ビッグ2”が注目発言 ウッズはリブゴルフをPGAツアーに“取り込む”!? マキロイは“チャンピオンズリーグ”創設!?

松山英樹(まつやま・ひでき)が約2年ぶりの復活優勝を遂げたジェネシス招待。タイガー・ウッズがホストを務める「シグネチャーイベント」でもあるが、ウッズ自身は残念ながら2日目に棄権。しかし、現在のゴルフ界に最も影響力のある人物としての注目発言もあった。

「PGAツアーはPIFをわれわれのツアーの一部にしたい」

 PGAツアーの今季3つ目のシグネチャーイベントとして開催されたジェネシス招待は、タイガー・ウッズ財団がサポートする「ウッズの大会」であり、ウッズが昨年のマスターズ以来、初めて出場する公式戦となったこともあり、世界中から注目されていた。

ジェネシス招待開幕前の記者会見に臨んだタイガー・ウッズ 写真:GettyImages
ジェネシス招待開幕前の記者会見に臨んだタイガー・ウッズ 写真:GettyImages

 開幕前の月曜日には、テーラーメイドがウッズとともに立ち上げたアパレルの新ブランド「Sun Day Red(サンデーレッド)」の発表イベントが行われ、「すぐにでも買いたい」という興奮気味の声から「デザインが気に入らない」といった落胆の声まで、賛否両論がSNSを賑わわせていた。

 そうやって始まったジェネシス招待ウイークは、ウッズづくしの1週間になるはずだった。

 しかし、蓋を開けてみれば、ウッズは2日目の7番ホールでティーショットを打った直後に体調不良で途中棄権。リビエラから早々に去っていった。

 さらには、ジョーダン・スピースが過少申告によるスコア誤記で失格となり、初日からウッズと同組で回っていたジャスティン・トーマスは予選落ち。彼らもコースから去っていった。

 ところが、最終日は松山英樹が大逆転による通算9勝目を挙げ、リビエラの活気を一気に取り戻した。

 そんなふうに今年のジェネシス招待は、良くも悪くも、大会開幕前の予想とは、まるで異なる展開となったが、いずれにしてもウッズの姿はリビエラから消えてしまった。

 だが、リビエラでウッズが語った言葉の重みは、消えることなく、ゴルフ界に強い影響力をもたらしていくと思われる。

「ウッズが語った言葉」とは、PGAツアーとリブゴルフ、そしてリブゴルフを支援するサウジアラビアの政府系ファンド「PIF(パブリック・インベストメント・ファンド)」との今後の関係について、米メディアから問われた際のウッズの返答だった。

 PGAツアーのジェイ・モナハン会長は1月31日にテレカンファレンスを開き、PGAツアーと米コンソーシアム「SSG」がパートナーシップを結び、SSGから最大30億ドルの投資を得て、営利法人「PGAツアー・エンタープライズ」を創設することを発表したが、そこにPIFへの言及はなかった。

 昨年6月にモナハン会長とPIFのヤセル・ルマイヤン会長が統合合意を電撃発表した際は、PGAツアーとPIFが手を取り合って「PGAツアー・エンタープライズ」を創設するとされていたが、結局、PGAツアーが手を取り合った相手はPIFではなくSSGだった。

 そうなると、PGAツアーとPIFの今後の関係はどうなっていくのかが、次なる注目ポイントとなっている。

 PGAツアーの理事の1人であるウッズは「PIFとの交渉は、これからも継続する」と前置きした上で、こう言った。

「究極的には、PGAツアーはPIFをわれわれのツアーの一部にしたいと思っている。しかし、お金の面から言えば、今はそうは思っていない。(SSGから)得られたマネーと、もともと(PIFとの統合合意の発表の際に)得られるとされていたマネーは、同等の金額だからね」

 ちまたでは、SSGからの最大30億ドルの投資に加え、PIFからも追加投資が行なわれるのではないかと見る向きがある。PIFには、そうすることでPGAツアーとの関係性を維持したいという目論見があるからだ。

 しかし、PGAツアーがSSGとパートナーシップを結び、SSGからビッグマネーを得る算段がついてからというもの、やはりPGAツアーの理事の1人であるジョーダン・スピースは、PIFからの追加投資は「必要ないと思う」と言い切り、ジャスティン・トーマスやアダム・スコットも同様の言葉を口にした。

 その極めつけが、ウッズの発言だった。ゴルフ界におけるウッズの影響力を考慮すると、もはやPGAツアーとSSGの「お金でつながる輪」の中にPIFが入り込む余地は、限りなく小さくなりつつあると考えるのが妥当であろう。

リブゴルフ選手の復帰に向けたメディアへのアンケート

 ウッズが言った「お金の面」に関しては、今後は「PGAツアー・エンタープライズ」の経営方針に委ねられることになるが、「ツアーの在り方」については、選手たち自身に直接的に関係する問題ゆえ、侃々諤々の議論が今後も続けられると想像される。

 やはりウッズが言った「PGAツアーはPIFをわれわれのツアーの一部にしたい」というフレーズを咀嚼すると、PGAツアーという大きな組織の中にリブゴルフを取り込むという意味だろうと解釈できる。

 そうなるとすれば、リブゴルフ選手をPGAツアーに「どうやって戻らせるか」という新たな課題が浮上し、そのための方法は、すでにあちらこちらで取り沙汰されている。

 たとえば、米メディアの主要メンバーを対象に行われている意見調査があり、私自身も回答者として参加しているのだが、前回の調査テーマは、まさに「リブゴルフ選手のPGAツアーへの復帰について」というものだった。

「戻らせるべきか?」の問いに、ほぼ90%が「戻らせるべき」と答え、「戻らせる際に何らかのペナルティーを科すべきか?」には、80%が「イエス(科すべき)」と返答した。

 だが、ペナルティーの内容については、「経済的制裁(罰金)」が26%、「一定期間、シグネチャーイベントのサポートを務める」が24%、「一定期間、ビッグ大会への出場を制限する」と「出場資格獲得のプロセス(予選会など)を踏ませる」が各々21%といった具合に米メディアの意見はバラバラに分かれていた。

選り抜かれた合計80名の世界のトッププレーヤーが競い合う

【写真】2年ぶりVを決めた松山英樹の会心の笑顔

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アジア勢単独最多となる9勝目を手にした松山英樹 写真:Getty Images
ジェネシス招待最終日に大逆転優勝を飾った松山英樹 写真:GettyImages
会心のラウンドを終え、早藤将太キャディーとガッチリ握手する松山英樹 写真:GettyImages
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