リブゴルフが世界ランキング申請取り下げでラームは大激怒! 残された道は地道にポイント稼ぐ“ニーマン式”のみ!?

かねてから世界ランキングのポイントを切望してきたリブゴルフだが、先頃その申請を取り下げたことが明らかになった。このままでは選手のポイントはどんどん目減りしていき、メジャー覇者以外は4大大会に出場することは難しくなってくるが……。

「世界の24ツアーとリブをフェアに比較することは難しい」

「世界ランキングの対象ツアーとして認めてほしい」と懇願し、そうなることを切望していたリブゴルフが、3月5日(米国時間)、世界ランキングをつかさどるOWGR(オフィシャル・ワールド・ゴルフ・ランキング)に提出していた申請を自ら正式に取り下げ、世界のゴルフ界を驚かせた。

2月にメキシコで行われたリブゴルフ・マヤコバ大会でチーム優勝し、チームメイトと喜ぶジョン・ラーム 写真:GettyImages
2月にメキシコで行われたリブゴルフ・マヤコバ大会でチーム優勝し、チームメイトと喜ぶジョン・ラーム 写真:GettyImages

 2021年に創設され、22年6月にロンドン郊外で初戦を開催してキックオフしたリブゴルフは、その翌月、OWGRに申請書を提出。リブゴルフの大会でも世界ランキングのポイントが稼げるよう認めてほしいと願い出た。

 しかし、OWGRは「検討中」と答えるばかりで、審査は遅々として進まなかった。その間、ポイントを稼ぐ場を失ったリブゴルフ選手たちの世界ランキングは下降の一途となり、「このまま行けば、やがてリブゴルフ選手の世界ランキングはどん底まで下がり、過去のメジャー優勝者以外はメジャー4大会出場への道が閉ざされる」と言われるようになった。

 その懸念はリブゴルフ選手の間で日に日に強まり、彼らの焦燥感はひしひしと伝わってきていた。

 そんな中、OWGRは昨年10月、リブゴルフからの申請を正式に却下した。「世界の他の24のツアーとリブゴルフをフェアに比較することが難しい」という理由だった。

 その際、OWGRは他のツアーと大きく異なるリブゴルフの競技形式を他のツアーと比較できるよう変更すれば、今後、道が開ける可能性は残されていることをグレッグ・ノーマンCEOに伝えていた。

 果たしてリブゴルフはOWGRからの進言を聞き入れ、ショットガンスタートで予選カットなしの3日間54ホールを戦う独自の競技形式を変えるのか。個人戦とチーム戦の同時進行というリブゴルフならではのスタイルを諦めるのか。彼らの動向が注目されていた。

 しかし、リブゴルフが出した結論は、自分たちの競技形式を変えるのではなく、逆に世界ランキングを断念するという選択だった。彼らが出したこの結論は、これからのゴルフ界に何をもたらすことになるのだろうか。

マスターズや全米プロがニーマンを招待する矛盾

 選手たちの反応はさまざまだった。昨年12月にPGAツアーから離れ、リブゴルフへ移籍したジョン・ラームは烈火のごとく怒り、OWGRを批判して、こう言い放った。

「世界ランキングは正しく機能していない。機能不全。壊れている。ゴルフを正しく見ていない」

 一方、リブゴルフには移籍せず、PGAツアーに忠誠を誓い続けているザンダー・シャウフェレは「リブゴルフは世界ランキングの対象ツアーとなるための一定の基準を満たしていないのだから、この展開は仕方のないことだ」と断じた。

 だが、PGAツアー選手で常に冷静沈着なことで知られている「アイスマン」、パトリック・カントレーは、クールにこう言った。

「世界ランキングが機能不全だとは思わないけど、OWGRにも、そしてリブゴルフにも、何かしらのチェンジが必要なのでは?」

 ゴルフ界が平和を取り戻すためには、カントレーが指摘している通り、みなが熟考するなり反省するなりして、お互いに歩み寄る以外に道はないということなのだろう。

 メジャー4大会を主催する4団体は、「メジャー大会」の名にふさわしい出場選手と素晴らしい試合展開、そして誰もが頷くチャンピオンを誕生させるために、「スター選手」の出場を喉から手が出るほど欲している。

 しかし、PGAツアーやDPワールドツアーで「スター」だった選手の多くが、今ではリブゴルフへ移籍しており、世界ランキングが下降の一途である彼らはメジャー大会の舞台に立つことができなくなりつつある。

 だからこそ、マスターズを主催するオーガスタナショナルと全米プロの主催者であるPGA・オブ・アメリカは、誰もが今一番ホットなスター選手と認めるホアキン・ニーマンを、彼がリブゴルフ選手であることは度外視する形で特別招待した。

 ただし、オーガスタナショナルもPGA・オブ・アメリカも「リブゴルフを認める」とは言っておらず、特別招待を決めた理由を語る際も、ニーマンが今季のリブゴルフですでに2勝を挙げたことは言及すらされなかった。

 それもそのはず。メジャー4大会を主催するオーガスタ・ナショナルやPGA・オブ・アメリカ、USGA、R&Aのリーダーたちは、いずれもOWGRの理事を兼任しており、リブゴルフを世界ランキングの対象ツアーとして「承認しない」と決めたのは彼らなのだ。

 それなのに、リブゴルフ選手のニーマンをマスターズや全米プロに特別招待するのは「矛盾しているのでは?」という指摘や批判は当然予想され、それらをかわすためにリブゴルフへの言及を避けたのだろう。

 ともあれ、ニーマンが特別招待された理由は、彼が昨年12月にオーストラリアンオープンで優勝し、今季のDPワールドツアーでトップ5入りを3度も果たした奮闘が「高い評価に値する」からだとされている。

 そのあたりに、1人でも多くスター選手を出場させたいものの、リブゴルフを認める姿勢をあからさまに見せるわけにはいかないというメジャー大会主催者たちのジレンマが、ありありと見て取れた。

「これからはリブゴルフ独自の指標を作る」とノーマン

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2月にメキシコで行われたリブゴルフ・マヤコバ大会でチーム優勝し、チームメイトと喜ぶジョン・ラーム 写真:GettyImages
リブゴルフの“外”で結果を残すことでメジャー切符をもぎ取ったホアキン・ニーマン 写真:GettyImages
メジャー2勝、ジョン・デーリーのRV。日本で言うところの観光バスを居住できるようにカスタマイズ(写真は2002年のもの) 写真:Getty Images
メジャー2勝、ジョン・デーリーのRVの室内。大好きなギターもRVならツアー会場に持っていける(写真は2002年のもの) 写真:Getty Images
メジャー2勝、ジョン・デーリーのRVの室内。まるで高級ホテルのスイートルームと見まがうばかり 写真:Getty Images
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