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「毎週、毎日泣いてました」菅沼菜々が今季初の予選通過 “トンネル”を抜けるために出した答えとは?
今季初めて関東で開催されているJLPGAツアー「富士フイルム・スタジオアリス女子オープン」2日目。開幕から不調だった菅沼菜々が3アンダー・13位タイで、ようやく今季初の予選通過を果たした。
「(得意の)日曜日にやっとプレーできます」
◆国内女子プロゴルフ<富士フイルム・スタジオアリス女子オープン 4月5~7日 石坂ゴルフ倶楽部(埼玉県) 6535ヤード・パー72>
菅沼菜々が3アンダー・13位タイで、ようやく今季初の予選通過を果たした。
JLPGAツアーのシーズン6試合目となる「富士フイルム・スタジオアリス女子オープン」だが、飛行機の移動ができない菅沼にとっては5試合目。昨年2勝して、より上を目指すシーズンのはずが、初戦から4試合連続予選落ちしており、「毎週、毎日泣いてました」というほど追い詰められていた。
理由は「去年2勝して上を目指そうとする向上心が空回りして、思うようにいかなかった。自分を追い込んでしまったんです」というもの。試合が始まってからもスイングについて考えすぎてしまった。「スイングを考えすぎると振れなくなる。それで1カ月(予選を)通らない」と、欝々とした日々が続いた。
その間に風邪から副鼻腔炎にもかかって、憂鬱さには拍車がかかる。
「練習してても泣いちゃうし、誰かに優しい言葉をかけられたらまた泣いちゃう。夜も寝てないし、メンタルがボロボロでした」という苦しい日々。「練習いっぱいしても疲労がたまっちゃうし……。楽しいゲームとか探して何とかやっていました」と、必死で気分転換に努めた。
悩んだ末に出した答えは「いい意味で鈍感になること」だった。試合に臨む姿勢を急に変えるのは難しいところだが「4試合落ちてるので、捨てる(失う)物はないと思って思い切ってやりました」と、狙う場所を決めて、ただボールを打つことに集中した。
作戦は見事にハマった。スイングに悩むこともなくプレーして初日1アンダー、2日目は2アンダーで通算3アンダー。首位に5打差の13位タイで予選を突破したのだ。
最終日にいいプレーをすることで知られていた菅沼だが、今年はその最終日にプレーすることができずにいた。
今季5戦目にして初めて臨む最終日。「日曜日にやっとプレーできます。(首位と)5打差ですか? 大変ですけど、何があるか分からない。上位に行けるように頑張ります」と、やっと笑った。
ファンが待ちわびていた最終日の菅沼菜々のプレーは、試合の台風の目になるかもしれない。
菅沼 菜々(すがぬま・なな)
2000年2月10日生まれ、東京都出身。18年プロテスト合格。20-21年シーズンは賞金ランキング47位で初のシードを獲得。22年シーズンは、メルセデス・ランキング8位と躍進。23年「NEC軽井沢72ゴルフ」では、神谷そらとのプレーオフを制して悲願の初優勝を挙げる。ツアー通算2勝。あいおいニッセイ同和損保所属。
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