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- 古江彩佳がメジャー初制覇! 「1イーグル6バーディー2ボギー」という最終日の激闘を振り返る
今季の米国女子メジャー第4戦「アムンディ エビアン選手権」は古江彩佳の見事なメジャー初Vで幕を閉じた。改めて最終日の戦いを振り返った。
一時は首位と3打差まで離れる
◆米国女子プロゴルフ メジャー第4戦<アムンディ エビアン選手権 7月11~14日 エビアンリゾートGC(フランス) 6523ヤード・パー71>
鮮やかなイーグルフィニッシュで、古江彩佳がメジャータイトルを手にした。
アムンディ・エビアン選手権最終日、古江は首位と1打差2位タイの最終組でスタートした。同組は14アンダー首位スタートのステファニー・キリアコウ(豪)、古江と同じ13アンダーからのローレン・コフリン(米)で激戦を繰り広げた。
2番、3番の連続バーディーを奪った時には、3人が15アンダーで並ぶ。だが、4番パー4をボギーとした古江が一歩後退。9番パー5のバーディーで何とか優勝争いに踏みとどまるが、12番パー4のボギーで首位のコフリンに3打ビハインドと苦しい展開となった。
だが、決してあきらめず、自分のプレーを貫いてチャンスを待った。
パー3の14番、古江は10メートルのバーディーパットを沈め、流れを引き寄せる。続く15番パー5でも10メートルをしっかりとヒットして連続バーディー。バーディーのキリアコウ、パーだったコフリンに1打差の16アンダーでピタリと追走する。
長細いグリーンの左奥にカップが切られた16番パー3では、手前のカラーにキャリ―したボールがマウンドをうまく使う形で1メートルにピタリ。これを沈めて3連続バーディー。ボギーを叩いたコフリンを逆転し、バーディーのキリアコウに1打差の17アンダー2位に浮上した。
8つスコアを伸ばしたパティ・タバタナキット(タイ)が通算17アンダーでホールアウトしていたが、最終組の激闘は続く。
キリアコウ、コフリンの2人がグリーンをとらえられず、ボギーにした17番をしっかりパーで切り抜けた古江は、通算17アンダーとしてついにキリアコウと並ぶ首位タイに立った。
迎えた18番パー5のティーショットは、右のファーストカット。初日から3ラウンド、パーだったこのパー5で古江は勝負に出る。2オンを狙った第2打はグリーン手前の池をギリギリで越えてピンに寄っていき、3.5メートルのイーグルチャンス。
対するキリアコウはティーショットを左に曲げてレイアップ。そこから2メートルのバーディーチャンスにつけていた。
古江のイーグルパットは、難しいスネークラインだったが、これを見事に読み切りキリアコウの望みを断ち切った。通算19アンダー、自らの手でメジャー初優勝をつかみとった。
喜怒哀楽をあまり表に出さず、ポーカーフェイスでプレーする古江だが、この時ばかりは右手を高々と上げて喜びを爆発させた。あつらえたかのように、大会カラーと同じピンクのスカートが、最高の場面に映えた。
「ホントにうれしいです、メジャーで優勝できると思ってなかったので、うれしいの一言です」と、勝利の喜びを口にする。
苦しい展開だった中盤について「あきらめそうにもなったんですけど、しっかり信じてプレーしました。『スターウォーズ』が好きなんですけど、そこに出てくる“May the force be with you.“(フォースとともにあれ)という言葉を自分に言い聞かせていました」と、打ち明けた。
岡本綾子とのやりとりで涙があふれる
終始、笑顔でインタビューに答えていたが、日本のテレビ解説をしている岡本綾子の言葉には、涙があふれた。「ホントにホントにおめでとう」という祝福の後「優勝しそうでできなかったぶん、準備をしてたんだと思えば」と米ツアー17勝の大先輩にいわれたところでこらえきれなくなった。
今季の目標にしていたパリ五輪の代表入りを、最後の最後で山下美夢有に逆転されて逃したことにも触れた。「パリには行くことも出いなかったけど、フランスのメジャーで勝てて気持ちを晴らせたかな」と、本音をのぞかせた。
樋口久子(1977年全米女子プロ)、渋野日向子(2019年全英女子オープン)、笹生優花(2021年、2024年全米女子オープン)に続く日本人メジャー5勝目を勝ち取った古江。
安定したプレーぶりで、ツアーナンバー1を誇るバーディー数が表すパットのうまさで米ツアーでの存在感を示していたが、これにメジャータイトルが加わり、さらなる活躍が期待される。
表彰式では、空から日の丸を持ったパラグライダーが降下し、君が代の生演奏の演出が勝者を讃えた。空から降って来た日の丸を羽織った古江は、誇らしげで少してれくさそうな表情で、喜びに浸っていた。
2位は通算18アンダーでキリアコウ。3位はタバタナキット。コフリンは通算15アンダー4位に終わっている。
他の日本勢は、岩井明愛が通算9アンダー10位タイとメジャーでの自己最高位に入った。西郷真央が4アンダー35位タイ、山下が3アンダー39位タイ。西村優菜が3アンダー44位タイ、渋野日向子がイーブンパー51位タイ、竹田麗央が3オーバー55位タイ、勝みなみが7オーバー63位タイ。畑岡奈紗、笹生優花の2人は予選で姿を消している。
古江 彩佳(ふるえ・あやか)
2000年生まれ、兵庫出身。19年「富士通レディース」でツアー史上7人目のアマ優勝を達成してプロ転向。20年にプロ初勝利を飾り、20-21シーズンはトータル6勝で賞金ランキング2位と躍進した。22年からは米女子ツアーを主戦場にして22年に同ツアー初優勝。同年は国内ツアーでも「富士通レディース」で連覇と大会3勝目を挙げた。24年米女子ツアー「アムンディ エビアン選手権」で悲願のメジャー制覇。日本8勝、米国2勝。
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