PGAツアーで選手とギャラリーの関係が悪化!? マキロイに心ないヤジ浴びせた男性の正体はなんと… 原因はオンラインカジノやSNSか？

　ソーグラスでマキロイに心ない言葉を投げつけたギャラリー男性はその後、ジョーダン・スピース、スコッティ・シェフラーらを輩出した名門・テキサス大学ゴルフ部に籍を置く将来有望なカレッジゴルファーだと分かり、コトの重大性、いや残念さをさらに増す形になった。

　この学生はすでにマキロイやツアーに対して謝罪し反省の弁を述べているが、大学ゴルフ部に所属しているのなら、ゴルファーとしてのエチケットやマナーはもちろん、選手の心情も理解しているはずである。それなのになぜ、マキロイにあんな言葉を？ と残念に思えてならない。

　しかし、SNSでは逆にマキロイに対して「タイガー・ウッズなら、ああいう反応はしなかった」「あれはマキロイがギャラリーのスマホをいきなり強奪した事件だ」等々、さらに心ない書き込みもされていた。

　マキロイがそれらを目にしたかどうかは定かではないが、それでもメンタル面をコントロールして勝利したマキロイには、大いなる成長を感じさせられた。

　とても気になるのは、そんなマキロイが今年こそマスターズで悲願の初優勝を挙げることができるかどうか、キャリアグランドスラムが達成されるかどうかである。

　ディフェンディングチャンピオンで世界ランキング1位のスコッティ・シェフラー、3位のザンダー・シャウフェレは、どちらも今季は故障明けで、まだエンジンがかかり切っていない様子。

　だが、マキロイはすでに「AT&Tペブルビーチプロアマ」と「ザ・プレーヤーズ選手権」を制し、アクセル全開でオーガスタナショナルにおもむくことになる。

　シーズン2勝をひっさげてマスターズを迎えるのは、マキロイにとって初めてのことで、今年こそはマスターズ初制覇が達成されるのではないかと期待が膨らんでいる。

　その一方で、「勢いがあるからこそ、自分で自分の期待値を高めすぎてしまうのでは？」「余計にセルフプレッシャーが増しているのでは？」といった見方もされている。

　2014年以来、メジャー優勝から遠ざかっているマキロイには、マスターズ初制覇と生涯グランドスラムという偉業達成以前に、11年ぶりのメジャー優勝というプレッシャーが重くのしかかっていることは確かだ。

　そして、2011年マスターズ以来、あのトラウマとの戦いは今年で14年目を迎える。

　そうした障壁を全部はねのけることができたとき、グリーンジャケットを羽織るマキロイを見ることができるのだろう。

文・舩越園子
ゴルフジャーナリスト／武蔵丘短期大学客員教授。東京都出身。百貨店、広告代理店に勤務後、1989年にフリーライターとして独立。1993年に渡米。在米ゴルフジャーナリストとして25年間、現地で取材を続け、日本の数多くのメディアから記事やコラムを発信し続けてきた。2019年から拠点を日本へ移し、執筆活動のほか、講演やTV・ラジオにも活躍の場を広げている。