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- マキロイのキャリアグランドスラム達成はウッズ以来“25年ぶり” 波乱万丈の最終日を乗り越えて手にした偉業と栄光
海外メジャー今季初戦の「マスターズ」最終日、通算11アンダーでローリー・マキロイとジャスティン・ローズがプレーオフに突入。1ホール目、18番パー4でローズがバーディーパットを外した後、マキロイが1メートルのバーディーパットを沈める。マキロイはメジャー通算5勝目でキャリアグランドスラムを達成。同記録は2000年のタイガー・ウッズ以来、史上6人目の快挙となった。
二度も首位から陥落
◆米国男子プロゴルフ
マスターズ 4月10~13日 オーガスタナショナルGC(ジョージア州) 7555ヤード・パー72
最終日を2位以下に2打差をつけてスタートしたローリー・マキロイ。ところが、1番パー4でいきなりダブルボギーを叩く。これが波乱の幕開けだった。
同組のブライソン・デシャンボーが続く2番でバーディーを奪ったため、あっという間に首位から陥落することに。それでも、その後は4つのバーディーを奪い、再び首位に立つ。10番を終えた時点では2位以下に4打差をつけ、楽に逃げ切るかと思われた。

しかし、オーガスタの女神は甘くない。これでもかという試練をマキロイに与えてくる。
11番でボギーを叩いた後、13番パー5では3打目をグリーン手前のクリークに入れてダブルボギー。さらに14番でもボギーを叩き、この日2度目の首位陥落となる。それでもマキロイはあきらめなかった。15、17番でバーディーを奪い、みたび単独首位に立ったのだ。
最終18番パー4、2打目をグリーン右のバンカーに入れたものの、1.5メートルのパーパットを残す。入れれば優勝だったが無情にもボールはパットの横をかすめ、勝負は通算11アンダーで並んだジャスティン・ローズとのプレーオフへ突入する。
悲願の大会初Vをあと一歩のところで決めきれなかったマキロイ。精神的なショックは計り知れないと思われたが、プレーオフの舞台となった18番ではメンタルの強さを見せる。
先にローズが2打目を4.5メートルに乗せてプレッシャーをかけてきた直後だ。グリーンの傾斜を利用し、なんとピン左上1メートルにつけたのだ。
ローズがバーディーパットを外した後、慎重にウイニングパットを沈めたマキロイ。思わずグリーン上にうずくまったが、頭の中を駆け巡るさまざまな感情をどのように整理していいのか分からない様子だった。ただ、これまでに味わったことがない喜びで満たされたことだけは間違いない。
10年間グランドスラムに挑戦し続けた
「マスターズに出場するのは17回目でしたが、自分が主役になる時が来るのかと考え始めていました。今回、勝つことができて本当に光栄で興奮しています。自分をマスターズチャンピオンと呼べることを誇りに思います」
2011年には2位以下に4打差をつけて最終日を迎えながら、まさかの「80」を叩き15位タイに終わった苦い思い出もある。今回の優勝でようやくその呪縛からも解き放たれた。
全米オープン(11年)、全米プロ(12、14年)、全英オープン(14年)に続くメジャー制覇で“キャリアグランドスラム”を達成。ジーン・サラゼン、ベン・ホーガン、ゲーリー・プレーヤー、ジャック・ニクラス、タイガー・ウッズに続く史上6人目の快挙となった。
「この10年間、グランドスラムの重荷を背負ってここに来ていました。その思いが18番のグリーン上であふれてしまいました」と振り返ったマキロイ。全体的なレベルが上がってきた中、最後のメジャーを勝ち切った価値は計り知れない。試合後は故郷である北アイルランドに帰る予定だが、グリーンジャケットに袖を通した姿は友人たちにも誇らしげに見えるだろう。
また、日本からただ1人出場した松山英樹は最終日に「66」をマーク。通算2アンダーの21位タイに終わった。「長い1週間だったが、またここに向けて1年間準備をしないといけない」と気持ちを切り替えていた。
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