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全米女子OP優勝キャディーの超異色な経歴とは? 英雄との出会いから始まった映画のような半生
竹田麗央(たけだ・りお)、西郷真央(さいごう・まお)、渋野日向子(しぶの・ひなこ)の3人が優勝争いに加わり、日本でも大いに盛り上がった全米女子オープン。優勝したマヤ・スタークのバッグを担いでいたキャディーは米欧ツアーを股にかける名物キャディーで、しかも超異色な経歴を持っていた。
「キャディーの話に耳を傾けていたことで、周囲に惑わされなかった」
21年からは米シニアのチャンピオンズツアーで憧れのモンティーのバッグを担ぐことになり、「夢が叶った」と感謝感激の日々を送っているブライトンは、近年、米欧男女双方のさまざまなツアーで働くキャディーのためのネットワーク、「ゴルフ・キャディー」を創設した。
そして、彼自身、モンティーの試合がないときは、米欧双方の女子ゴルフの大会にも顔を出し、最近になって新たに出会ったのが、スウェーデン出身の新鋭、スタークだった。
スタークとブライトンがタッグを組んだのは、今回の全米女子オープンの「ほんの2、3週前だった」そうだ。しかし、まるで長年のコンビのように息の合ったやり取りとプレーぶりでメジャー制覇を果たせたことは「キャディーのおかげです」と、スタークは感謝しきりである。
最終日。ブライトンはスタークがアグレッシブになりすぎて自滅しないよう、安全ルートを提案して歯止めをかけていたが、それ以外にも、元コメディアンの経験を生かして、スタークの心を明るく保つことも心掛けていた様子である。
72ホール目の18番。スタークとともに最終組で回っていたスペイン出身のジュリア・ロペス・ラミレスが、グリーン周りを行ったり来たりで大苦戦していた間、スタークは、ずっと待たされていた。
最終ホールを3打リードで迎えていたとはいえ、ゴルフは最後の最後まで何が起こるかわからない。大詰めで他選手のプレーによって長く待たされれば、イライラしたり、余計なことを考えたりして、ペースを乱されることもある。
そんな「あるある」現象も、しっかり頭に入れていたブライトンは、スタークの神経や心がラミレスの方向へ向かないよう、ジョークを交えて、しきりに話しかけていたのだそうだ。
「どんなジョークだったか、何の話だったかは、(優勝した驚きで)実はすっかり忘れてしまって思い出せないけど、面白いことを言って笑わせてくれた。ブライトンの話に耳を傾けていたことで、今週の私は最後まで周囲に惑わされることなく、自分のゴルフに徹することができた」
表彰式で、USGAから「優勝キャディー」のアワードを授けられたブライトンは、そのとき初めて、ちょっとおどけた表情で喜びを露わにした。
そのリアクションは、そう言われてみれば、「確かに、コメディアンっぽい」と感じられたが、プレー中、真剣に真摯に丁寧に選手と向き合っていた彼のキャディーぶりは本当に素晴らしく、高く評価されて然るべきである。
選手とキャディは一心同体。全米女子オープン優勝は、スタークと相棒キャディーのブライトンが2人で挙げた勝利だった。
文・舩越園子
ゴルフジャーナリスト/武蔵丘短期大学客員教授。東京都出身。百貨店、広告代理店に勤務後、1989年にフリーライターとして独立。1993年に渡米。在米ゴルフジャーナリストとして25年間、現地で取材を続け、日本の数多くのメディアから記事やコラムを発信し続けてきた。2019年から拠点を日本へ移し、執筆活動のほか、講演やTV・ラジオにも活躍の場を広げている。
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