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- 「忘れられている気がした」“黄金世代”の旗手・畑岡奈紗、涙の復活V 苦しみ抜いた日々が導いた日本での勝利
3年半ぶりにツアー優勝を果たした畑岡奈紗(はたおか・なさ)。雨のプレーオフを制し、日本でつかんだ復活V。長く苦しんだパットの不調を克服し、支えてくれた人たちへ感謝を込めた涙の勝利となった。
「TOTOジャパンクラシック」最終日
◆日米女子ツアー共催
TOTOジャパンクラシック 11月6~9日 瀬田GC 北コース(滋賀県) 6616ヤード・パー72
雨に濡れた瀬田のグリーンで、畑岡奈紗が3年半ぶりに勝利の涙を流した。2022年4月「DIOインプラントLAオープン」以来となるツアー通算7勝目。荒木優奈とのプレーオフを制した。
最終日は午前中からの雨で中断となり、その後中止に。競技は54ホールに短縮された。プレーオフのみが行われ、18番パー5のグリーンから130ヤード地点にティーイングエリアを設置した異例の“実質パー3決戦”となった。
「打ったところが少しつま先下がりで、得意なラインではなかった」と畑岡。それでも、9Iのティーショットは、グリーン右10メートルに乗せた。荒木がボギーを喫したあと、パーパットを沈め両手を高々と上げた。3年半ぶりの歓喜が訪れた。
「また勝てる」と思えた夏からの復調

長かったブランクの背景には、昨年春から続いたパッティングの不調があった。「ラスベガスの試合(24年4月「JMイーグルLA選手権」)で短い距離をスリーパットしまってから、パターに自信がなくなってしまった」。
ショットは好調でも決め切れない日々。「忘れられていくような気がした」という焦燥も募った。
転機は8月。体の使い方を見直してくれた高田(洋平)コーチの助言で、グリップの握り方を修正。「右手を少し上から握るように変えたら、テークバックの迷いがなくなって、ショットもパットもかみ合ってきた」。感覚が戻り、優勝へのイメージがようやく現実味を帯びていった。
支えてくれた人たちへの感謝

優勝会見では支えてくれた人たちへの感謝の言葉を口にした。「今回キャディーをしてくれた木名瀬(和重)さんはジュニア時代からお世話になっていて、一回キャディーをやらせてほしいと言ってくれていた方。日本でこうして勝てて本当にうれしいです」
普段コンビを組むキャディー、グレッグ・ジョンストン氏にも感謝を忘れない。「長い間、つらい時間を一緒に過ごしてくれた。信じてついてきてくれてよかった」。
食生活の見直しにも取り組み、今年は母が遠征先で栄養バランスを考えた食事を支えてくれた。「年齢的にも体の感覚が変わってくる時期。トレーニングと栄養でしっかり補いたい」と話す。
目指すは世界の頂

「3年も勝てないと焦りもあった」。同世代より下の選手たちがメジャーで結果を残していった。「悔しい気持ちもあった。でも今日勝ててよかった」。
苦しみ抜いた時間を経て、再び自信を取り戻した畑岡。「この勝利を自信にして、CME(最終戦の「CMEグループ ツアー選手権」)でも、そして来年はメジャーでも勝ちたい」と誓った。
静かに、しかし確かに――“黄金世代”のエースが帰ってきた。
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