2年にわたるロングシーズンの賞金女王争いもいよいよ佳境
古江彩佳が逆転賞金女王に向けて大きな勝利を手にした。

最終日を首位から出た古江彩佳は、3バーディー、ノーボギーの69で回り、通算16アンダーで大会初優勝を飾った。今季6勝目で、アマチュア時代の優勝を含めるとツアー通算7勝目となる。
「最後まで分からない状況で、自分では安心できなかった。最後は優勝で終われて良かったなと思います。ジュニアの頃に見に来たコースで優勝できたのは本当に嬉しい」
“ボギーを打たない”古江の強みが発揮された今大会。最終日はフェアウェーキープ率100パーセントで、ボギーを打ったのは初日1つ、2日目2つだけ。4日間を60台でプレーする安定感で、他の追随を許さなかった。
「ボギーを一つでも打ってしまうと隙が見えてしまうと思うので、ノーボギーで上がれたのはすごく大きいかなと思います」
首位で最終日を迎えたときに意識していることについて聞かれると「ボギーを叩かない、隙のないゴルフをしたいと思っています」と答える。相手に隙を見せない芯の強さがひしひしと伝わってくる。
秋に行われた4戦で3勝と勢いに乗る古江。賞金ランキング2位で、同1位の稲見萌寧との差は約397万円にまで縮まった。一時は約7200万円差もあったが、大逆転での賞金女王獲得も夢ではなくなった。
「差がついているときはもう無理なのかなと思っていたけど、ここまで来られたのは嬉しいです。これで満足しないように自分のベストを尽くしてやっていきたいと思います」
一方で追われる立場の稲見は「そこを一番に気にしている感じではないんですけれど、最終的な結果のために1試合1試合をなるべく勝てるようにがんばりたい」と語っている。
これが本音かどうかはさておき、古江が稲見の背中をとらえたことで、見ている側としては残り3戦でのデッドヒートががぜんおもしろみを増してきた。気は抜けない戦いが続くなか、古江は本気モードに切り替わってきた。
「(賞金ランキングでも)1位というのが目にも焼き付いてくれるかなと思います。それができれば、良い状態で向こうに(米女子ツアーQシリーズ)行けるかなと思う」
手が届くならなりふり構わず頂点を目指す。古江は虎視眈々とマネークイーンの座を狙っている。