「引き算を間違えた」!? 単独首位からOBで自滅した内田ことこ | e!Golf(イーゴルフ)|総合ゴルフ情報サイト

「引き算を間違えた」!? 単独首位からOBで自滅した内田ことこ

Tポイント×ENEOSゴルフトーナメント最終日に一時は単独首位に躍り出たルーキーの内田ことこ。15番でレイアップしたショットをOBとして優勝はならなかったが、ミスショットの原因はなんと「引き算の間違い」だった。

持ち味の飛距離を生かして6連続バーディーの爆発力

◆国内女子プロゴルフ<Tポイント×ENEOSゴルフトーナメント 3月18~20日 鹿児島高牧カントリークラブ(鹿児島県) 6419ヤード・パー72>

「勢い」と「ミス」と「踏ん張る力」。ツアーで初めての優勝争いの中で、内田ことこはそのすべてを経験した。

ツアー参戦7戦目でのスピード優勝とはならなかったが、持ち前の爆発力を遺憾なく発揮した内田ことこ 写真:Getty Images

 女子ツアーシーズン第3戦「Tポイント×ENEOSゴルフトーナメント」最終日に、内田は首位に5打差の8位タイで挑んだ。

 プロデビューした昨年は、4試合に出場したがすべて予選落ち。新人戦加賀電子カップでは優勝争いを演じたが、プレーオフで桑木志帆に敗れている。

 この日は「バーディーを4つ取る」という目標を持って臨んだ。圧巻のプレーを見せたのは、2バーディー、1ボギーで迎えた8番からだ。1.8メートルの下りを沈めてバーディーを奪うと、そこから怒涛の6連続バーディーで単独首位に立った。

 中でも520ヤードの13番パー5では、残り220ヤードを3Wで2オンさせて2パットでのバーディー奪取と、武器である飛距離を十分に生かした。

 落とし穴が待っていたのは300ヤードと短いパー4の15番。内田は14番パーの後に首位に立ったことを知る。驚いた直後のティーショットは、レイアップを選択した。そこまでは良かったのだが「引き算を間違えて、1クラブ大きいクラブで打ってしまいました。180ヤード打つつもりだったんですけど、190ヤードのイメージで打ってしまいました」。ボールは無情にもカサカサと音を立ててOBエリアに消えた。

 動揺しつつも、打ち直しの3打目をフェアウェイへ。だが、4打目をグリーンオーバーさせ、ダブルボギーで首位転落。上がり3ホールはスコアカード通りで、通算7アンダーの4位に終わった。

「やる気がちょっと出て」初めての優勝争いに気持ちが揺れた

 痛恨の1打を振り返り「やる気がちょっと出て」と、優勝争いならではの気持ちの揺れがあったと打ち明ける。

 QTランキング25位での出場だが、前の2試合は予選落ちと32位タイ。2日目までの成績が良くないと入れない“最終日アウトスタート”すら初めての中での大健闘だった。

 サンデーバックナインに単独首位に立ってからの自滅に「悔しいです」と唇を噛む。

 それでも、OBの後、ずるずると崩れていくのではなく、しっかりとパーを重ねていった辺りにしぶとさも見える。

 ジェットコースターのような1日の経験は、ルーキーにとって大きな財産だ。ギャラリーやファンにも、飛距離を武器にする大物新人の存在を十分にアピールできたのは間違いない。今後が楽しみな選手だ。

内田ことこ(うちだ・ことこ)

2002年10月4日生まれ、北海道出身。2021年6月にプロテスト合格。今年のTポイント×ENEOSゴルフトーナメントまで目立った成績はなかったが、2021のJLPGA新人戦 加賀電子カップではプレーオフの末、2位となるなど、期待のルーキー。今回の活躍もあり、平均バーディー数2位、パー5平均スコア1位など、抜群の爆発力を誇る(3月21日現在)。加賀電子所属

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2021年6月の最終プロテストを見事4位で合格した内田ことこ 写真:Getty Images
2021年6月の最終プロテストでトップ合格を果たした佐久間朱莉。4位に内田ことこ(当時は漢字表記)の名前も見える 写真:Getty images
2021年6月の最終プロテストでトップ合格を果たした佐久間朱莉のスイング 写真:Getty images
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ツアー参戦7戦目でのスピード優勝とはならなかったが、持ち前の爆発力を遺憾なく発揮した内田ことこ 写真:Getty Images

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