一時はトップに立つもバックナインで失速
「最終日のバックナインでスコアを崩してしまうのは論外だと思う」
沈痛な表情で、言葉を絞り出したのは安田祐香だ。

フジサンケイレディス最終日に、首位に2打差3位タイからの逆転優勝を狙った。
序盤、首位の高橋彩華がバタバタする中、4番、6番バーディーで通算10アンダー。単独首位で前半を終えた。
だが、バックナインに入ると流れが変わった。10番ボギーの後、ティーショットが左に引っ掛かるようなミスが出始める。13番バーディーで、優勝争いに踏みとどまってはいたが、内容は苦しい。
17番ボギーの後、18番ではティーショットを左に曲げてバンカーへ。2打目は出すだけとなり、ダブルボギーという最悪のフィニッシュになってしまった。
その直後だけに「自分の日ではなかったと言えばすぐ(話が)終わるけど……」と、唇をかんだのは無理もないところ。
「論外」と自らバッサリと切り捨てたあたりに、現実の厳しさに直面したことがひしひしと伝わってくる。
最後は「伸びしろがある方がまた頑張れるので、次からは今日みたいにならないようにしたいと思います」と顔を上げてしめた。これを乗り越えた先にある、違う世界を見るための戦いは続く。
安田 祐香(やすだ・ゆうか)
2000年12月24日生まれ、兵庫県出身。2017年に16歳で「日本女子アマ」を制覇、19年には「オーガスタナショナル女子アマ」で3位に入るなど、アマチュアの実績は世代トップクラス。プロ入り後はケガの影響などもあり、思うような成績が残せていない。初優勝が期待される選手の一人。NEC所属。