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- リブゴルフを明確に批判したタイガー・ウッズ プロ入り直後から守り続けるパーマーの教えとは?
年間で最後のメジャーとなる全英オープンが開幕しましたが、相変わらず「リブゴルフ」を巡る“場外乱闘”は止む気配がありません。そんな中、タイガー・ウッズが初めてリブゴルフを明確に批判したことが話題となりました。
ノーマンの行動を「まったく理解できない」と否定
“ゴルフの故郷”と言われるセントアンドリュース・オールドコース(英・スコットランド)で開催されている第150回全英オープン。主催のR&Aは、ゴルフ史を飾る今年の大会を混乱なく、華やかに盛り上げようと腐心しているようです。
その一環といえるのが、月曜日に行われたチャンピオンズディナーへの歴代チャンピオン、グレッグ・ノーマンの招待を見送ったことです。
というのも、米・欧両ツアーと敵対する「リブゴルフ」のCEO兼コミッショナーのノーマンが出席すれば、ファンやメディアの関心が大きくノーマンに割かれるからです。
全英オープンの主役はあくまでも選手であり、選手権というゲームであるべき、というのがR&Aの基本姿勢。ノーマンの来場はどうしても避けたかったのです。
それでも、リブゴルフの存在は全英オープンに大きな影を落としています。
それが顕著に表れたのが、開幕前の記者会見でした。会見席にジャック・ニクラスやローリー・マキロイ、そしてタイガー・ウッズといったスター選手が着けば、記者からは必ずリブゴルフに関する質問が寄せられました。メディアは、彼らの考えを聞かないわけにはいかないのです。
中でも注目されたのが、タイガーでした。
それまでタイガーはPGAツアーに対する忠誠心は口にしていたものの、リブゴルフについては多くを語っていませんでした。
そして、火曜日(12日)の記者会見の席上、タイガーの口から明確に示されたのは、まずはリブゴルフを選んだプレーヤーに対する不信感でした。
「彼らがしたことは、彼らをいまのポジションに引き上げてくれたことに対する背信だと思う」
さらに若いプレーヤーについては「中にはこの先、彼ら(トッププロ)と同じような経験をする機会を得られない若い選手もいる。アマチュアからすぐにあの組織に入った選手は、今後メジャーやPGAツアーの大きなイベントでプレーできないことになる」として、彼らの将来を心配しました。
そのうえで「グレッグは、私たちのゲームにとって最善ではないことをやっている。個人的には、まったく理解できない」と、リブゴルフをきっぱり否定したのでした。
1400億円近い契約金の提示にも動じなかった
もとよりノーマンはリブゴルフの“目玉”として、タイガーにも移籍を提案していました。
その契約金の額について、ノーマンはイギリスの「デイリーメイル」紙のインタビューにこう明かしています。
「ウッズは驚くほど巨額の提案を断った。私たちは9桁の上のほうの金額を提示した」
9桁(1億ドルの桁)の上のほうとは、つまり10億ドル(約1400億円)近い金額ということ。
まるで優良企業の買収額のような大金ですが、それでもきっぱり拒否したタイガーの金銭的価値観は、常人には到底理解できません。
しかし、このタイガーの姿勢について、米国の著名なゴルフジャーナリストのロン・シラク氏は以下のようにツイッターに記し、米ゴルフ界のスーパースターが連綿と受け継いできた美徳だと指摘しています。
「タイガーの言葉を聞いて、私は1998年にアーノルド・パーマーがタイガー(96年にプロ転向)に語った言葉を思い出した。『大きな賞金のためにプレーする君たちには、ゴルフというゲームの誠実さと伝統を守る義務があることを忘れてはいけない』。タイガーはそれを忘れなかった」
プロゴルフ界においてパーマーはタイガー同様、ツアーの在り方を大きく変えた変革者です。彼らの登場でトーナメントの賞金額は飛躍的に伸びました。
それでも2人は、旧来からリスペクトされていること、守るべきことを知り、それらを無視することはありませんでした。今日のPGAツアーの発展は、その上にあったというべきでしょう。
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