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- “平均飛距離208ヤード”で優勝!? 古江彩佳の米ツアー初Vに韓国紙が独自の着眼点
トラストゴルフ・スコティッシュ女子オープンで米ツアー初優勝した古江彩佳。最終日10アンダー、ノーボギーでの大逆転優勝は大きなインパクトを与えた。韓国メディアも日本の新鋭の快挙に驚いているようだ。
古江のティーショット飛距離208ヤードは短すぎないか?
トラストゴルフ・スコティッシュ女子オープンで米国女子ツアーでの初優勝を遂げた古江彩佳。最終日の10バーディー、ノーボギーの追い上げは見事で、自己ベストとコース記録となる62を叩き出し、通算21アンダーで逆転優勝。周囲の度肝を抜いた。

この優勝にいち早く反応したのは韓国メディアだ。というのも、米ツアー通算5勝で同大会3位タイのキム・ヒョージュや今年がルーキーのチェ・ヘジン(同11位タイ)ら韓国勢との競り合いを制したこともあり、古江への注目度が高まった格好だ。
韓国の一般紙「中央日報」が古江の優勝で最も驚いていたのは、ドライバーの飛距離だ。
「今大会、古江彩佳のドライバーショットの平均飛距離は208ヤードだった。米ツアー選手のショットの飛距離はこんなにも短くはない。米女子ツアーのドライビングディスタンス1位は276ヤードだ。古江は飛ばないほうだが、今季の平均飛距離は246ヤード(135位)だ」
それにしても208ヤードという数字は短すぎる。そこにはこんなからくりがあると同紙は指摘している。
韓国のゴルフ解説者は「距離を測るホールにバンカーがあり、パワーヒッターでなければドライバーを持つのは難しかった」と説明したうえで、同紙は「古江がパー4とパー5のすべてのホールで距離を測ったならば、平均飛距離が208ヤードにはならない」と指摘している。
「50~60ヤードも後ろからプレーしていた」
今大会、距離を測るホールは2つあったという。4ラウンドすべて計測すれば8回だ。古江の各ラウンドの平均飛距離は、第1ラウンドが約180ヤード、第2ラウンドが約193ヤード、第3ラウンドが約222ヤード、最終ラウンドが約237ヤードだった。これらを平均すると208ヤードになる計算だ。
つまり、飛距離が出る選手は、計測ホールにあるバンカー越えを狙い、一方の古江はバンカー越えが難しいため落としどころを考えてプレーしたということだ。同紙は「古江は同組の選手から50~60ヤードも後ろからプレーすることもある状況で、優勝を手にした」と報じていた。
また、米女子ツアーのアジア支社のチェ・ミンソク広報室長も取材に応じ、「歴代優勝者の平均飛距離を比較したデータはないが、これほど飛距離の短い選手から優勝者が出たのは長らく記憶にない」と語っている。
その上で、「古江はスコティッシュ女子オープンでフェアウェイキープ率、パーオン率が80パーセントを超え、パット数も1.57。ドライバーの飛距離だけ除けば、ほぼ完ぺきな試合を展開した。セカンドショットでロングアイアンやウッドを正確に打つ能力が高い」と技術力を評価。アマチュア時代にプロツアーで優勝し、日本ツアー通算7勝という戦績にも触れ、韓国ゴルフ界も一目置く選手になったようだ。
古江 彩佳(ふるえ・あやか)
2000年5月27日生まれ、兵庫県出身。アマチュア時代の19年に「富士通レディース」でツアー史上7人目のアマチュア優勝を成し遂げてプロ転向。20年にプロ初勝利を飾り、昨シーズンまででプロ通算6勝。賞金女王争いでは稲見萌寧にあと一歩及ばなかったものの、最優秀選手賞と新人賞に輝いた。今季から米国女子ツアーに参戦し、トラストゴルフ・スコティッシュ女子オープンで同ツアー初勝利を遂げた。富士通所属。
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