「優勝争いしても新たに感じることは少ない」
◆国内女子プロゴルフ<TOTOジャパンクラシック 11月3~6日 瀬田ゴルフコース北コース(滋賀県)6616ヤード・パー72>
あまりの悔しさに声が出ない。上田桃子は第一声を振り絞りこう口を開いた。
「いいスタートは切れたと思うのですが、自分が思うようなゴルフはできなかった。色々と考えてトライしてみてはいたんですけれど……」
TOTOジャパンクラシックの最終日。2位に一打差の単独首位で出た上田桃子は、1番パ―5でバーディ発進すると4番パー4でもバーディを奪取して、いい流れをつかみかけていた。

「自分の中でプレッシャーは感じていなかったのですが、思うように体が動いてくれなかったし、自信を持ってできていなかったり……、そこは大きかった」
その後、5番パー4と9番パー4でボギー。11番パー4では痛恨のダブルボギーも「がんばって食らいついていければと思ったのですが、取れるところで取れないのが続いていたので、それは今の自分の実力かなと思います」と流れに乗れないことを反省していた。
終わってみれば通算12アンダーの5位タイ。優勝争いしたジェマ・ドライバーグは20アンダーと8打差もつけられた。
悔しさと不甲斐なさが入りまじり、涙が流れるのをこらえていた上田。表彰式では最多バーディ賞を受賞するも、「最終日のバックナインでオーバーパーを打っているようでは勝てないと思います」と悔しさをにじませた。
気持ちの整理はつかないまま。「正直、こういう優勝争いは何度もしていて、新たに感じることは少ないんです。同じミスを繰り返しているなと思うのは、収穫としてまだ成長できていないんだなと感じさせられました」。
反省と自責の念は込み上げたまま。ただ、この悔しさをバネにさらなる高みを目指して成長することだろう。36歳になっても衰えない向上心を、悔しさにじむ涙目から見た気がした。