米ツアー3試合での平均飛距離は319.7ヤード! 数字で分かった蝉川泰果のポテンシャルと課題とは?

昨年、アマチュアながらJGTOツアーで2勝を挙げプロデビューを果たした蝉川泰果。2023年は米男子ツアーに3試合挑戦したが、これまでの日本人プレーヤーにはないポテンシャルを見せています。

トップ選手に負けない飛距離とバーディー数

 男子プロゴルフ界のホープ・蝉川泰果が米ツアーデビューからの3連戦を終えた。この3試合のデータを分析すると、蝉川のポテンシャルの高さと課題の両面が浮き彫りになってきた。

 蝉川は米ツアーデビュー戦のソニーオープン・イン・ハワイは67位、2戦目のザ・アメリカンエキスプレスは予選落ち、3戦目のファーマーズインシュアランスオープンが67位という結果だった。

長身のトップ選手に引けを取らない飛距離を誇る175センチの蝉川泰果 写真:Getty Images
長身のトップ選手に引けを取らない飛距離を誇る175センチの蝉川泰果 写真:Getty Images

 上位には食い込めなかったが2試合で予選を通過。例えば、後に米ツアーで活躍する丸山茂樹や松山英樹は最初の3試合で予選を通過したのは1試合だけだったから、この結果はまずまず及第点といえるのではないだろうか。

 この3試合のデータでまず取り上げたいのが飛距離のすごさだ。ソニーオープン・イン・ハワイは325.2ヤードで4位、ジ・アメリカンエキスプレスは322.2ヤードで3位、ファーマーズインシュアランスオープンは312.1ヤードで13位と、いずれもトップクラスの数字を叩き出している。

 3試合の平均は319.7ヤードである。蝉川はスポット参戦ながら米ツアーのドライビングディスタンス部門にランキングされており、名だたる世界の飛ばし屋を抑えて何と全体の3位につけているのだ。

 ドライビングディスタンス上位の選手たちと蝉川を比較すると、ある決定的な違いがあり。それは、身長だ。

 飛ばし屋はやはり大柄な選手ばかり。トップ10で蝉川を除く9人は全員が183センチ以上で平均は186センチにもなる。対して蝉川は175センチ。これだけ身長差がありながら米ツアー3位の飛距離を生み出す蝉川のポテンシャルの高さは恐るべしである。

 もうひとつ高い能力を示すデータを紹介したい。それは、バーディーを奪う力だ。

 ソニーオープン・イン・ハワイで蝉川は18個のバーディーを奪った。バーディーやイーグルを奪う確率をパーブレーク率というが、それにあてはめると25.00%となる。これは、決勝ラウンドに進出した76人中28位の数字。日本勢では松山英樹らを上回る最高値だった。

 決勝ラウンドに進めなかったザ・アメリカンエキスプレスでは予選ラウンド3日間で16個のバーディーを奪い、パーブレーク率は29.62%だった。ソニーオープン・イン・ハワイよりも高かったのである。この大会はプロアマ戦なのでセッティングは易しく、自ずと激しいバーディー合戦となるのだが、それを差し引いてもこれだけたくさんバーディーを奪えるのはポテンシャルが高い証拠である。

 ファーマーズインシュアランスオープンでは難易度の高いコースを相手にしてさすがにパーブレーク率は15.28%にとどまったが、イーグルを2個奪っている。

 3試合通算のパーブレーク率は22.72%である。ちなみに松山の昨シーズンのパーブレーク率は23.92%で部門14位だった。シーズン通しての数字と3試合のみのデータを単純に比較はできないが、米ツアーでもトップクラスのパーブレーク率を誇る松山とそん色ない数字を残したということは評価できる。

今後の課題は「ボギーの多さ」をいかに改善するか
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