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- ホンダLPGAタイランド最終ホールで飛び出したパターでのアプローチ 積極的に使うべき状況とは?
多くの男女ツアープロのコーチを務め、ゴルフ中継で解説も務めている石井忍が、国内外ツアーで気になった選手やシーンをピックアップ。独自の視点で分析します。今回注目したのは、米国女子ツアー「ホンダLPGAタイランド」で優勝したリリア・ヴです。
8バーディー、ノーボギーの会心のラウンドで逆転優勝したリリア・ヴ
2月23~26日、タイのサイアムCCオールドコースで米女子ツアー第2戦「ホンダLPGAタイランド」が行われました。
この試合には、畑岡奈紗選手、渋野日向子選手、笹生優花選手、古江彩佳選手、岩井明愛選手、岩井千怜選手、そしてアマチュアの馬場咲希選手と、日本勢が7名出場しました。日本勢の最上位は、通算12アンダー20位タイの笹生選手でした。また、今大会が今シーズンの初戦となった渋野選手は、通算10アンダーの27位タイでフィニッシュしました。笹生選手と渋野選手、そして通算9アンダーで34位タイの馬場選手の3人は、最終日に同組となり、楽しそうにプレーしていたのが印象的でした。
今大会を制したのは、リリア・ヴ選手です。最終日は首位と6打差の4位からスタートし、5連続を含む8バーディー、ノーボギーの64をマークして通算22アンダー。21年の下部ツアーで3勝を挙げて同ツアー賞金ランキング1位に輝いたヴ選手が、逆転でツアー初勝利を飾りました。
1打差の2位に入ったのは、地元タイのナッタクリッタ・ウォンタウィラップ選手。今大会がツアー初出場だった20歳のウォンタウィラップ選手は、最終日に首位からスタートしましたが、71と伸ばし切れず、惜しくも初優勝を手にできませんでした。
グリーンオンした選手がウェッジを、外した選手がパターを使う
さて、そんな優勝を争った2人のプレーで興味深いシーンがありました。ピンが右手前に切ってあった最終日最終ホール(パー5)。ヴ選手は、3打目をグリーン右サイドに外し、アプローチでパターを選択。4打目をカップにピタリと寄せてパーをセーブしました。
一方、ウォンタウィラップ選手は2オンに成功しましたが、ボールが止まったのはグリーン奥。ここから、なんとウェッジで3打目を打ちました。しかし、寄せ切ることができずパーでホールアウトしました。
グリーンを外した選手がパターを使い、グリーンに乗せた選手がウェッジを使うというのは、非常に珍しいシーンですよね。一般営業のゴルフ場ではローカルルールがあり、グリーン上ではパターしか使えないケースがほとんど。ですからウォンタウィラップ選手のプレーは参考にはできませんが、ヴ選手のパターでのアプローチは大いに参考になります。
「グリーンの外からパターを使うのは恥ずかしい」と思う人もいるようですが、パターで寄せるアプローチはプロでも使う立派な技です。
この技を使うには、ボールとグリーン間の芝のコンディションが良いことなどが条件にありますが、エッジからピンが近い時や砲台グリーンへのアプローチなどでも有効です。ウェッジでのアプローチと違い、大きなミスになることが少ないので、積極的にトライしてみてください。
リリア・ヴ
1997年生まれ、米国カリフォルニア州出身。アマチュア時代は、ANAインスピレーション(2018年)でローアマを獲得するなど活躍し、世界アマチュアランキング1位に輝いたことも。19年にプロ転向し、21年の下部ツアーで3勝を挙げて賞金ランキング1位を獲得。今季の「ホンダLPGAタイランド」でツアー初優勝を飾った。
【解説】石井 忍(いしい・しのぶ)
1974年生まれ、千葉県出身。日本大学ゴルフ部を経て1998年プロ転向。その後、コーチとして手腕を発揮し、多くの男女ツアープロを指導。「エースゴルフクラブ」を主宰し、アマチュアにもレッスンを行う。
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