- ゴルフのニュース|総合ゴルフ情報サイト
- 記事一覧
- ツアー
- マキロイは“飛ばないボール”に大賛成! 理由1は「メジャーで有利」 理由2は「テニスにヒント」!?
先週、世界のゴルフルールを統括する英国のR&A、米国のUSGA(全米ゴルフ協会)が、男子のプロやトップアマが出場するエリートレベルの競技で“飛ばないボール”を採用できるローカルルールを策定しようとしていることが明らかになりました。すると、ジャスティン・トーマスは猛反発し、両団体を猛烈に批判。PGAツアーの多くの選手も同意見なのではないかと推察されていましたが、ローリー・マキロイの考えは真逆。“飛ばないボール”の導入に賛意を示しました。
「自己中心的だけど、ボール規制は僕に有利に働くと思う」
先週、世界のゴルフルールを統括する英国のR&A、米国のUSGA(全米ゴルフ協会)が、男子のプロやトップアマが出場するエリートレベルの競技で“飛ばないボール”を採用できるローカルルールを策定しようとしていることが明らかになりました。
すると、ジャスティン・トーマスは猛反発し、両団体を猛烈に批判。PGAツアーの多くの選手も同意見なのではないかと推察されていましたが、ローリー・マキロイの考えは真逆。“飛ばないボール”の導入に賛意を示しました。
マキロイが自らの考えを語ったのは、米ウェブメディアの「ノー・レイングアップ」。共同創立者のクリス・ソロモン氏の独占インタビューで、忌憚のない意見を述べています。
記事の中でマキロイは、自身が“飛ばないボール”に関して一般ゴルファーを対象にすべきでないと以前から主張してきたと述べ、それが受け入れられたことは喜ばしいことだと語っています。
その上で「自己中心的だけど…」と前置きしつつ、「それ(ボール規制)は僕に有利に働くと思う」として、こう続けます。
「(ボール規制は)“いい選手”にのみが有利になるだろう。もちろん飛距離が出る選手に関してもそうかもしれないけど、プロの競技全体に対して良い影響があると思うんだ。選手たちは再びロングアイアンやミドルアイアンを打つようになり、1ラウンドのうちにバッグに入っているすべてのクラブを使うことになる。僕自身、最後にそんなことをしたのがいつだったか忘れちゃったよ」
要するにマキロイの主張は、単純にドライバーで飛距離を稼いでショートアイアン以下のクラブでチョンと乗せるようなパワーゴルフではなく、往年の名手たちのようにプロゴルファーらしい技術を披露する場にツアーを戻したいということのようです。
もう一つ、マキロイがより“自己中心的”な考えを語った箇所に注目が集まりました。
“飛ばないボール”の採用はあくまでローカルルールのため、もし施行されてもPGAツアーはショー的な要素を重視して、採用を見送る可能性が指摘されています。しかし“言い出しっぺ”であるR&AとUSGAが採用しないとは考えづらく、そうなった場合、PGAツアーのいわゆる“平場の試合”では飛ぶボール、メジャーの少なくとも全米オープンと全英オープンでは飛ばないボールというダブルスタンダードの中で選手は戦わなくてはいけなくなるわけです。
しかし、マキロイはPGAツアーがローカルルールを採用しなかった場合でも、“飛ばないボール”を普段から使い続けるかもしれないと口にしました。それはマキロイにとってメジャー制覇が何よりもプライオリティーを置く事柄だから。
「(飛ばないボールを使い続けることが)メジャー制覇に向けて何よりも自分にチャンスをもたらし、何よりも良い準備になると知っているから」と、普段のPGAツアーで飛距離的に不利になっても、メジャー大会では一転有利に働くとの考えを示しました。
遅いボールと粘る芝でパワーテニス時代を終わらせたウィンブルドン
マキロイは自身がこうした考えに至ったきっかけについても明かしています。それはゴルフ界ではなくテニス界の大物との対話を通してだったと言います。マキロイは2~3年前にウィンブルドン選手権を主催する英国ローンテニス協会の会長と話した時のことを振り返りました。会長は次のように語ったと言います。
「2000年代初頭、男子テニスはサーブ&ボレーに席巻され、エンターテインメントとしてはあまり面白くなかった。ラリーが3回以上続かないんだから。コートを広げることはできないから、われわれがやったことはボールを遅くし、芝を少し粘りのあるものに変えることだった。3年後にはロジャー・フェデラーとラファエル・ナダルが競う歴代最高のウィンブルドン決勝の一つを見ることができたよ」
エリートレベルで“飛ばないボール”を採用することで、果たしてテニスで起きたようなことがゴルフでも起きるのか、プロゴルフはより面白くなるのか。やってみなければ分からない、というのが正直なところです。
最新の記事
pick up
ranking