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- 「吉田優利の叔母です」と首位発進にご機嫌の吉田弓美子 その後の会見で流した涙の理由とは?
パナソニックオープンレディース初日、ツアー7勝を誇る吉田弓美子がレギュラーツアーで久々の首位発進を果たした。
36歳の誕生日に久々の首位発進
◆国内女子プロゴルフ<パナソニックオープンレディース 4月28~30日 浜野ゴルフクラブ(千葉県) 6656ヤード・パー72>
仲間たちの頑張りを支えにゴルフを続けている吉田弓美子が、誕生日に首位発進だ。
JLPGAツアー第9戦、パナソニックオープンレディース初日は、吉田と川岸史果が5アンダーで首位に並んだ。1打差で永峰咲希、葭葉ルミ、フェービー・ヤオ、2打差で金田久美子、穴井詩、岩井千怜など6人が追う混戦模様となっている。
インタビューにやってきた吉田は、開口一番「吉田優利の叔母です」と笑いを取った。この日が36歳の誕生日。20歳前後の選手の活躍が目立つ現在のツアーでは、ベテランといわれる年齢になっている。苗字が同じ23歳の後輩の名前を使い、そんな状況を自ら笑いに変えて臨んだ久々の会見だった。
今日は10番パー4からスタートすると14番パー4、16番パー4でバーディーを奪取。折り返してからは2番パー4から3連続バーディーと、パットが冴えた。
5番パー3でこの日唯一のボギーを叩いたが、上がりの9番パー3でグリーン右のラフから15ヤードのアプローチをそのままカップインさせて6つ目のバーディー。首位のまま初日を終えた。
ツアー通算7勝の実績を誇るが、2017年のスタンレーレディスを最後に優勝から遠ざかっている。この年、体調不良で2試合棄権、12試合を欠場。翌2018年は賞金ランキング65位でシード権を喪失している。以来、コロナでのロングシーズンも含めて、ステップアップツアーを主戦場にプレーしてきた。
昨年末のQTで30位に入り、今季前半戦は久しぶりにレギュラーツアーで戦っている。そんな中での首位発進に「レギュラーツアーの首位なんて何年ぶりですかね。新しい気持ちで挑めるかな」と、笑顔を見せた。
「36歳になってゴルフをして、レギュラーツアーにいれるなんて思ってもなかったし、いいスコアで回れるとも思ってなかった。ゴルフをあきらめないで続けてやってきてよかった」と、しみじみと語る。
同じ30代の選手の優勝についても「すごいなと思うけど、それぞれが別の個人。じゃあ私も、というようにはならないです。私は落ちるところまで落ちた人間なので、シードを取り続けることがどれだけすごいかがよくわかる」と、冷静に受け止めている。
仲間の頑張りがあきらめずに続けられた理由
一方で、仲間の頑張りが、気持ちの支えになっていることも打ち明ける。感情が高ぶったのは、あきらめずに続けてこられた理由を話し出したときだ。「同い年の穴井詩ちゃんや笠りつ子ちゃん、今は一時的にお休みしている有村智恵ちゃん、それから大好きな……」と言って絶句。
「大好きな服部真夕ちゃん、原江里菜ちゃん。絶対辛い時期を過ごしてるはずなんですけど、ひたむきにやってる姿を見ると、勝手になんですけど励まされる。彼女たちがお休みするまでは、私も……。もうムリかなって思った時期もあったんですけど、ひたむきに向き合ってる人がいるのに、私がそんなこと思っちゃダメだって」と、吉田同様、実績がありながらシードを失った仲間たちへの思いを口にした。
QTからレギュラーツアーに戻ってきたことで、周囲にいい刺激になれば、とも考えている。「どうしよう、って思ってる人にもこういう吉田みたいな(カムバックの)パターンもありだな、と伝わるといいな」。
若いころに比べて、体力の衰えは痛感しており、プレー後は「直帰」することも少なくない。「もう少し練習したいこともあるけど、体と頭を休めないと体力的に続かない」と、自らとしっかり向き合い、日々戦っている。
残り2日間の目標は「予選を通ればいいです」と謙虚に話した吉田。生涯スポーツであるゴルフだからこそ見られるその姿は、多くの人に勇気を与えているのはまちがいない。
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