女子ゴルフ「9オーバー」という大会最多の予選カットスコアになったのはなぜ? 上位選手はどう攻略した?

今大会では上位60位タイまでが予選を通過できるが、カットラインが9オーバーと、開催コースを茨城GCに移してから、最多予選カットスコアとなった(これまでは2010年の8オーバー)。レベルが上がってきたと言われる国内女子ツアーだが、一体なぜそのようなスコアになったのだろうか。

女子の飛距離だとパー4でショートアイアンを使えるのは2、3ホールしかない

◆国内女子プロゴルフ<ワールドレディスチャンピオンシップ サロンパスカップ 5月4~7日 茨城ゴルフ倶楽部 西コース(茨城県) 6780ヤード・パー72>

 ワールドレディスチャンピオンシップ サロンパスカップ2日目、午前中は穏やかな風だったが、時計の針が進むにつれて徐々に風の強さも増していく。最大瞬間風速は12時現在では4.7m/sだったが、午後には13.9m/sもの強風が吹き荒れた。

強風が吹き荒れた午後組ながらイーブンパーと、さすがディフェンディングチャンピオンというところを見せた山下美夢有 写真:Getty Images
強風が吹き荒れた午後組ながらイーブンパーと、さすがディフェンディングチャンピオンというところを見せた山下美夢有 写真:Getty Images

 25度近い気温に強風が加わったことで、グリーンの表面はどんどん乾いていく。もともとスティンプメーターでは13.5、コンパクション24.5と、超高速かつパンパンに硬いグリーンといえるコンディションだったが、午後はその数字以上にグリーンのスピードも硬さも増していったのは間違いない。

 ただ、初日は18ホール中15ホールでエッジから5ヤード以内のところにピンが切られていたが、この日は9ホールが5ヤード以内と、若干エッジから中に入っていた。それでも厳しい位置にピンが切られていたことは確かだ。

 予定していたコースセッティングのままなら対応できた選手も少なくなかったと思われるが、強風が吹いたことで難易度が一気に上がったと考えられる。その結果、予選カットラインが大会最多の9オーバーまで増えてしまった。

 ゴルフは自然との闘いであるだけに、致し方ないものの、数字だけを見て女子の技術的な問題だと考えるのは早計だ。コーチとしてコース内を歩いていた伊澤利光によれば、「女子の飛距離だとパー4でショートアイアンを使えるのは2、3ホールしかないですよね。どうしてもユーティリティーや6番アイアンを持つ機会が増えますが、グリーンの硬さを考えると止まらないでしょう」と、飛距離の問題だと主張する。仮に、男子が同じ番手でグリーンを狙ったとしても、そう簡単に止めることはできない状況だったという。

グリーンのスピード、硬さ、小ささ、アンジュレーション、ラフの深さ、風

 また、林菜乃子のキャディーを務めていた芹澤信雄によれば、「グリーンのスピード、硬さ、ラフの深さ、風、アンジュレーションのある小さいグリーンがスコアが伸びなかった原因でしょう」と分析する。ただし、グリーンを軟らかめにするだけでもかなり変わったはずとのこと。やはり、グリーンが硬くなったことが、各選手がスコアを崩した大きな理由だと考えられる。

 ただ、そんな状況でも小祝さくらのように午後スタートながら68で回っている選手もいるし、同じ午後スタートの山下美夢有やリ・ハナもイーブンパーで回っている。

「ピン位置が難しかっただけでなく、すごく風が吹いたうえに、昨年よりも距離が長くなったパー4があったので、コースマネジメントが難しかったですね。ボギーになりそうなホールも結構ありましたが、うまく耐えることができたと思います」と山下。

 リ・ハナも「風が強くなって集中することが難しかったですけど、無理せず、セーブして回りました」と安全策が功を奏した。小祝にしても「かなり頭を使ってラウンドした」と語っており、技術をマネジメントでカバーした選手が上位に来たようだ。

 メジャーである以上、難易度の高いセッティングは致し方ないし、何度も経験するうちに対応できる選手も増えるはず。距離の問題に対してどのように対処するべきかを考える意味でも、このような試合がもう少し増えていいかもしれない。

本文を一部修正しました(5月7日12時30分)。

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