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- 唯一の60台をマーク! ツアー初優勝を狙う佐久間朱莉が“逆転優勝”へ向け視界良好
この日も強風に襲われた茨城GCだが、徐々に慣れてきたのかアンダーパーをマークする選手がチラホラと見られるようになった。その一人が5バーディー、2ボギーの69をマークし、通算4オーバーの3位タイにまで順位を上げた佐久間朱莉だ。
徹底して手前から攻めるマネジメントが成功
◆国内女子プロゴルフ<ワールドレディスチャンピオンシップ サロンパスカップ 5月4~7日 茨城ゴルフ倶楽部 西コース(茨城県) 6780ヤード・パー72>
まさに、師匠であるジャンボ尾崎譲りのバーディーラッシュ。首位と11打差の29位タイからスタートした佐久間朱莉が前半戦に見せたゴルフだ。
4番、5番でそれぞれ4メートル、1メートルのバーディーパットを沈めると、1つ置いて7番ホールから3連続バーディーを奪う。圧巻だったのは9番パー4で、グリーン手前10ヤードから58度のウェッジを使ってのチップインバーディーだった。
「今日はとにかく手前、手前、手前から攻めるマネジメントに徹しました」と佐久間。たとえグリーンまで届かなくてもいいから、手前のグリーンエッジにボールを落とすイメージでラウンドしたという。
「おかげで上りのアプローチを残せたのでよかったです」と笑顔を見せる。グリーン奥に外すと下りのアプローチが残るホールが多く、うまく打ってもピンを大きくオーバーする確率が高い。それがボギーにもつながると前日までに嫌というほど味わったことで、この日は“手前作戦”を徹底した。手前からなら9番のようにチップインバーディーもあり得るだけに、その作戦は大成功だったといえる。
後半のハーフでスコアを2つ落とした佐久間だが、作戦自体は変えなかった。功を奏したのが11番パー4だ。ティーショットを右の林に打ち込んだが、そこからグリーン手前まで運び、30ヤードのアプローチをしっかり寄せてパーセーブ。ピンチをうまく切り抜けた。
上がってみれば、トータルでスコアを3つ伸ばした選手は佐久間以外に見当たらないだけに、ナイスラウンドだったのは間違いない。
もちろん、ショットの良さがあっての“手前作戦”でもある。今年の1月にジャンボからスイングが縦振りになり過ぎていたことを指摘された佐久間。「縦振りだとボールがつかまらず、飛距離が落ちていたんですけど、横振りに戻したことでボールがつかまるようになり、飛距離も戻ってきました」と開幕2戦目で語っていたが、横振りに戻して約4カ月が経過したことで、よりそのスイングがしっくりとしてきた。
さらに、佐久間なりに風対策も施していた。「ドライバーショットでは低い球を打ちたかったので、ティーアップを低くして、ボールを少し右に置いていました。ボールがふけることがない分、アゲインストが強いときとか、普通に打つよりも飛んでいたと思います。フェアウェイも外さなかったですしね」。ティーショットでいいポジションをキープできたからこそ、セカンドショットで手前のエッジを確実に狙うことができたわけだ。
通算4オーバーにしたことで、3位タイにまで順位を上げた佐久間。
前週の月曜日にジャンボ邸に行った際「『いつまでその辺の位置で戦っているんだよ』と言われました」と喝を入れられたことを告白。勝てる実力を持ちながら、なかなか勝てない弟子へのジャンボなりの愛情表現だろう。
その期待に応えるためにも「今週は最後まであきらめずにプレーしたいです」と気合を入れ直して最終日に臨む。
佐久間 朱莉(さくま・しゅり)
2002年12月11日生まれ、埼玉県出身。アマチュア時代はナショナルチームで活躍。コロナ禍で延期となっていた2020年度のプロテストにトップ合格。昨季はメルセデス・ランキング33位に入り、シードを獲得した。大東建託所属。
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