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3年越しでいまだ決着を見ない学生ゴルフのパワハラ騒動 当事者Aさん「最初から良くは思われてなかった」事の経緯を明かす
当コラムで明らかにしてきた関東学連の社会人理事と監督・学生理事の対立問題。その深層部分にあるのが、社会人理事たちが行った学生理事に対するパワハラの事実。今回はその被害者3人に集まってもらい、リモートで座談会を行いました。
発端は常陸宮杯創設時の大会フォーマットを巡る行き違い
当コラムで明らかにしてきた関東学連の社会人理事と監督・学生理事の対立問題。その深層部分にあるのが、社会人理事たちが行った学生理事に対するパワハラの事実。今回はその被害者3人に集まってもらい、リモートで座談会を行いました。学生理事たちの身に一体何が起きていたのか。生々しいコメントが次々に飛び出してきました。第1回は、今回の騒動の発端となった2023年の内部通報窓口への告発。当事者のAさんが語ります。
<出席者>
2023年度 日本学生ゴルフ連盟・関東学生ゴルフ連盟理事 Aさん
2024年度 関東学生ゴルフ連盟理事 Bさん
2024年度 日本学生ゴルフ連盟・関西学生ゴルフ連盟委員長 Cさん
司会=小川朗(日本ゴルフジャーナリスト協会会長)

※ ※ ※
――関東学連社会人理事のパワハラを含む問題体質を告発する機会ができたと思うので、皆さんには順を追って、これまで起きた事実を振り返っていただきたいと思います。まずAさんから、2023年に起きていたことを、かいつまんで説明していただけますか?
Aさん はい。私が委員長になった際、一番理事たちに違和感を感じたのが、もともと朝日杯(個人戦)と信夫杯(団体戦)という大会が潰れてなくなってしまって、常陸宮杯に名前も全て変わったときのことです。22年に第1回が始まって、私の代の第2回の時に団体戦のスコアで個人戦もやる話になったんです。団体戦と個人戦のやり方で戦法とかもすごく違うと思うので、「別々に開催した方がいいんじゃないか」という話をしたんです。でもそこは受け入れてもらえず、強行突破されてしまいました。そこからだんだん、違和感を感じ始めました。
――私もこの件は朝日新聞などに取材しました。あの時は監督さんたちもみんな反対していたんじゃないですかね。
Aさん そうですね。監督たちも、あと、全国(各地区)の学連委員長も含め、全員反対になりました。
――団体戦の戦い方と個人戦の戦い方は、選手にとってみれば違いますよね。なぜスコアを一緒に使おうとなったんですかね?
Aさん もともと常陸宮杯のカップを個人戦も用意していただいたので「個人戦をどうしてもやらないといけない」という思いがあって「団体戦と同時開催してしまおう」という判断だったと思います。
――その判断は社会人理事がやったんですか?
Aさん はい。そういうことですよね。
――結局は学生も監督も反対している中で、社会人理事が押し切った。その後はどうされましたか?
Aさん 団体戦のみの開催を強く要望したのですが、無視され、個人戦・団体戦が行われました。また、常陸宮杯当日、個人戦が加わったことの経緯を説明する監督会議が行われました。本来であれば、社会人理事が強行突破で開催をしたため、社会人理事が経緯を説明をするのが筋だと思いますが、全員欠席され、私が代理で説明をいたしました。学生のためと言いつつ、全て投げやりな体制に苛立ちも感じました。
――次期会長選びも新会長候補に異論が出て後継会長が決まらず、黒須一雄元会長に戻ったんですよね。Aさんはそのいきさつもご存じですね?
Aさん そうです。当事者として見てました。
「署名に不備がある。刑法上の有印私文書変造罪だ」
――黒須さんが続投することになったものの、すぐに辞任。その後、北口博副会長が会長代行になり、会長不在が延々と続くわけですよね? その北口会長代行とAさんの関係が悪化したのはいつから?
Aさん 最初の頃から良くは思われてなかったと思います。
――それはなぜ?
Aさん そもそも私が委員長になる前に立候補する人がいなかったんです。それで次期委員長候補であることを「理事会などで自己紹介の時に話してね」と上から言われていたので、当時の委員長から紹介された時に「次期委員長のAです」という話をしたんです。その後「委員長はまだ決まっていないのに、なんでそんなこと言うんだ」って怒られた経験がありまして、その頃から多分あまり好かれてはないと思いますね。
――そもそも任意団体ですし、次の委員長を早めに決めて次年に向けていろいろ経験してもらわないとスムーズにことが運ばない。むしろ前体制の後半は次期委員長の体制も決めて引き継ぎを現場でやりながら移行するのが当たり前のことで、それに対しての「なんでお前らが勝手にやってるんだ」っていうスタンス自体が、もう既に学生主導の考え方ではないですよね。
Aさん 次期委員長が正式に決まってないのに発言したのは、確かに私も悪いと思い、そこは謝罪文も書きました。
――謝罪文を書くような案件だとは思えませんが。その後の流れは?
Aさん 北口(博)さんが代行になることも短い話し合いだけで決まりました。本来であれば総会を通すべきですし、黒須さんが退任されれば、次の会長が副会長以下も選任するので、会長でなくなった時に旧体制の理事たちも退任していただく。その2点をずっと話していたんですけれども、どちらも無視でした。そこで「何でなんだろう」という違和感を持つようになりました。
――次期会長選びで迷走したんですよね。新しい人を決めればいいだけの話なのに。
Aさん 暫定的に1カ月か2カ月、旧体制の理事でやるのなら分かるんですけど「早く総会をしてください」と言っても、総会を開けず次期会長が決まらなかった。それで10月に関東の学校の8割に出かけて、総会の開催を要望する署名活動もさせていただきました。集まったものを北口会長代行にお渡ししたら「署名に不備がある。刑法上の有印私文書変造罪だ」と言われてしまいました。全く偽造をしてないんですけど。
――その後、内部通報窓口にAさんが北口さんから受けたパワハラを告発したわけですね。今、ここにコピーがありますが、告発文は23年11月10日に発送されていますね。この経緯は?
Aさん その11月までの間、10月ぐらいからいろいろと署名のところに加筆したっていうことを挙げつらって問題にされたんです。
――私文書偽造と言っても結局そういう可能性があると言ってるだけで、実際はそれにも当たるかどうかも分からない状況なんだけど、それがある種、すでにパワハラというか、恫喝している感じを受けますね。ここに通報事案の文書がありますので冒頭を紹介しますと、「私は北口会長代行から社会的格差を利用したパワハラを受けました」とあります。11月10日となると、Aさんたちの任期はあと2カ月弱、12月いっぱいで任期が終わるんですよね。でも、その後、内部通報窓口に協力できなくなるんですよね。
Aさん そもそもパワハラとかをしてくる(社会人)理事の人たちが選ぶ人(調査委員)っていうのが、私の中でどうしても何か裏があるのではないかと思いましたので「理事会が選ぶ方法じゃなくて、ちゃんとした第三者委員会でやってください」と言いました。
――要するに第三者委員会のメンバーを入れ替えてほしいというのが目的だった。でもそれに応じてもらえなかった。結局そのまま平行線で、Aさんに答えが届いたのが、昨年の10月でしたっけ? 1年くらいかかったということですね。回答は「パワハラの事実はありませんでした」という一文だけだったそうですね。
Aさん 私に一度でも、電話でも対面でも話があれば別ですが「結果が出ました。無罪です。何もありませんでした」みたいな結論が出たというのが理解できないんです。「なぜそうなったのか」というのはすごく思います。
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