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- 女子下部ツアーで起きた悲劇の“優勝取り消し” JLPGAの説明でも触れられなかった重要ポイントとは?
ステップ・アップ・ツアー「京都レディース」プレーオフで起きた黄アルムの「超過クラブ」違反。これにより、黄は優勝を逃しましたが、JLPGAが後日出した経緯説明でも触れられなかった重要なポイントがあります。
黄アルムのプレーオフにおける「超過クラブ」違反を解説
先週開催された国内女子下部のステップ・アップ・ツアー競技「京都レディース」は、藤井美羽と黄アルムの2選手で行われたプレーオフが黄の「14本のクラブの制限」(規則4.1b)違反により、藤井が勝者となりました。そこで下された裁定の詳細と経緯は後日、日本女子プロゴルフ協会(JLPGA)から発表があり、その内容は本サイトでも紹介しました。しかし、ネット上ではそれでも「不可解」とする声が多数挙がりました。
なぜなら、この件で適用される規則4.1bの(1)には、次の記述があるからです。
〈プレーヤーのラウンドがスタートした後に他のプレーヤーが置き忘れたクラブを拾ったり、プレーヤーが知らないところでクラブが誤ってそのプレーヤーのバッグに入れられたりした場合、そのクラブは14本の制限についてはプレーヤーのクラブの1本とは扱われない(しかし、使用することはできない)。〉とあり、黄のケースも「プレーヤーが知らないところでクラブが誤ってそのプレーヤーのバッグに入れられたりした場合」に当たるため、いわゆる「超過クラブ」にカウントされないのでは? というのです。

ところが――先のJLPGAの発表では触れられていませんが――規則5.1「ラウンドの意味」には、「ストロークプレーのプレーオフ。これは新しいラウンドとなる」と書かれています。つまり、黄のバッグが「超過クラブ」の状態になったのは、「ラウンドがスタートした後」ではなく、新たなラウンドのスタート前であり、結果、規則4.1b(1)が禁止する「14本を超えるクラブを持ってラウンドをスタートすること」に違反したのでした。
「大王製紙エリエール」でも超過クラブ処置を誤り失格に
「京都レディース」と同じ週に開催されたJLPGAツアー競技「大王製紙エリエールレディス」でも、一人がやはり「超過クラブ」に気づきながら、その後の処置を誤り、失格になる出来事がありました。
失格になったのはアマチュアの叶結衣選手。同選手は2番ホールのプレー中、15本のクラブを持ってラウンドをスタートしたことに気づき、帯同のスコアラー経由で競技委員を呼ぶことにしました。ところが、競技委員への連絡がつながらなかったため、そのままプレーを続行し、ラウンドを終えてしまいます。
規則4.1c「クラブをプレーから除外するための手続き」では、プレーヤーはラウンド中に「超過クラブ」に気づいた場合、「プレーから除外する各クラブを明確に示す行動を次のストロークを行う前にとらなければならない」として、プレーヤーは「除外することをマーカーかその組の別のプレーヤーに告げ」、そのうえで「何らかの明確な行動をとる(例えば、そのクラブをバッグに逆さまに入れる、ゴルフカートの床に置く、別の人にクラブを渡す)」ことが求められています。
しかし、同選手はこの除外処置をとらなかったため、同規則違反で失格となったのでした。
競技プレーヤーであれば、「14本のクラブの制限」は常識ですが、大事なのは「超過クラブ」に気づいたあとの正しい処置。頭に入れておきましょう。
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