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- 「東京2025デフリンピック」のゴルフ競技観戦で最も感銘を受けたこととは? 今後のプレーに少なからず影響がありそう!?
11月18~21日に若洲ゴルフリンクス(東京都)で開催された「東京2025デフリンピック」のゴルフ競技を観戦しました。
聴覚障害があってもトップ選手はめちゃめちゃうまい
11月18~21日に若洲ゴルフリンクス(東京都)で「東京2025デフリンピック」のゴルフ競技が開催されました。
デフリンピックは「耳の聞こえない・聞こえにくい人のためのオリンピック」です。日本で開催されるのは今回が初めて。しかもゴルフ競技の会場が個人的に何度もプレーしたことのあるコースで、事前申請なしで誰でも無料で観戦できるというので、大会初日のトップスタート(8時30分)に合わせて会場に足を運びました。
コースに到着すると、「東京2025デフリンピック」の大会エンブレムとデフリンピックの公式ロゴマークが隣り合わせで並んだ旗が連なっていました。一般観客入口は正面玄関ではなく、クラブハウスの外側をグルッと回ったところに設置されていました。
会場内に入ると、見慣れたアプローチ練習場が目に飛び込んできました。ただし、練習エリアは関係者以外立ち入り禁止のローピングが施されており、クラブハウス上部には各国の国旗が掲げられています。一般営業時とは雰囲気が全然違います。

デフリンピックのゴルフ競技は、初日、2日目、3日目が個人戦(男女とも54ホールストロークプレー)、最終日が男女混合チーム戦で行なわれます。ティータイムは10分間隔の3サムで、出場人数は男子が42人、女子が21人でした。観戦エリアは1番ホールのティーイングエリア付近、9番ホールのグリーン付近、10番ホールのティーイングエリア付近、18番ホールのグリーン付近のみです。
トップスタートの組に日本の渕暢之(ふち・のぶゆき)選手がいたので、まず1番ホールに向かいます。驚いたのはティーマークの位置でした。一般営業よりも30~40ヤード後ろに設置されています。「こんなに後ろから打って2打で届くのかな」と思いましたが、心配無用でした。男子のトップ選手はティーショットを300ヤード近く飛ばしていました。
初日のベストスコアは男子がアレン・ジョン選手(ドイツ)の6アンダー66、女子がディクシャ・ダガール選手(インド)の4アンダー68です。この2人が個人戦を圧勝するのですが、優勝スコアはいずれも通算11アンダーでした。
一方で、初日60台をマークしたのは前出の2名のみで、70台もそんなにたくさんいるわけではありません。多くの選手が80台でした。
ゴルフが上手ではない選手も楽しそうにプレー
日本人選手は渕選手に続いて、前島博之(まえじま・ひろゆき)選手(8時50分スタート、1番ティー)、袖山哲朗(そでやま・てつろう)選手(9時00分スタート、1番ティー)、中島梨栄(なかじま・りえ)選手(9時05分スタート、10番ティー)、辻結名(つじ・ゆうな)選手(9時15分スタート、10番ティー)がティーオフしました。
当初の予定では日本人選手全員のスタートを見送ったら、渕選手のハーフターンまで休憩するつもりでした。しかし世界各国の選手たちがティーショットを打つ姿を眺めていると、プロの試合と違って体格も年代もスイングも実にさまざまで、最後まで見たくなりました。

国の代表選手といえども、ティーショットがフェアウェイに飛ぶ選手は多くありません。左右に曲がる選手もいます。それでもみんな悔しがることもなく、ニコニコと手を振りながらコースに出ていきます。その様子を見ていると、こちらも楽しい気持ちになります。
このコースを普段プレーするときは「左のOBがイヤだな」とか「右の林がイヤだな」と思いながらティーショットを打ちますが、「自分は何の障害もなく、思いどおりにゴルフができるのに、なんであんなにビクビクしながらティーショットを打っているのだろう」「ゴルフをもっと楽しまなきゃいけないな」と考えさせられました。
若洲ゴルフリンクスは予約がなかなか取れない人気コースですが、次回ラウンドする機会に恵まれたときは、ティーショットが曲がってもクヨクヨせず、笑顔でラウンドすることを心に誓いました。
保井友秀(やすい・ともひで)
1974年生まれ。出版社勤務、ゴルフ雑誌編集部勤務を経て、2015年にフリーライターとしての活動を開始。2015年から2018年までPGAツアー日本語版サイトの原稿執筆および編集を担当。現在はゴルフ雑誌やウェブサイトなどで記事を執筆している。
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