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- 若年層&女性ゴルファーは今何を着ている? “パーリー全盛時代”から大転換した令和で人気のゴルフウエアブランド事情
ゴルフ場でパーリーゲイツの総柄ポロとキャップ姿にステータスを感じていた時代。「とりあえずパーリーを着ておけば間違いない」。そんな絶対王者のブランドを取り巻く世の中は、コロナ禍を機に静かに変化を始めています。若年層や女性ゴルファーが増え、韓国ブランドやアパレル発のシンプルなウエアが台頭している昨今。“いま人気のゴルフウエアブランド”とデザイン傾向をひも解きます。
一ブランドで全身を固めるスタイルは減少傾向に
約20年前、日本のゴルフ場ではパーリーゲイツの総柄ポロやカラフルなパンツをまとったゴルファーをどこでも見かけました。「とりあえずパーリー」「一着はクローゼットにある」という感覚は、多くのゴルファーにとって共通認識でした。
通販サイトの「おしゃれなゴルフウエアブランド」ランキングでも、キャロウェイやアディダスと並んで今も上位に名を連ね、定番ブランドとしての強さは健在です。一方で、40代を対象にした調査では「おしゃれなゴルフウエア」としてラルフローレンが挙がるなど、ロゴ全開・総柄一択から「上品で長く着られる」ブランドへと、選び方が少しずつ変化している傾向もうかがえます。

「いま人気のゴルフウエアブランドは?」と聞かれても、ひとつの名前だけを挙げるのは難しくなりました。最近のゴルフ場では、一ブランドで全身を固めるスタイルは少数派になりつつあります。スポーツブランド、アパレル発ブランド、韓国ブランドなどをミックスしながら、その日のメンバーやコースに合わせて“ちょうどいい塩梅”を探る人が増えています。
ナイキやアディダスなどのスポーツ系はロゴ控えめで配色もシンプル。価格帯も含めてベースウエアとして選びやすい存在です。ビームス ゴルフや23区ゴルフといったアパレル発ブランドは、街着の延長で選べるシルエットとデザインで支持を集めています。
さらに、韓国発の「WAAC(ワック)」や「UTAA(ユタ)」、アメリカ・LA発の「Malbon(マルボン)」など海外ブランドは「人と被らない」「ミニマルでおしゃれ」といった理由から、小物を含めて取り入れる人が急増。Q&Aサイトでは「普段着もスーツもネイビーやグレーが多いので、ゴルフウエアも自然とモノトーン中心になった」(40代男性・会社員)といった声もあり、総柄で差をつけていた世代が、今は“モノトーンを軸に一点だけ遊ぶ”傾向にシフトしていることが読み取れます。
TPOに合わせた着分けこそが、令和の時代のゴルフウエア選び
昨年、35周年を迎えたパーリーゲイツは、ワコールとのゴルフ専用ブラ共同開発や丸の内旗艦店でのイベント強化など、新しい取り組みを積極的に展開。ブランドとしての勢いは依然として大きい存在です。
一方で、ゴルフ系メディアやQ&Aサイトを見てみると、パーリーゲイツへの評価は二極化しています。「大きなロゴと派手な配色は、50代の自分が全身で着るとどうしても“やりすぎ感”が出る」(50代男性)という声がある一方、「着ると気分が上がるので、ゴルフの時くらいはパーリーを選びたくなる」「上下パーリーではなく、パンツだけ別ブランドにしてバランスを取っている」(40代男性・会社員)という前向きな意見も見られます。
こうした声から見えてくるのは、好き嫌いがはっきりしつつも“ほどよい距離感で付き合うブランド”へと変化しつつあるということです。
本体のパーリーゲイツに加え、競技志向の「マスターバニー」、カジュアルな「ジャックバニー」、日常使いも視野に入れた「PGG」など、ターゲットを細かく分けることで“パーリーらしさ”の幅は確実に広がっています。
40〜60代ゴルファーに人気のあるプロも多く着用し、藤田寛之、上田桃子、原英莉花をはじめ、木下稜介やルーキーの吉田鈴など、幅広い層がパーリーゲイツのウエアを着用しています。
そもそもパーリーゲイツが選ばれてきた理由は、「人と違う格好でゴルフを楽しみたい」という気持ちに応えてくれるブランドだったから。その感覚自体は、いま若いゴルファーが韓国ブランドやアパレル発ブランドを選ぶ理由と変わりません。ただ表現方法が、総柄からモノトーン、シンプルへと移ってきただけです。
クローゼットには、パーリーの総柄ポロも、控えめなアパレル発ブランドのパンツも、韓国ブランドのキャップも並ぶ時代。接待では落ち着いたアパレル発、仲間内ではパーリーで遊ぶ、そんなTPOに合わせた着分けこそが、令和の時代のゴルフウエア選びといえそうです。
文/井上茜
1979年東京生まれ。外資系ゴルフメーカーでPRを務め、女性ゴルファー支援プロジェクトの立ち上げにも携わる。ファッションアパレルでのプレス経験も持ち、ウエアとギアの両面に通じた知識を活かした記事を得意とする。
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