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- ヘッドやシャフトのメッキが剥がれたら修繕費用は結構な金額になる!? 知っておきたい自分でもできる応急処置とは?
ゴルフクラブは新品だと1本で数万円かかることも珍しくなく、決して気軽に買い替えることができるモノではありません。
スチールシャフトはメッキが剥がれると急速に劣化する可能性がある
クラブは新品だと1本で数万円かかることもある高価なものですが、ラウンド前後のカートへの積み下ろしのときや、誤って落としてしまった際には、塗装やメッキが欠けたり剥がれてしまうこともあります。

クラブの塗装やメッキが剥がれてしまったら、何らかの問題は生じるのでしょうか。レッスンプロ兼クラフトマンの関浩太郎氏は、以下のように話します。
「たとえばシャフトの場合、素材本来の色が見えている状態から塗装を全体的に塗ると、大体4〜5グラム重量が増えるといわれています」
「ただ、普通の使い方をしている最中に塗装が剥げてしまっても、重量は機械で非常に細かく計測しないと分からない程度の差にしかならないので、バランスやフレックスに問題が生じることはありません」
「塗装を施すのはシャフトの中でもほとんどサビが発生しないカーボン製ですから、塗装が落ちたところで性能が低下する心配もないでしょう」
「一方で、スチール製のシャフトは塗装をしないことが多い代わりに、耐久性を上げたり腐食を防止する目的でメッキ加工を行います。メッキが剥がれると水に対するバリアが薄くなり、湿気が内部のスチールまで入り込んでサビを起こす原因になってしまうため、明らかにサビが見え始めているシャフトは性能や安全性の低下を考え、使用を避けるようにしましょう」
また、長い期間同じシャフトを使い続けているとどうしても小さな傷ができてしまいますが、よほど扱い方が雑で深い傷でなければ、見た目が多少悪くなったとしても性能面に問題はないといいます。
関氏によると、小さな塗装剥がれや傷に対してはカー用品店で販売されている「タッチアップペン」などを使うことによって比較的簡単かつ、キレイな仕上がりの応急処置ができるとのことです。
なお、サビがまだ完全に浮いてきていないスチールシャフトだと、表面上に小さな“ブツブツ”ができることがありますが、この程度であれば目が細かめのスチールウールでなでるように磨くと光沢が戻ってきます。
工房では高度な修復ができるが予算は高くなる
応急処置では対処しきれずどうしてもお店に持って行くしかない場合は、どのような流れになるのでしょうか。関氏は以下のように話します。
「メッキ加工がされているクラブだと、メッキを再度施すのに特殊な薬品を使う必要があり工房などに持ち込んでもらうのが基本です。メッキを剥がす段階で1万〜1万5000円、再メッキにも同じくらいの工賃がかかるので、場合によっては新品のシャフトやクラブに買い替えた方が安く済むことがある点は理解しておくといいでしょう」
「また、塗装の剥がれを応急処置で留めたくない場合においても、工房に持ち込んでいただければ1万円前後で再塗装できますし、本来の色に直すのではなく、個性的な色へカスタムすることも可能です」
「最近ではヘッドが黒いウェッジやアイアンが人気を集めていますが、黒くする方法には通常のメッキ加工と、ニッケルとスズの合金メッキである『ガンブラック』と呼ばれるものの大きく2種類が存在します」
「中でもガンブラックは、鉄の表面に酸化皮膜がコーティングされているのが特徴的ですが、通常のメッキ加工と比べると剥がれやすく、特にボールと当たるフェース面やショット時に地面と擦れるソールの部分は、地の色が出てきてしまうこともあります。どちらの方法で黒くしたとしても修復はできますが、摩耗具合に多少の差がある点には気を付けておきましょう」
なお、塗装に関しては塗料をより定着させるためにオーブンで一度熱する「焼き付け」を行うとのことですが、ヘッドとシャフトをつなぎとめる接着剤が溶けないよう分解・再接着が必要で、そこに工賃がかかる場合もあるといいます。
長年使い続けているクラブは、どんなに丁寧に管理していても小さな塗装やメッキの剥がれ、傷などが付いてしまいがちです。自分でもできる応急処置とお店への持ち込みの2種類の対処法を知っておくと、愛着のあるクラブをより長く使えるようになるでしょう。
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