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- AIは優秀なキャディーやレッスンプロになり得るか? シングルハンデのWebディレクターが練習&ラウンドでガッツリ使ってみた結果
日常生活やビジネスの中で、急速に身近なものになったAI。そんなAIを“専属コーチ”あるいは“専属キャディー”として起用すると、今までのゴルフが大きく変わるかもしれません。
スイング動画をアップロードすると的確なアドバイスが!
2022年11月、オープンAI社が対話型生成AIの「ChatGPT」をリリースして以来、「AI(人工知能)」は急速に身近なものになりました。最新の「GPT-5」では、テキストだけでなく、画像や音声を扱えるマルチモーダルAIへと進化を遂げ、日々の生活からビジネスまで様々なシーンで人々をサポートしています。

もちろん、ゴルフ界においてもAIの導入は進んでいて、スイング解析や各種アプリ、フィッティングの現場などで活用されています。また、PGAツアーの「ザ・プレーヤーズ選手権」では、ティーの位置やピンポジションなどのコースセッティングにAIを採り入れ、プレーヤー毎のショット&スコア予測も展開。さらに映像さえ残っていれば、現在は競技委員が行っているルール裁定も、ごく短時間で可能だと言います。
アマチュアゴルファーの中には、すでにAIを“専属コーチ”として活用している方もいらっしゃるかもしれません。たとえば、グーグルが開発した生成AIサービス「Gemini」に、スイング動画と併せて「このスイングに対して、プロからのアドバイスをください」とオーダーすると、なかなか的確なアドバイスが返ってくるので、ぜひお試しを。
ちなみに筆者の場合は、スイングの長所として「安定した軸とスムーズな回転」「力強い下半身のリード」「バランスの取れたフィニッシュ」を褒めてもらった一方、改善のためのアドバイスとして「テークバックの意識(両腕と胸の一体感&インサイドに引きすぎない)」「トップの高さ」「インパクト後の体の開き」を指摘されました。
とくにアドバイスに関しては、筆者自身も課題として認識している部分と、自分では気が付かなかった部分があり、想像以上に有益でした。
その他、「楽天GORA AI解析」や「Golf Fix」、「Swing X」なども気軽に活用できるアプリとして提供されています。
“専属キャディー”としても優秀だけど、使う場面は限られる
“専属コーチ”として頼りになるAIですが、ラウンド時の“専属キャディー”としてはどうなのでしょうか。実際のラウンドで試してみました。
まずは平穏なスタートを切るために重要な朝イチのティーショット。「Gemini」のマイクに「南総カントリークラブ・西コースの10番ロング、朝イチのティーショットはどのように打てば良いですか?」と尋ねてみました。
数秒後、「朝イチのショットは身体がまだ完全に温まっていないため、無理に飛ばそうとせず、確実にフェアウェイを捉えることが最優先です。10番ホールは打ち下ろしなので、ボールがランで距離を稼いでくれます」と返ってきました。
加えて、「無理に振らない(7割程度のスイング)」「狙いを定める」「素振りをしっかり」というアドバイスをくれました。アドバイスを意識してスイングしていくと、ウソみたいなホントの話なのですが、久しぶりに“おはようバーディー”を取ることができたのです。
その後も「逆目の深いラフからのアプローチの注意点」などを尋ねてみましたが、素直にうなずけるアドバイスが返ってきました。AIは“専属キャディー”としても、かなり優秀と言えます。
とくに印象に残ったアドバイスは、ショートホールで前組のプレーを待たされた後のショットについてです。注意すべきポイントは、「身体の準備」と「メンタル(リズムと集中力)の維持」の2点。とくに「過集中を避ける」というアドバイスが目からウロコで、“ゴルフ脳をいったんオフにする”という極意をいまさらながら学びました。
ティーショットで待たされると、ティーイングエリアで何度も素振りを繰り返したり、風や狙いどころを必要以上に熟考しがちですが、実はそれがリズムを崩す一因になっています。それよりも、いっそのことカートに乗ったまま雑談でもしている方が、リズムを崩すことなくショットに入っていけるかもしれません。
このように様々な場面で活用できるAIですが、プレーファストや同伴者とのコミュニケーションを考慮すると、実際のラウンドで使う場面は意外と限られます。そのため、ラウンド当日よりも、前夜のシミュレーションなどで活用する方が現実的かもしれません。
その一方、いま気になっているのは、ゴルフ専用の対話型AIデバイス「Birdie Talk(バーディトーク)」です。競技では使用できないものの、よりスピーディーなやり取りや軽量コンパクトな携行性、蓄積されていくパーソナルデータを生かした緻密な分析力などを備えています。実際に使っているよという方は、ぜひレビューをお願いします!
文/のぐち まさひろ
ゴルフとサウナと愛犬のチョコをこよなく愛するライター&ディレクター。20年ほど従事したクルマ系メディアの編集者からフリーランスになり、これから何をしていこうか色々と妄想中。国内A級ライセンス/SAJスキー検定1級/サウナスパ健康アドバイザー所持。ホームコースは「南総カントリークラブ」で、オフィシャルハンデは「7.7」。
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