- ゴルフのニュース|総合ゴルフ情報サイト
- 記事一覧
- ゴルフライフ
- ビギナーにありがち! 前組カートに“ベタ付き待機”するのはなぜマズイのか?
ゴルフ場でのラウンド中、前の組のカートにぴったり後ろまで付けて待機している光景を見かけることがあります。進行をスムーズにしたい気持ちは理解できますが、これはマナー違反とされる行為です。とはいえ、状況によっては近づかざるを得ないケースもあります。前の組に“ベッタリ”付く行為が問題視されるのは、どのような理由からなのでしょうか。
悪気はなくても誤解や危険を招くことがある
プレー中、前の組がショットを終えるのを待つ際、すぐ背後にカートを止めてしまうケースがあります。
とくに経験の浅いゴルファーほどマナーを知らず、無意識に前の組へ近づきすぎてしまいがちですが、この“ベタ付き待機”はゴルフ場では望ましくないマナーとされています。
ゴルフ場の経営コンサルティングを行う飯島敏郎氏(株式会社TPC代表取締役社長)は次のように話します。
「前の組に過度に近づくのはマナーとしては避けたほうがよい行動です。とくに前の組がまだショット中だったり、カートが視界に入る距離にいたりすると、集中を妨げる原因になります。たとえば、前の組がショットを打とうとするタイミングで、すぐ後方にカートが見えると集中力が削がれることがあります」
「ゴルフは精神的な要素が大きい競技であり、視界に他の組が入るだけでプレッシャーになる場合もあるため、推奨されない行為なのは確かです」

「また、近距離で待機すると思わぬ危険も伴います。前の組が打ったボールがシャンクするなどしてこちらに飛んできたとき、避ける時間がなく事故につながる恐れもあります」
つまり、“ベッタリ付く”行為は安全面でもマナー面でも避けるべきなのです。
「進行をスムーズにしたい気持ちは理解できますが、相手に“圧”をかけていいわけではありません。適度な距離を保ちながら、次のホールに備えて準備をしておくのが理想です」
「前の組が完全にホールアウトするまではカートを少し後方に停め、打球の方向や人の動きが確認できる程度の距離感を取るのが望ましいでしょう」
一方で、知らない人相手でも近づかざるを得ないケースはあり、すべての“接近”がマナー違反というわけではありません。
たとえば、ホールアウトしたグリーンのすぐ近くに次のティーイングエリアがあるコースでは、前の組のカートにある程度近づかざるを得ないこともあります。
SNSでは「初めてのラウンドで前の組と離れすぎてしまい、後ろから打ち込まれて危ない思いをした」という初心者ゴルファーの声も見られました。
無理に離れようとすると、逆に後続組の“打ち込み”を受ける危険が生じる場合もあります。
つまり、重要なのは「距離を取ることそのもの」ではなく、「安全を確認したうえで適切な位置で待つこと」なのです。
仲間内でも注意が必要 “つい近づきすぎる”場面で起こるトラブル
コンペや知人グループで続けてラウンドしている場合、「前の組も仲間だから」とつい近づきすぎてしまうことがあります。
しかし、この“気安さ”がトラブルを招くこともあると、飯島氏は注意を促します。
「コンペで顔見知り同士の場合、基本的にはある程度近づいても問題にはなりません。また、同伴者の意向で『ティーショットをワイワイ盛り上がりたい』という理由であれば、トラブルになる可能性は低いでしょう。ですが、『親しき仲にも礼儀あり』です」
「たとえば、前の組に知人がいて『ティーショットを見たい』『写真を撮りたい』とカートをすぐ後ろまで寄せるケースがあります。しかし、同じコンペの参加者であっても関係性によっては歓迎されないこともあります。さらに、前の組がまだティーショットを打っていない段階で話しかけたり、声を上げたりする行為も避けるべきです。仲間の集中を乱し、思わぬトラブルに発展する恐れがあります。知り合い同士であってもマナーを守り、ショット直前の静けさを壊さないことが重要です」
また、「仲間内だから」という意識が強いと、他のプレーヤーの存在を忘れがちになります。しかしゴルフ場は全員が共有する空間であり、行きすぎた行動は周囲の組やスタッフにとって不快・迷惑となり、進行や安全にも影響を及ぼします。
飯島氏は次のようにまとめます。
「ゴルフのマナーは“見られていないようで見られている”ものです。自分たちの中では問題がなくても、他の組から見れば不快に映ることがあります。たとえ知人同士でも一定の距離と静けさを保つことが大切です」
「マナーとは他者に不快な思いをさせないことであり、仲間内で盛り上がりすぎれば思わぬ事故につながる可能性もあります。『程よい距離感』を保つことは、コースでも人付き合いでも同じなのです」
結果として、距離を取ることは前の組だけでなく、自分たちの安全やプレーの余裕にもつながります。ラウンド中のちょっとした配慮が、全体の雰囲気を穏やかに保つことになるでしょう。
最新の記事
pick up
ranking








