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- ブレーキとアクセルの踏み間違い事故はゴルフ場でも起きている! 実際にあった「予測しにくいカート事故」
ケガを負ったり、場合によっては死亡するような事故がゴルフカートでも毎年起こっています。
乗用カートが突風で動きゴルファーの体に接触
長崎県のゴルフ場で今秋、80代の男性ゴルファーが同組の知人男性を乗用カートではねて死亡させる痛ましい事故がありました。カートを運転していた男性は、ブレーキとアクセルを踏み間違えたそうです。ブレーキとアクセルの踏み間違えによる事故は、高齢ドライバーの増加とともに発生件数が増えていますが、まさかゴルフ場でも死亡事故が起こるとは思いませんでした。
でも冷静に考えてみれば、乗用カートの総重量は400キロを超えます。アクセルベタ踏みで人に衝突したら、命にかかわる事故が発生しても不思議ではありません。乗用カートは手軽な乗り物という印象がありますが、自動車と同じくらい注意して運転しないと危険だということをあらためて思い知らされました。
今回の事故はゴルフ場も予測していなかったでしょうが、このような事故は他にも発生しているのでしょうか。ゴルフ場関係者に聞いてみました。
「うちのゴルフ場はブレーキとアクセルの踏み間違えが原因で事故が起こったことはありませんが、予測もしていなかった事故はたまに起こります」

「今年発生した中で一番ビックリしたのは、乗用カートが突風で浮き上がり、お客様の体に接触した事故です。私は現場にいたわけではありませんから、乗用カートが浮き上がった瞬間は目撃していませんが、お客様の話によると、乗用カートの隣に立っていたら、誰も乗っていないカートが風の力で動き、腰のあたりにぶつかったというのです。幸いにもケガはありませんでしたが、400キロを超える乗り物が風の力で動くなんて、まったく予測していませんでした」
「ただ、その日は朝の天気予報で『竜巻に近い突風が吹く可能性があるので、くれぐれも注意してください』と報じられていました。実際に瞬間最大風速30メートル/秒を記録したそうです」
「うちのゴルフ場もカートが動く事故のほかに、カートの屋根が吹き飛ばされるトラブルも発生しました。こちらも幸いなことに、屋根がお客様に接触することはありませんでしたが、大きな事故が起こる前にゴルフ場をクローズしました。強風でクローズしたのは初めてでした」
乗用カートから手足を出していると思わぬ事故の原因になる
乗用カートが強風で浮き上がるというのは、にわかには信じられない出来事ですが、竜巻が発生したニュース映像を見ると、自動車が横転したり家の屋根が吹き飛ばされたりしていますから、同じような風が吹いたら乗用カートが風の力で動くこともあり得ます。横転して人が下敷きにならなくてよかったです。
乗用カートは低速走行を前提に設計されていますから、意外と不安定です。急ハンドルや縁石への乗り上げでも横転します。そして両サイドがむき出しですから、横転したら体と地面がダイレクトに接触します。
日本に電磁誘導式カートを採用しているゴルフ場が多いのは、スピードの出しすぎや急ハンドルによる横転事故を防ぐためです。電磁誘導式であれば、走行速度をゴルフ場がコントロールできます。
ただし、電磁誘導式カートなら安全かというと、そうでもありません。人や障害物を感知して停止するシステムは搭載されていませんから、走行ルートをぼんやり歩いているとカートに追突されます。
それと電磁誘導式カートも両サイドがむき出しですから、手足を外に投げ出して座っていると、幅の狭い橋を渡る際、欄干に接触することがあります。
筆者は手足を投げ出していないにもかかわらず、木の枝がカートに接触するほど伸びていて、腕に切り傷を負ったことがあります。すぐさま苦情を伝えましたが、昨今は人手不足で木々の剪定が間に合っていないゴルフ場があります。
自走式カートも電磁誘導式カートも安全が担保されているわけではありませんから、結局のところ自分の身を守るのは自分自身です。カートの動きを常に注視し、身の危険を感じたら、ただちに逃げたほうがよさそうです。
保井友秀(やすい・ともひで)
1974年生まれ。出版社勤務、ゴルフ雑誌編集部勤務を経て、2015年にフリーライターとしての活動を開始。2015年から2018年までPGAツアー日本語版サイトの原稿執筆および編集を担当。現在はゴルフ雑誌やウェブサイトなどで記事を執筆している。
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