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コラム

「みんドリ」で考えさせられた日本のゴルフ界の財産と成長【砂場Talk 番外編】

2021.09.22
舩越園子(ゴルフジャーナリスト)
PR パナソニックオープン 城陽カントリー倶楽部 砂場Talk(バンカートーク)

〈Sponsored by Panasonic〉

2年ぶりに開催されるパナソニックオープン。残念ながら無観客にはなってしまったが、それを補えるファン参加型企画が用意されている。それが「みんドリ」こと「みんなでドリームチーム対決! 」だ。

久しぶりの日本男子ツアー取材で池田勇太とも再会

 今週は男子ツアーのパナソニックオープン会場に来ている。

石川遼と並んで日本ツアーをけん引してきた池田勇太 写真:JGTO images

 思えば、米国に拠点を置いて活動していた過去25年の間、私が一時帰国して日本の男子の試合を取材したのは、欧米のスター選手らが大勢来日していた2000年代の始め頃までのシーズン終盤の数試合のみだった。

 そのため今回は20年ぶりぐらいで日本の男子の試合会場をこの目で見るのが、とても楽しみだった。

 試合会場となる京都の城陽カントリー倶楽部に足を踏み入れ、最初に声をかけたのは、今大会の16年覇者、池田勇太。彼とは米ツアーやメジャー大会で何度も顔を合わせてきた仲だが、それでもマスク姿での数年ぶりの対面ゆえに、最初は私が私であることになかなか気付いてもらえなかった。

「勇太くん、私よ、私!」

 何度もそう声をかけると、池田はようやく「おー!」と私を認識し、「“私よ”じゃ、わかんねえだろ?」と大笑いになった。

 実を言えば、そんな池田と女子選手の稲見萌寧は、ジュニア時代に千葉県にある北谷津ゴルフガーデンで腕を磨いた“同窓”である。

「勇太くん、そう言えば、稲見萌寧も北谷津出身なんだよね?」

 すると池田は「まあ、そうだけど、、、彼女から見れば、オレとかは、知らないオジサンみたいなもんだからなあ」

 池田が北谷津で練習していたのは、彼が東北福祉大学に進学するまでの18歳の頃までで、そのころ稲見はまだ幼稚園に通っていた年齢だったはず。“同窓”とはいえ、直接の接点は、ほとんどなかったそうだ。

 そう言われて練習グリーンや練習場を見渡してみると、私と直接の接点があった選手もきわめて限定的で、米ツアーやメジャー大会で接した石川遼や岩田寛、宮里優作、市原弘大、藤田寛之、小田孔明といった中堅からベテランの顔ぶれになる。この試合に出ている若手選手となると、名前と顔がまったく一致しないのだ。そう明かすと「オレだって、実はそんな感じだぜ」と池田が苦笑しながら明かしてくれた。

 歳月の流れとともに、ゴルフの世界を担う中心層の顔ぶれは、年々確実に変化や進化を遂げ、推移しているということなのだろう。

石川遼「僕が選ぶ選手は……石川遼プロ、ですね(笑)」

 ところで、今大会では男子選手たちのことを大勢の人々に幅広く知ってもらい、ゴルフそのものに親近感を抱いてもらうことを目的としたオンラインゲーム企画「みんなでドリームチーム対決!」(略称・みんドリ)が行なわれている。

 あらかじめ出場選手たちをベテランから若手までAからDの4つのカテゴリーに分け、ゲーム参加者には各カテゴリーから1人ずつ「この選手こそ」というお気に入りを選んでもらって、自分だけのマイ・ドリームチームを結成してもらう。そのマイ・ドリームチームが実際に試合で出したスコアの合計でゲーム参加者同士が競い合うという形式。そのゲームに選手たちにも参加してもらおうと、何人かの選手に声をかけた。

 すると、多くの選手がこのゲームのことを認識していることに、まず驚かされ、声をかけた誰もがインタビューにとても協力的であることに、さらに驚かされた。

 饒舌に語る選手もいれば、他選手のゴルフの特徴をまるで自分のことのように熟知している選手もおり、彼らの観察眼や分析力がとても優秀であることも伝わってきた。若手選手はベテラン選手にリスペクトを払い、ベテラン選手も若手に視線を向けていることも感じられた。

 近年、日本の男子ツアーはファン離れが著しいとか、人気面で女子ツアーに負けていると言われて久しい。だが、この日、「自分が選ぶドリームチーム」を語ってくれた男子選手たちのキャラクターは実にユニークで魅力的で、それがもっと日本のメディアに乗って人々に伝えられれば、男子ゴルフのファンはもっと増えるはずだと思えてならなかった。

 ただ、その一方で、日本の男子選手は、あまりにもシャイだなとも思えた。

 ドリームチームに選ぶ4人を尋ねたとき、自分自身の名前を挙げたのは10数人中3人しかいなかったことにも驚かされた。もしも、米ツアーで同じ取材をしたら、他選手のことはさておき、「我こそは」と自薦する選手のほうが圧倒的に多いはずだ。

 謙虚さは日本人の美徳と言えなくもないが、アスリートなら、もっと自信を抱き、もっと自己アピールをしてこそ、スターらしさが醸し出され、魅力も増すのではないか。

 そんなことを考えていたら、石川遼はやっぱり堂々、自薦した。

「そうですね、僕が選ぶAカテゴリーの選手は……石川遼プロ、ですね(笑)」

 周囲から笑いが巻き起こり、みんなが耳を傾ける。その場の全員の視線が石川に釘付けになる。年齢や時代の差を超えて、石川が大勢のファンを惹きつける理由は、彼の揺るぎない自信と誇りが、そうやって彼を輝かせるところにあるのではないか。

「みんドリ」という企画が実施されていることで、そうやって選手たちも関係者もメディアも、いろんなことを考え、方々へ目を向けることは、必ずや日本のゴルフ界の成長の一助になる。

 ベテランから若手まで幅広い選手が存在していることは、日本のゴルフ界の貴重な財産である。

 その財産をフル活用しない手はない。日ごろはあまり接点のない人と人とが交流することで、お互いを高め合えるゴルフ界にしようではありませんか。

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