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- 高校生アマ・後藤あいが288.625ヤードで記録更新! 女子ツアーに現れた“次世代怪物”の正体
高校3年生のアマチュア・後藤あいが「リゾートトラストレディス」で国内女子ツアーの歴代記録を更新する驚異的な飛距離を記録した。プロの飛ばし屋たちを圧倒した288ヤード超のドライビングディスタンスは、次世代スター誕生を予感させるインパクト十分の快挙だった。
穴井詩の記録を8年ぶりに破った後藤あい
高校3年生のアマチュア、後藤あいが「リゾートトラストレディス」で驚異的な国内女子ツアー新記録を打ち立てた。次世代を担う飛ばし屋がつくった記録とはいったい何か。
福島県のグランディ那須白河ゴルフクラブで開催された「リゾートトラストレディス」で後藤は通算8オーバーの57位タイで4日間の戦いを終えた。今年は47位タイの「KKT杯バンテリンレディス」、ツアー自己ベストの27位タイに入った「NTTドコモビジネスレディス」に続いて出場3試合すべてで予選を通過。そして3試合すべてでベストアマチュアに輝いた。
この成績だけでも高校3年生ということを考えれば十分に評価できるが、衝撃的だったのはその飛距離である。大会4日間の平均ドライビングディスタンスは実に288.625ヤードだったのだ。もちろんこれは部門1位の数字である。同部門2位の神谷そらが274.125ヤードだったから、何と14.5ヤードもの差をつけての圧倒的1位だったのだ。
そして、この288.625ヤードという数字、今大会で1位だっただけではない。国内女子ツアーでドライビングディスタンスが計測され始めたのは2017年でそれほど歴史があるわけではないが、大会ごとの歴代1位(予選落ちや棄権の選手を除く)の記録を塗り替えたのである。

従来の歴代1位は穴井詩が2018年「大東建託・いい部屋ネットレディス」でマークした287.000ヤード。この記録を8年ぶりに更新したのだ。
ドライビングディスタンスはゴルフ場の標高や気温、風向、風速、落下地点の固さや傾斜など、さまざまな要素に影響される。同じ選手が同じようなドライバーショットを放ったとしても、結果が大きく異なるのはよくあることだ。
ドライビングディスタンスは年間平均で260ヤードいけば1位を狙えるレベルである。今回の「リゾートトラストレディス」は後藤をはじめ4人の選手が270ヤードを超えていたから飛ぶ条件が整っていたと考えられる。それを考慮しても288ヤードを超える数字は驚くべきものである。
従来の歴代1位が記録された2018年の「大東建託・いい部屋ネットレディス」は標高1000メートル超の鳴沢ゴルフ倶楽部(山梨県)が会場だった。標高は高いほどボールは飛ぶ。実際、この大会ではドライビングディスタンス2位の比嘉真美子も282.750ヤードというすごい数字をマークしていた。これは、「リゾートトラストレディス」前まで歴代6位の記録。つまり、従来の歴代1位と6位が同じ大会で記録されるほど、飛距離が出る状況だったのだ。
「リゾートトラストレディス」の会場、グランディ那須白河ゴルフクラブの標高は400メートルほど。標高という要素では鳴沢ゴルフ倶楽部ほどプラスには働かない。2位に14.5ヤードの大差をつけた事実からも、後藤の記録は破格のものだといえる。
昨年のドライビング女王コンテストでも優勝
後藤は昨年9月、「住友生命Vitalityレディス東海クラシック」で開催されたドライビング女王コンテストで穴井や神谷らツアーを代表する飛ばし屋を抑えて優勝している。その飛ばしに今年はさらに磨きがかかった印象がある。
昨年、後藤はツアー6試合に出場した。計測のない「日本女子オープン」を除く5試合のドライビングディスタンスは261.91ヤードだった。年間1位の神谷が261.92ヤードだったから、それに匹敵する飛距離である。
今年は出場3試合で272.85ヤードと大きく伸ばしている。今年、現時点の部門1位は穴井の262.44ヤードである。後藤は試合数が少ないからシーズン通算では公平には比較できないが、大会単位で比較すると「KKT杯バンテリンレディス」でも2位に8ヤード差をつけての1位だったから、プロを圧倒しているといって過言ではない。
飛距離を生かしたアグレッシブなプレーをすることも後藤の魅力だ。「リゾートトラストレディス」では4日間で1イーグル、16バーディーを奪っている。優勝した河本結が1イーグル、16バーディーだったからスコアを伸ばしたホール数は河本と同じだったのだ。スコアを落とすホールも多いから順位は57位タイになってしまったわけだが、そこはまだ高校3年生。伸びしろだと考えたい。
底知れぬスケール感を持った逸材が高校生活最後となる今年、ツアーだけでなくアマチュア競技でもどんな存在感を示してくれるか楽しみだ。
文・宮井善一(みやい・ぜんいち)
1965年和歌山県生まれ。スポーツニッポン新聞社ゴルフ担当記者を経て2004年にフリーのゴルフライターに。ゴルフ雑誌などへの執筆のほか日本プロゴルフ殿堂オフィシャルライターとして活動し、現在は日本ゴルフ協会のゴルフ学芸員として日本ゴルフ殿堂、JGAゴルフミュージアムなどに携わっている。元世界ゴルフ殿堂選考委員。
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