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都玲華の大喜び“バズり動画”直前の50ydショットに注目! 名キャディーに学ぶロングホール3打目の最優先事項
多くのツアープロのコーチとして活躍している石井忍氏が、“ここはスゴイ”と思った選手やプレーを独自の視点で分析します。今回注目したのは、国内女子メジャー初戦「サロンパスカップ」で初のベスト10入りをした都玲華(みやこ・れいか)です。
インスタで80万回再生された都玲華のアプローチ
◆国内女子プロゴルフ 第8戦&メジャー第1戦
ワールドレディスチャンピオンシップ サロンパスカップ 5月8~11日 茨城ゴルフ倶楽部 東コース(茨城県) 6675ヤード・パー72
インスタグラムで80万再生超。日本女子プロゴルフ協会(JLPGA)の公式SNSで公開されている都玲華選手の動画が注目を集めています。
国内メジャー大会「ワールドレディスサロンパスカップ」最終日の都選手の最終ホール。グリーン外からのパターでのアプローチをカップインさせてバーディーを奪うと、都選手は全身で喜びを表現しました。その勢いでサングラスを落とし、さらにカップから拾い上げたボールを自分の顔に当ててと、てんやわんや……。
この模様はテレビ中継でも放送され、様々なゴルフメディアでも取り上げられたためご存じの方も多いのではないでしょうか。しかし、今回取り上げるのはその1打前のアプローチショットです。

17番を終えて通算1アンダー、11位で最終ホールを迎えた都選手。18番はパー5ですからスコアを伸ばしてホールアウトしたいところです。しかも、ルーキーの都選手は今大会までレギュラーツアーでトップ10フィニッシュを飾ったことがありません。バーディーを獲れば初めてベスト10入りできる! そんな局面でもあったのです。
3打目はピンまで残り50ヤード程度。ピタリと寄せればバーディーの可能性はグンと上がります。実際、本人もピンをデッドに狙おうとしていたそうです。しかし、ここで帯同キャディーの清水重憲さんからひと言。「ボギーはやめよう」と声をかけられました。
清水さんは国内最多となる通算40勝を達成しているプロキャディーで、2007年は谷口徹選手の賞金王、上田桃子選手の賞金女王に貢献。史上初の同一シーズン“男女2冠キャディ”となりました。その後はイ・ボミ選手の帯同キャディーなどを務め、現在も多くの選手から絶大な信頼を集めています。
そんな清水さんの助言を受けた都選手は、「ピン狙い」から「グリーンに乗せる」にプラン変更。パーオンを最優先させて3打目を打ちました。
エッジの先にボールを落とすイメージでしたが、想定よりもやや手前に着弾。都選手と清水キャディーはショートすると思ったそうです。しかし、メジャー仕様の高速グリーンでボールの勢いは止まらず、逆サイドのエッジまでボールは転がっていきました。冒頭で紹介した動画は、ここからの4打目のシーンでした。
バーディーを狙いたくても最優先は「ボギーを打たない」
パーオンを優先させ、イメージよりも弱くなってしまったアプローチでグリーンをオーバーしたわけですから、もしもピンをデッドに狙っていたら……。清水キャディーのひと言がなければパーセーブは難しく、トップ10フィニッシュは果たせなかったでしょう。
パー5はレイアップした場合でもウェッジやショートアイアンでグリーンを狙えるため、バーディーを獲りにいきたくなるものです。しかし、グリーンに近づくほど罠が仕掛けられていることが多く、スコアを落とす危険性があることを忘れてはいけません。
短いパー4などでも考え方は同じです。バーディーを狙いたくなる時ほど、「ボギーを打たない」ことを最優先させましょう。スコアメークには謙虚なマネジメントが必要不可欠です。
都 玲華(みやこ・れいか)
2004年生まれ、徳島県出身。23年は「フジサンケイレディス」と「ミネベアミツミレディス北海道新聞カップ」でベストアマを獲得。翌年も「明治安田レディスヨコハマタイヤゴルフトーナメント」でベストアマに輝き、ステップ・アップ・ツアー「大王海運レディスオープン」で同ツアー史上6人目のアマ優勝を達成。「ミネベアミツミレディス北海道新聞カップ」で2年連続のベストアマ獲得した。24年のプロテストに合格。
【解説】石井 忍(いしい・しのぶ)
1974年生まれ、千葉県出身。日本大学ゴルフ部を経て1998年プロ転向。その後、コーチとして手腕を発揮し、多くの男女ツアープロを指導。「エースゴルフクラブ」を主宰し、アマチュアにもレッスンを行う。
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