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- 飛距離アップを生む“右サイドの伸び”と“バックスイング”のスピード感 中島啓太の「教科書的」美しいスイングがヒント
PGAツアーの解説も務めるゴルフスイングコンサルタント・吉田洋一郎氏が、ツアーの第一線で活躍する選手のプレーを独自の視点で分析。今回はDPワールド(欧州男子)ツアー「インディア選手権」で2位に入った中島啓太(なかじま・けいた)選手のスイングに注目しました。
インドと好相性の中島啓太
DPワールド(欧州男子)ツアーの「インディア選手権」がインドのデリーGCで開催されました。
この大会には同ツアーを主戦場にしている中島啓太選手が出場。後続に2打差の単独首位で最終日を迎えましたが、2位からスタートした今季のPGAツアー年間王者、トミー・フリートウッド選手に逆転され、惜しくもツアー2勝目はなりませんでした。
今大会が行われたインドは、昨年の「ヒーローインディアンオープン」でツアー初勝利を挙げ、今年3月の同大会でも2位フィニッシュ。「インドではいい経験をしているので自信を持ってプレーできる」と本人もインドとの相性の良さを感じているようです。
フリートウッド選手をはじめ、ローリー・マキロイ選手やシェーン・ローリー選手ら、世界のトッププレーヤーが出場する大会を2位で終えたことは大きな自信にもつながるのではないでしょうか。
今大会の成績により、ポイントランクは21位から12位に浮上。有資格者を除く上位10人に与えられる来季PGAツアー出場権の獲得へ、さらに前進しました。
中島選手のスイングは、非常にキレイで教科書的といえます。バックスイングの軌道をなぞるようにダウンスイングしているため、「上げて下ろす」というシンプルでリピータブルな動きをしているのが大きな特徴です。

また、左足をうまく使ってスイングしている点もポイント。特に、切り返しでは左足を踏み込んでから伸ばす動作が速くてスムーズです。連動して上半身が回転するため、手先を使わずに安定したスイングができるのでしょう。
身体能力が非常に高く美しいスイングの持ち主である中島選手ですが、現在はどちらかというと方向性を重視しているような印象を受けます。PGAツアーは、欧州ツアー以上に飛距離が求められるパワーゲーム。“飛ばし”を解放した時の中島選手がPGAツアーでどれくらい活躍してくれるのか――。注目して彼のPGAツアー参戦を待ちたいと思います。
ダウンスイングよりもバックスイングのスピードが大事
ところで、飛距離を伸ばしたい人の多くは、スイングのスピードを上げて飛ばそうと考えるでしょう。スイングのスピードアップというと、ダウンスイング以降の速度を上げることを意識するかもしれませんが、実はバックスイングのスピードを上げるほうが効果的なんです。
具体的には、体の右サイドを伸ばすこと。右股関節を切り上げながらテークバックすると、スイングにスピード感が生まれて肩が自然とタテ方向に回転し、クラブがスピーディにスッと上がっていきます。
バックスイングの回転力が足りない人は、「左肩をアゴの下に入れろ」と言われたことがあるかもしれません。しかし、右サイドを伸ばしながらバックスイングをすれば、「アゴの下に左肩」を意識しなくても体がしっかりと回り、エネルギーとスピードを生み出すことができます。
バックスイングに迷いがある人、飛距離をもっと伸ばしたい人は、ぜひ右サイドを伸ばすことを意識してテークバックしてみてください。
中島 啓太(なかじま・けいた)
2000年6月24日生まれ、埼玉県出身。22年には男子選手としては初の2度目の「マコーマックメダル」を受賞するなど、世界アマチュアランキング1位を長期間維持。21年には「パナソニックオープン」で史上5人目のアマチュア優勝を果たす。22年9月にプロ転向。23年に賞金王を獲得。24年からDPワールド(欧州)ツアーに参戦し、同年「ヒーローインディアンオープン」で初優勝を手にした。
【解説】吉田 洋一郎(よしだ・ひろいちろう)
1978年生まれ、北海道出身。世界のゴルフスイング理論に精通するゴルフスイングコンサルタント。デビッド・レッドベターから世界一流のレッスンメソッドを直接学ぶ。毎年数回、米国、欧州へ渡り、ゴルフに関する心技体の最新理論の情報収集と研究活動を行っている。欧米の一流インストラクター約100名に直接学び、世界中のスイング理論を研究している。海外ティーチングの講習会、セミナーなどで得た資格は20以上にのぼる。
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