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「優勝するのはまだ早い…」「ウイニングパットを外して…」今季トップ10入り11回、ウー・チャイェンがネガティブ思考を跳ね除け初Vへ
「大王製紙エリエールレディスオープン」3日目、台湾のウー・チャイェンが8バーディー、3ボギーの「66」をマーク。通算11アンダーで単独首位に立った。ウーはプロ3年目の21歳で、一昨年、下部のステップ・アップ・ツアーで3勝を挙げている。レギュラーツアーでは未勝利。自身はまだ優勝する実力がないと謙遜するが、本心を聞いてみた。
仲良し・藤井美羽の下部Vも刺激に
◆国内女子プロゴルフ
大王製紙エリエールレディスオープン 11月20~23日 エリエールゴルフクラブ松山(愛媛県) 6595ヤード・パー71
終盤に入ったところで、ウー・チャイェン(台湾)の名前がスコアボードを勢いよく駆け上がった。上がり3ホールをすべてバーディーで締め、ついには単独トップへ。通算11アンダーで最終日を迎える。
しかし、今季レギュラーツアーではトップ10入りがすでに11回ありながら未勝利。しかもウーは“下位から追い上げると順位を伸ばすが、上位で最終日を迎えると乱れることが多い”というジレンマを抱えてきた。

「大事に行きすぎて、安全策ばかりを選んでしまうんです」。優勝争いではスコアを伸ばす攻めの姿勢が不可欠だが、そこに踏み切れずにいた。周囲にも繰り返し指摘され、本人も痛感してきた課題だ。だが今回は「明日は絶対に攻めたいです」と珍しく強気の表情を見せる。
背中を押したのが、今週のステップ・アップ・ツアー「京都レディスオープン」で仲の良い藤井美羽が挙げたプロ初優勝だ。「すぐに電話して『おめでとう』と言いました。自分のこと以上にうれしかったです」。その勝利が大きな刺激となり、「自分も今週勝ちたい」と意欲も高まっている。
師匠は賞金女王7度のト阿玉
ウーは台湾で16歳でプロデビューし、すでに11勝を挙げた実力者だ。日本では22年のプロテスト合格後、23年に下部ツアーで3勝して賞金ランキング1位に。リランキングを経てレギュラーツアー後半戦に進出し、昨季はメルセデス・ランキング32位、今季は23位につけるなど着実に成長を遂げている。
それでも「自分が優勝するのはまだ早いと思っていました」と控えめ。ネガティブな性格ゆえ、最終日最終組でプレーする自分を思い描いても、最後にウイニングパットを外してしまう――そんな“負けるイメージ”が先に浮かぶという。今回は意識してポジティブに切り替えようと努めている。
好材料もある。今大会はグリーンが硬く仕上がっていることだ。「台湾のゴルフ場は硬いグリーンが多いので得意なんです」。着弾後のラン量を読む必要はあるが、「しっかり頭を使ってプレーできます」と自信を見せる。
この日は16番で2メートル、17番で4メートル、18番で6メートルを沈めた。5月の「Sky RKBレディス」からパッティングを順手からクロウグリップに替えたことでストロークが安定してきたことも追い風だ。
4歳でゴルフを始め、小学生の頃にはプロを志した。師匠は日本ツアーで7度の賞金女王に輝いた台湾のレジェンド、ト阿玉(と・あぎょく)。「日本ツアーで年間女王になりたい。達成できたら、そのタイトルを連続で守れる選手になりたい」と語っていた新人時代の夢へ、ウーは着実に前進している。
その第一歩となるツアー初優勝へ。明日、自らの殻を破るゴルフができるか。
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