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- 葭葉ルミ、父の死を乗り越えて… 3日目唯一のノーボギー ツアー最終戦の出場権へ前進
「大王製紙エリエールレディスオープン」3日目、葭葉ルミ(よしば・るみ)が4バーディー、ノーボギーの「67」をマーク。通算6アンダーの8位タイにつけた。今年の9月に父親の昌利さんが病気により他界。闘病中はお見舞いなどもあり、今季は試合数が少なかった。それでも終盤に来てようやく調子が上がり、首位と5打差はあるものの9年ぶりの優勝を狙いにいきたいところだ。
帽子の後ろに喪章をつけてプレー
◆国内女子プロゴルフ
大王製紙エリエールレディスオープン 11月20~23日 エリエールゴルフクラブ松山(愛媛県) 6595ヤード・パー71
大会前、メルセデス・ランキング48位につけていた葭葉ルミは、いわゆるシード権のボーダーライン上にいた選手だ。最終的に3人以上に抜かれなければ50位以内が確保できるものの、際どい位置であることは間違いない。しかもシード権獲得となれば19年以来6年ぶり。それだけに強いプレッシャーがあっても不思議ではないが、葭葉は「シード権を獲れても獲れなくてもいいやという感じでした」と、ほぼノンプレッシャーで今大会に臨んでいたというから驚きだ。
「昨年(メルセデス・ランキング74位)よりも成績がいいので、もう十分すぎるんです。ここ5年で一番落ち着いてプレーできています」。無欲のプレーとはいえ、今大会と特に相性が良かったわけではない。過去12回出場で予選通過は7回、最高順位も15位タイにとどまっていた。

飛ばし屋の葭葉にとってはパー5の距離が比較的短く有利に思われがちだが、フェアウェイ幅がそれほど広くないため、実際はあまり得意ではないという。「ティーショットは打ちにくいし、パー3は池絡みが多い。フェアウェイもアップダウンが多い。しかも、グリーンではラインがまったく読めないんです」。読んだラインの逆に曲がることも多く、フックラインと読んだときは、あえてスライスだと思って打つほどだった。
それでもスコアがまとまったのは、アイアンショットの縦距離が合っていたこと、そして無理にピンを攻めなかったことが大きい。嫌な距離のパットや難しいアプローチを残さないマネジメントで、この日は出場選手でただ1人、ノーボギーを記録。通算6アンダーの8位タイで最終日を迎える。初日は8番を終えて5オーバーまで崩れていたが、そこからのリカバーでここまで順位を上げてきた。さらに上位に入れば、次戦「JLPGAツアーチャンピオンシップリコーカップ」の出場権も見えてくる。
葭葉の今季出場試合数は本大会で25試合目。他選手と比べると少ないのは、闘病生活を送っていた父・昌利さんが9月末に他界し、夏以降は父に会うため試合を休むことが多かったためだ。「体調が悪くなるギリギリまで試合会場に来て応援してくれていました」と葭葉は振り返る。昌利さんの死後は帽子に喪章をつけてプレーを続けており、父のためにも良い結果を残したい思いは強い。
飛ばし屋にとっては一つのミスが大叩きに直結する危険もあるが、これまでのようにピンチを丁寧に切り抜けながら、最終日も優勝争いに絡みたいところ。昌利さんにシード復活を届けるべく、葭葉は静かに気持ちを燃やしている。
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