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山下美夢有のアプローチを激変させた“秘伝”を惜しげなく… 女子プロテスト大量合格の名伯楽・中嶋常幸は“普通のジュニア”に何を教えた?
主宰する「ヒルズゴルフ トミーアカデミー」から24年の女子プロテストで現役、卒業生の計7名が合格するなど、今やプロゴルフ界の名伯楽として知られる中嶋常幸が茨城県笠間市のジュニアに教えた秘伝とは?
スキーでエッジを立てる要領で両ヒザを飛球線方向に送る
「山下美夢有選手も、この方法でアプローチがうまくなったんだよ」
16人の子どもたちを前に「中嶋常幸先生」は今年から米ツアーに主戦場を移した山下を引き合いに出してアプローチの極意を伝授。アドレス時には「スキーでエッジを立てる要領で」両ヒザを飛球線方向に送ることをアドバイスしていました。その結果、スイングの最下点がボールより先の飛球線方向に移動するからです。

かつての山下は「ヒザが伸びた状態」でアプローチしていましたが、このアドバイスもあって、2021年にシーズンインすると山下はプロ初勝利を飾っています。中嶋が山下との関わりをこう振り返ります。
「山下プロは初優勝した年のオフ、3日間の合宿に来られたんですよ。ダンロップを通じて『見てもらいたいと言っている』と連絡があって、たまたま時間がうまく合ったんで。本人は『ドライバーを飛ばすことができればもっと成績が上がるんじゃないか』と思っていたらしいんだけど、『ゴルフは半分がショートゲームだから勘違いしないほうがいいよ』と、何種類か練習しながら教えました」
「それが功を奏したかどうかはちょっと分からないけど、優勝できた。翌年また合宿に来られて一緒にまた合宿をやって、その時3日間だったかな。それで年間チャンピオンになって、その次の年も来られて。もうさすがに教えることないし。僕は彼女の師匠でもないし、たまたま縁あって少し教えただけ。たまにメールのやり取りはするけど『自分を信じてやっていけば大丈夫だよ』って伝えました」
寒さが緩み、春の陽気がコースを包み込んだ2月16日。「カサマジュニアクラブ ジュニア交流会」が、宍戸ヒルズカントリークラブで開催されました。これはJGTO(日本ゴルフツアー機構)選手会の“ゴルフ伝道活動”の一環として続けられているものです。
講師を務める中嶋のジュニアに対する指導法は、まずアドレスから。
「ゴルフで大事なのはまずグリップ。まず左手をかぶせて、決めること。次にアドレス。3番目にしっかりと立って、地面からの力をもらうこと」。3つの基本を教えた後は、6個のボールをティーアップしての連続打ちにチャレンジさせていました。
次にアプローチ。4段階のドリルです。ステップ1は左手のみ。ステップ2は右手を開いた状態で添えてのアプローチ。ステップ3は右手のグリップから親指と人差し指を外した状態でボールをヒット。それができるようになってから、最後に両手をグリップして打ちます。
この時「クラブヘッドを着陸する飛行機だと思って打つ」ことを指導していました。緩やかに高度を下げていく飛行機の着陸態勢を、イメージすることを力説していました。
最後にパット。「パットで一番大事にしたいのは、タッチ。距離感を合わせられる能力です。腰から下はコンクリートで固められていると思って、おヘソから下は動かさない。上半身、肩の動きで距離感を合わせます。3球を同じところから打つ練習では、1球目より2球目、2球目より3球目を近くに寄せることを心がけてほしい」
レッスン後のアプローチ、パター合戦では先生よりもピンそばに寄せる選手が続出し、練習グリーンには歓声が上がりました。これには中嶋本人も「家に入れてもらえないよ」と、自らの指導の効果に複雑な笑顔を浮かべていました。
楽しみながら、うまくなる。中嶋は有名選手の例を挙げてレッスンをする理由をこう語ります。
「松山英樹プロだとか、山下プロだとか、畑岡(奈紗)プロもそうだけど、名前を出すことによってジュニアにとってはすごく説得力が増すんです。自分が指導したことも事実だし、それで子どもたちが納得しやすいんだったら、それに越したことはないとも思う」
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