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- 邪魔な枝を体で押さえて打ったら2罰打!? ルール違反の線引きが分かりにくい「スイング区域の改善」 どう解釈すべき?
低めの木の下にボールが止まった際、どうしても体に枝がかかってしまうことはよくあります。しかし、邪魔な枝を体で押さえつけて球を打ったら2罰打になってしまいます。
体を使って邪魔な枝を押さえつけ意図するスイング区域を改善
日本ゴルフ協会(JGA)がゴルフ規則の正しい理解と普及を目的に作成したルール解説動画。これまで60本近いビデオがYouTubeなどにアップされていますが、そのなかから今回は最近作では視聴回数の多い(投稿後2週間で1万回超)注目の動画を紹介します。

タイトルは「フェアにスタンスをとる」。動画の状況は、プレーヤーのボールが低い木のそば、細い枝の下に止まっています。プレーヤーは最初普通に後ずさりしてスタンスをとり、スイングをしようとします。ところが枝が邪魔になるので、スタンスをとり直す前に体を使ってその邪魔な枝を後方に押さえつけ、意図するスイング区域を改善。そのうえでスタンスをとってストロークを行いました。
この行動に対し、動画では「このプレーヤーは一般の罰(2罰打)を受けます」とテロップ。
続けて、「コースはあるがままにプレーするという原則があるので、(プレーヤーは)常に満足なストロークができることは補償されていません。コースをあるがままにプレーするために最も控えめに行動しなければなりません」との解説。そして、別のプレーヤーが似たような状況から、この解説に沿った控えめな動きで――枝をほとんど押しのけることなく――スタンスをとってストロークするシーンが紹介されます。
どこまでなら許容されるのか? 境界を示すことは困難
しかし、一般ゴルファーとしては正直、もう少し枝を押しのけてもいいだろう、と思います。
JGAのホームページの「ゴルフルールコラム」に掲載された、同じ状況をテーマにした解説には次のように書かれています。
〈ゴルフは、コースはあるがままにプレーするのが原則です。球が生長物(木や植物、ブッシュ)の中にある場合でもこの原則を守る必要があります。
しかし、球が生長物の中にあるときに、その生長物を一切曲げたり、動かすことを禁止してしまうと、プレーを続けることができなくなってしまいます。したがって、球の所に行き、スタンスをとるための合理的な行動をとることによってフェアにスタンスをとることを規則は認めています〉
ですから、枝を曲げたり、動かしたりは、一切できないというわけではないのです。
同コラムには続けてこうも書いています。
〈例えば、生長物の近くに球があるときに、その場所に立つ必要があるために後ずさりをしながらその場所に入っていくしかない場合、生長物が曲がってしまっても違反にはなりません〉
原則、ストロークの邪魔になる生長物を故意に押さえつけたり、曲げたり、壊して、スイング区域やスタンスの場所を改善することはできません。ただし、スタンスをとるための合理的な動きで、フェアにスタンスをとる過程で成長物を押さえつけたり、曲げたりしても違反にはならないのです。
しかし、どこまでが「フェア」なのか。境界を示すことは困難でしょう。ただし、同じくJGAのゴルフルール動画「意図するスイング区域の改善」で描かれる行動は、問答無用のルール違反。2罰打が課せられます。
プレーヤーがこうした状況になったときは、コースはあるがままにプレーするという原則を思い出し、生長物に対して優しく控えめに行動すること。この姿勢があれば、違反を問われることはないでしょう。
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