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1打40秒を“16秒オーバーしたら2罰打”!? 日本選手が大挙参戦の米女子ツアーで“きわめて厳しい”スロープレー撲滅策
今季から13名の日本人選手が参戦している米LPGAは、先週の「ファウンダーズカップ」開幕前の4日夜に開かれたプレーヤーミーティングで、新たに制定した独自のスロープレー撲滅強化策を選手たちに通達した。
1ラウンドが5時間を大きく上回る現状に危機感
ゴルフのペース・オブ・プレーの問題、いわゆるスロープレー問題が世界中のゴルフ界の懸案事項となっていることは、先日もお伝えしたばかりだ。

ゴルフルールをつかさどるUSGAやR&Aはもちろんのこと、米男子ゴルフのPGAツアー、米女子ゴルフのLPGAといったゴルフ諸団体が長年、知恵を出し合い、スロープレーの改善や撲滅に向けて試行錯誤を続けているが、なかなか効果や改善は見られず、プロの大会における1ラウンドの所要時間は、5時間を大きく上回ること、しばしばである。
そんな中、今季から13名の日本人選手が参戦している米LPGAは、とうとう業を煮やし、スロープレー撲滅に向けて、独自のペナルティー強化策を打ち出した。
そして、一刻も早く選手たちに伝えようと考えたLPGAは、正式発表に先駆け、先週の「ファウンダーズカップ」(2月6日~9日、フロリダ州・ブラデントンCC)開幕前の4日夜に開かれたプレーヤーミーティングで、新たに制定したLPGA独自のスロープレー撲滅強化策を選手たちに通達した。
その内容は、従来のルールと比べると、きわめて厳しいペナルティーを伴うものだが、「素晴らしい強化策だ」と絶賛する声も多く上がっている。
米LPGAはモリー・マクー・サマーン前会長からリズ・ムーア新会長へと舵取り役が代わったばかりで、今回のスロープレー撲滅強化策は、ムーア会長による初の大仕事と言っていい。
プレーペースに関しては、USGAやR&Aが制定しているルールが世界共通として推奨されており、日本のゴルフ界も例外ではない。
その規定では、1人のゴルファーが1打にかけることが許される「許容時間」は最大40秒までとされており、規定の40秒を上回った場合は、1回目の違反は警告のみだが、2回目の違反は1罰打、3回目は2罰打、4回目は失格とされている。
しかし、このルール下では、なかなかプレーペースは改善されず、とりわけ米LPGAでは昨年11月に最終日最終組が5時間38分を要するなど悪化の一途だった。
そんな現状を案じた米LPGAは、従来の規定より格段に厳しい独自のスロープレー撲滅強化策を新たに打ち出した。
1秒オーバーで罰金、6秒オーバーで1罰打…
注目すべきは、ペナルティーの新たな課し方だ。規定の40秒を1~5秒オーバーした場合は罰金、6~15秒オーバーした場合は1罰打、16秒以上オーバーした場合は2罰打となる。
また、従来のルールでティーショットを最初に打つプレーヤーなどに許容されている「追加の10秒」の一部が米LPGAの新ルール下では撤廃されるなど、いくつかの「時短」が盛り込まれている。(1オン可能なパー4とパー3のティーショットを最初に打つプレーヤーには、従来通り「追加の10秒」は維持)。
高額賞金を稼いでいるトッププレーヤーにとって、罰金は大した痛手にはならないことのほうが多いものだが、試合における1打の重みは限りなく重く、罰打がもたらすダメージは計り知れない。
もちろん、従来のルールの下でも40秒を超える違反が2回目なら1罰打、3回目なら2罰打という具合に「罰打」が定められている。だが、米LPGAの新ルールは、40秒を何秒オーバーしたかという秒数に応じて、ペナルティーが細かく規定され、しかも、オーバーした秒数が「1~5秒」「6~15秒」「16秒以上」と、きわめて短い秒数で規定されているところが斬新である。
米LPGAの選手たちは「きわめて厳しいルールだ」と受け止めているが、同時に、概して前向きでもある。
世界ランキング1位のネリー・コルダいわく、「ペース・オブ・プレーのルールの厳格化は、ゴルフというゲームのためには、とても良いことだと思う。私たちの仕事は、ファンをエンターテインすること。プレーがスローすぎて長時間を要してしまったら、ファンを楽しませることはできず、エンターテインメントではなくなってしまう」。
メジャー2勝のミンジー・リーも「スロープレー対策は、どこかで何かをやらなきゃいけないんです」と語り、新規定を好意的に受け止めている。
この新規定は、今年3月27日から開催される「フォード選手権」から発効となる予定だ。
ペナルティー強化と言っても、それは選手たちを罰することを目指しているわけではなく、選手たちのペース・オブ・プレーを改善することが目的だ。
今季から米LPGAに参戦している13名の日本人選手たちが、このルール下でペナルティーを受けることなく、魅力的なクイックプレーを披露してくれることを願っている。
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