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アメフトに比べてPGAツアーのシーズンは長すぎる! NFL出身の新CEOが描く改革は“短期決戦”でTV視聴率を大幅アップ!?
PGAツアーの新たな舵取り役として新CEOに就任したブライアン・ローラップ氏には高い評価が集まり始めている。アメフトのNFLでキャリアを積んだローラップ氏の頭の中にはどんな青写真があるのだろうか。
「NFL時代、私がワクワクしていたのはTV中継の視聴率だった」
PGAツアーのプレーオフシリーズ最終戦「ツアー選手権」は、どれだけ惜敗が続いてもグッドルーザーであり続けてきたナイスガイのトミー・フリートウッドが、ついに悲願の初優勝を遂げるという素敵なドラマで幕を閉じた。

昨年まではストローク差をつけて開始するスタッガード・スタート方式で行われていたツアー選手権が、今年からは出場選手全員がイーブンパーからスタートするノーマルな方式に戻されたことで、誰にも公平にチャンスがもたらされた。
そのおかげでフリートウッドがPGAツアー初勝利と年間王者のタイトルを手に入れたと言っても過言ではなく、競技方法をノーマル方式に戻すことを決めたPGAツアーと、新たな舵取り役として新CEOに就任したブライアン・ローラップ氏には高い評価が集まり始めている。
ローラップCEO自身、「ツアー選手権のみならず、いろいろなことを改革する。目指すは絶大なるチェンジだ」と、気勢を上げている。とはいえ、現在進行形であり続けているPGAツアーを、一夜にしてガラリと変えることは当然ながら難しく、現実的には、無理せず徐々に何かを変えていくということになる。
そしてローラップ氏は、これまで22年間NFLのメディアビジネスを担当するエグゼクティブとして培ってきた経験と手腕を生かしながら、さまざまな取り組みを行っていくのだと思う。
その結果、生み出される変化を私たちが実際に目にするのは、おそらく2027年頃からになると見られているが、現段階では、ローラップ氏の頭の中には、どんな道筋が描かれているのかが、とても気になる。
ローラップ氏はツアー選手権の際に、自身の構想の一部を断片的に米メディアに明かした。最初に彼の口をついたのは、こんな言葉だった。
「NFL時代、私がワクワクしながら応援していたのは、それぞれのチームではなく、TV中継の視聴率だった」
その言葉の意味は、視聴率の数字そのものを気にしていたというより、数字の上下動の背後にあるファンの動向を注視していたということなのだろう。
ファンが興味関心を示し、視聴率が伸びれば、それはファンが欲している試合が展開された証と考えていい。ローラップ氏はPGAツアーのCEOとしても、TV中継の視聴率を重視し、どうすればファンの支持を得ることができ、視聴率の数字が伸びるのか、伸ばせるのかを考えていくという。
言い換えれば、彼が最も重視したいと考えているのは「ファン・ファースト」のツアー運営だということになる。
タイガー・ウッズをリーダーとする「未来競技委員会」を設立
次に重視すべきは、PGAツアーのお金を増やすこと、お金を呼び込むことだとローラップ氏は考えている。
すでにPGAツアーは米コンソーシアムの「SSG(ストラテジック・スポーツ・グループ)」とパートナーシップを結び、総額30億ドルの前期分として15億ドルの巨額投資を得ているが、新CEOのローラップ氏には、その投資に応えうるツアー運営を行なうことが求められている。
どうすればPGAツアーにお金を持ってくることができるのか。その代表格は、明らかにTV放映権料と各大会のタイトルスポンサー料なのだが、そのための契約を効率的、効果的に結ぶためには、どうすればいいのか。
そう考えたとき、ローラップ氏が得た結論が、タイガー・ウッズをリーダーとする「フューチャー・コンペティション・コミッティー(未来競技委員会)」を設立し、彼らの考えや助言に基づいてツアーを変えていくという方法である。
とはいえ、ウッズらに「丸投げ」しようとしているわけでは、もちろんない。ローラップ氏はCEO就任からわずか1カ月ちょっとの「新米」ではあるが、漠然と思い描いているPGAツアーの未来図は、すでにあるという。
スコッティ・シェフラーが突出している現在のゴルフ界の構図は、望ましいのか、望ましくないのか。米メディアによると、ローラップ氏は、かつてのウッズ黄金時代がそうであったように、決して悪いものではないと考えているという。
いずれにしても、選手の勢力図をPGAツアーのCEOがコントロールすることはできない。だが、PGAツアーのシステムを改善改良することは、CEOの腕の見せ所である。
「フェデックスカップは創設時(07年)からずっと難解で複雑だが、それではダメだと私は思う。スポーツ競技は、みんなが理解できるものであるべきだ。シンプル化して、レギュラーシーズンとポストシーズンをうまくつないで、ツアー選手権の存在が最大化されるようにしていきたい」
それならば、どうしたらツアー選手権の存在を最大化することができるのか。プレーオフ3試合を含めて35試合もある現在のシーズン(フォールシリーズを除く)があまりにも長すぎることが、ツアーを緩慢化させていると見る向きは多い。
たとえば、松山英樹は今年1月に開幕戦のザ・セントリーで勝利を挙げ、幸先のいいスタートを切った。だが、その勝利は、レギュラーシーズンが終わる頃にはポイントレースにおいても、印象としても、すっかり過去の出来事のようになってしまっていた。
仮に松山がその後も勝利を重ねていたとしても、開幕戦優勝の事実がシーズンエンドには忘れられた過去のようになってしまうことは、シーズンが長すぎて、試合数が多すぎることに起因していると言っていい。
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