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- 渋野日向子も満足! 最終18番で見せた米ツアー仕込みのアプローチ 「58度のウェッジでフェースを返さずに振り抜いただけ」
国内女子ツアーには約7カ月ぶりの出場となる渋野日向子(しぶの・ひなこ)が、「69」をマーク。首位と4打差の28位タイにつけたが、圧巻だったのは最終18番パー5での3打目だ。ラフからのショットだったがきっちりグリーンに乗せてバーディーを奪い、2日目以降のラウンドに勢いをつけた。
見守ってくれた多くのギャラリーに感謝
◆国内女子プロゴルフ 第29戦
スタンレーレディスホンダゴルフトーナメント 10月10~12日 東名カントリークラブ(静岡県) 6435ヤード・パー72
「最初から最後まで打ち切れなかったり、ひと筋違うパッティングが多かったのですごくもったいなかったです。ただ、ラインに乗っている感覚もあったので、そんなにひどいミスはしてなかったかなと」。3バーディー、ノーボギーの「69」というスコアに満足感がなかった渋野日向子。ようやく微笑を浮かべたのは、8番パー5で初めてのバーディーを奪ったときだった。

後半もパットが決まらず、ストレスが溜まる展開になりかけたが、15番パー4でようやく渋野らしさを見せる。第2打をグリーン右のカラーに外した後だ。ピンまで10ヤードの距離を58度のウェッジで打つと、フワリと上がったボールはグリーン上に落ちた後、スルスルとカップに向かってそのまま消える。ギャラリーからの大きな拍手に満面の笑みで応えた渋野。大会前にはギャラリーに対して「笑顔を届けたい」と語っていたが、その公約を果たした。
ただ、渋野の本領発揮はその先に待っていた。18番パー5だ。ティショットでフェアウェイ左サイドをキープしたものの、第2打を右サイドのラフに入れてしまった。ボールはラフの中にスッポリと収まり、周囲からは見えない状況だった。ピンまでは64ヤード。できるだけ芝の抵抗を受けないようにクラブフェースを少し開き気味に構える。ゆったりとしたリズムでクラブを上げ、フェース面を返さずに振り抜いた。

ボールは高く上がると、グリーンエッジぎりぎりのところに落ち、ピンに向かって転がる。3メートルの距離が残ったものの、真っ直ぐに近いラインにつけることができた。米女子ツアーで苦しみながらもいろいろなシチュエーションに合わせて技術の引き出しを増やしてきた渋野。その1つを大勢のギャラリーが見守る中で披露できたのはうれしい限りだろう。できれば、バーディーパットも決めたいところだし、ショートだけはしたくない。
「強めにストロークできないことが自分の課題だと知っていますが、このパットはしっかり打てば入るという感じでストロークできました」。ボールはカップの右サイドから入り、この日3つ目のバーディーを奪った。

この日は3046人のギャラリーが来場。昨年が1238人だったことを考えると、2倍以上の数字になっている。もちろん、渋野1人の影響ではないが、多くのギャラリーが渋野の組についていたことは間違いない。
「これだけのギャラリーさんに見ていただけるのは本当に幸せなことです。気が引き締まるし、緊張します」。まだ渋野スマイルは全開ではない。首位とは4打差あるが、残り2日間残っている。応援してくれる人たちの期待に応えるためにも、一打でも多く、渋野らしいゴルフを見せるつもりだ。
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