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“Z世代”に勧めたいゴルフの覚え方とは? 「スクールなんか入ってられっか」で来たオヤジからの忠告/木村和久『ゴルフ=レジャー宣言』
ゴルフを教え合う文化が衰退した今、若者はゴルフをどう学ぶべきなのでしょうか?……ゴルフを筆頭に、平成~令和の日本を縦横無尽に遊び尽くしてきたコラムニストの木村和久氏が、浅いのか深いのかよく分からないこの問いを考察していきます。
ゴルフを教え合う文化が衰退した今、若者はどう学ぶべきか?
令和のアマチュアゴルフ界は大量のビギナー参入となり、まことに喜ばしい限りです。けど、そのビギナーはどうやってゴルフを覚えれば良いのか? そこを改めて考えたいと思います。
昔は会社の上司や学校の先輩などからゴルフを教わるのが一般的でした。けど今は会社の飲み会すら「それは業務ですか?」と聞く時代です。よかれと思ってゴルフを教えることが業務やパワハラと捉えられかねません。
一方、上手な友達からゴルフを教わることも微妙です。それは教えることで上下関係が出来て、マウントを取られかねないからです。つまり“Z世代”は上司や先輩、友達に頭を下げたり、媚びたりする概念があまりないのです。

じゃ、ゴルフはどうやって覚えるか? 雑誌を読まない世代は、ユーチューブのゴルフレッスン動画を見て、イメージトレーニングをしていますよね。スマホで自らのスイングを撮って解析ソフトに入れ、スイングプレーンを確認するとかね。
令和に入って練習場でスマホを見たり、撮影する人の数がかなり増えました。その人たちを見ていると、失礼ながらあまりお上手には見えない。やはり自己流の限界を感じます。
まだビギナーレベルなら、スクールに通うのもありだと思います。
1)スクールの良いところ
昔は明治神宮外苑のゴルフ練習場の3階打席でスクールをやってて、そこに若い女性がたくさん通っていたんですけどね。今、都心の有名スクールだと、ヒルズゴルフアカデミーや伊勢丹ゴルフスクールなどでしょうか。卒業生を知っていますが、みんな元気にプレーしていますよ。
スクールの良いところはゼロから教えてくれること。だから変な癖のあるスイングになることはまずないです。
男子はスキーやスノボを覚える時「スクールなんか入ってられっか」と自己流に走りがち。結果、スキーはボーゲンどまり、スノボは前足が体重に乗らないヘッピリ腰になることも。男性は要領を覚えるのは早いですが、頭打ちに陥りやすいのです。
同様にゴルフも、短時間で覚えた自己流おやじゴルファーがたくさんいます。私も同様で、「スクールに行かなくても覚えられる」とゴーイングマイウェイでした。
けど令和に入り、急速にスマホで動画を撮るのがはやりだし、頼みもしないのに私のショットを撮って、送ってくれる人が急増。
後で送られた自分の姿を見てあんぐり、すげえカッコ悪いのです。俺はこんなへんてこショットをしていたのか……。自己流でゴルフを覚えた天罰が下ったのです、ほんまかいな。
そんなわけで、今はビジュアル時代ですから、スクールに入って綺麗なスイングを覚えるのがよろしいと思います。
しかも今のスクールは、ショット技術を教えるだけでなく、コースデビューやラウンドレッスンまで、一貫教育をしてくれます。男性客も結構います。お試しの短いカリキュラムもあるので、まずそこから体験するのはありです。
2)ワンポイントのレッスン
今度はゴルフを覚えて約3年、100は切れるけど頭打ちみたいな人向けの話です。そういう方は、ワンポイントレッスンを受けてはいかがでしょう。
多くの練習場には契約しているティーチングプロがいて、30分程度のワンポイントアドバイスをしてくれます。
過去には練習場に電話して、飛び込みのティーチングを受けたことがあります。ショットを見て、何かしらアドバイスをしてくれるというものです。通常は30分5000円程度で料金に大きな差はありません。
ワンポイントレッスンを受ける時は、問題意識を持って臨むことが大事です。シャンクが止まらないとか、ウッドが当たらないとかね。
結論から言うと、良いアドバイスを頂けるのは3回に1回ぐらいですかね。なんとなく調子悪いみたいな場合は、原因を見つけるのが難しいからです。
個人的には、「スエー」している、すなわち体が横にスライドしてることを指摘され、それを直しました。その時は非常にありがたかったです。
そんなわけで、良い答えを出していただくために“セカンドオピニオン”として、ほかの先生のアドバイスを受けるのもあり。つまり3回行って1回ヒットすれば十分ってことです。
先生の教えが正しいかというのもありますが、人柄や接し方を見る方もいます。そこでもう一つの提案です。
3)主治医を見つける
ゴルフの上級者は、行きつけのショップやスタジオ、練習場などのティーチングプロやショップマスターなどと懇意です。
つまり、そういう場所をゴルフのベースキャンプにしているのです。そこで指導を受けたり、新しいギアの相談をしたり、トーナメントや自分の競技、コンペの話をしたりして、次のラウンドに備えているのです。
いわば主治医みたいなものでしょうか。
ゴルフのスイングは生き物です。絶えずその日の調子で少しづつズレます。自分で悪い癖が出たと思って調整できれば良いのですが、なかなかどうして。気づかないうちにスランプに陥ることがあります。
そういう時に、常日頃、自分のスイングを見てくれる人がいたら、なんぼ助かるでしょうか。そこには蓄積されたデータもありますから、治りは早いですよ。
ゴルフはしょせん道楽。隠れ家、秘密基地を探してみるのもありですね。
文/木村和久
1959年生まれ、宮城県出身。株式投資から大衆文化まで、さまざまなジャンルで“現代”を切り取るコラムニスト。有名ゴルフ媒体へも長く寄稿してきており、スイング理論やゴルフ場設計にも造詣が深い。近年はマンガ原作者としても活躍。
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