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外国人選手への「ナイスボギー!」に憤りの涙…激痛のヘルニア手術… “世界のアヤコ”米女王へ奇跡の3年間 【小川朗・後世に残したい記憶】
米女子ツアーにおける日本人選手のパイオニア、岡本綾子。1987年に米国人以外で初めて賞金女王の戴冠を果たしました。しかし、その座に就くまでには壮絶な苦難とそれを乗り越える奇跡のような日々がありました。
親友のパティ・リゾらツアーの戦友たちが岡本を担ぎ上げて祝福
あまりに苦い敗戦とは言えますが、悪いことばかりではありません。8月の「ネッスル(現表記ネスレ)世界選手権」(ジョージア州)でシーズン4勝目。11月の最終戦「マツダジャパンクラシック」(埼玉・武蔵丘GC)に、3年越しの賞金女王が懸かることになるのです。
大会前、ベッツィ・キングの賞金は44万2010ドル。2位につけていた岡本は43万3659ドル。岡本が優勝なら無条件、2位でもキングが3位以下なら女王になれる。キングが予選落ちなら8位で逆転できるという状況でした。
初日を2位タイの好スタート。2日目は森口祐子に5打離されたものの、日陰温子と並んで2位タイで最終日へ。3年前も女王を争ったキングは10位と苦しんでいました。岡本が2位をキープできれば、キングは3位以上が絶対条件。最終戦・マツダジャパンでの再対決は、岡本が有利な立場に立って最終18ホールに臨むこととなりました。
3年前の広島を1176人上回るギャラリー、1万5717人のほとんどが岡本の組を取り巻いていました。この日の朝、岡本は初めてと言っていいほどのプレッシャーに見舞われます。「トイレで手の震えが止まらなかった」という重圧は、1番のティーアップ時にもやってきます。手が震え、ティーにボールが乗せられない状況を経験しながらも、ティーショットを放つと「スーッと震えが消えた」と告白しています。
そこからは、悔しい敗戦を喫した84年のマツダジャパン最終日とはすべてが違っていました。安定したゴルフで18番までこぎつけ、最後は40センチのパーパットを決めてこの日のスコアは2アンダーの70。通算7アンダーで2位に食い込みました。一方のキングは追い上げたものの4位とあと一歩届かず。賞金女王の座は岡本に渡りました。
賞金女王のタイトルが、初めて米国以外の選手に渡った瞬間でもありました。18番グリーンサイドでは、親友のリゾを始めジュリ・インクスター、ジェーン・ゲディス、バル・スキナーらが岡本を取り囲み、騎馬戦のように岡本を担ぎ上げて祝福。大観衆の前で、感動的な光景が展開されました(写真)。
悔し涙をこぼした「ナイスボギー事件」の日曜日から、笑顔の日曜日まで3年と4日。1099日がたっていました。
実は大会の2日目、筆者は埼玉の会場を離れ、和歌山の白浜ゴルフ倶楽部との間を往復し、最終日の取材に復帰しました。岡本の所属先である大和紡績のコンペがあり、有延悟(ありのべ・さとる)社長(当時)にどうしてもコメントをもらう必要があったからです。
「もし岡本選手が賞金女王になった場合、この先、終身契約を検討されていると聞いたのですが」と尋ねると、有延社長からは即座に答えが返ってきました。「そうですね。岡本選手とのおつきあいは半永久的に続けていくつもりです」。
その言葉に嘘はなく、両者の良好な関係は今も続いているそうです。
取材・文/小川朗
日本ゴルフジャーナリスト協会会長。東京スポーツ新聞社「世界一速いゴルフ速報」の海外特派員として男女メジャーなど通算300試合以上を取材。同社で運動部長、文化部長、広告局長を歴任後独立。東京運動記者クラブ会友。新聞、雑誌、ネットメディアに幅広く寄稿。(一社)終活カウンセラー協会の終活認定講師、終活ジャーナリストとしての顔も持つ。日本自殺予防学会会員。(株)清流舎代表取締役。
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