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- 賞金王は“左利きの右打ち” 筋電図が示したスイングの真実とは
左手主導か右手主導か――長年の論争に対し、筋電図解析とトッププロの傾向から検証。賞金王に多い「左利きの右打ち」やデータが示すスイングの実態、そして左手の正しい使い方に迫る。
「左手主導」論と「右手主導」論
ゴルフスイングは昔から「左手でリードするべき」と言われることが多いです。ダウンスイングでヘッドを下ろすタイミングが早くなったり、インパクトで手首をこねる動きになるのは、器用で強い右手が悪さをしているため、とされることがあります。

一方で、「器用な右手を存分に使うべき」とする右手主導の理論も存在します。多くのゴルファーに見られる、インパクトで左ひじが引けるいわゆるチキンウィングは、左手リードの意識が強すぎることが原因だとする見方もあります。
筋電図解析データ
では、「左手主導」「右手主導」のどちらを意識すべきかを考える前に、トップゴルファーが実際にどちらの手を主体にスイングしているのかを見てみましょう。
2006年に発表された論文「ゴルフスイング中の筋活動およびキネティクス:プロゴルファーの事例研究」では、当時国内男子ツアーで賞金ランキング2位だった谷原秀人の筋電図解析データが紹介されています。これによると、腕の筋活動は右よりも左の方が活発であることが示されています。

具体的には、「浅指屈筋」「上腕二頭筋」「上腕三頭筋」といった筋群の活動はいずれも左側の方が高い結果でした。浅指屈筋はクラブを握る力に関わる筋肉であり、ここでも左側の活動が優位であることが分かります。
さらに、プロとアマチュアを比較した研究でも同様の傾向が見られます。プロとアマそれぞれ10名のスイングを分析した筋電図研究では、ダウンスイングの局面において、アマは右前腕の筋活動が活発であるのに対し、プロは左前腕の活動がより活発であるという結果が報告されています。
これらの研究結果から、トップゴルファーのスイングは結果として「左手主導」であると考えられます。
今平周吾、金子駆大は左利き
国内男子ツアーで活躍する選手を見ても、「左利きの右打ち」が目立ちます。
2018年、19年と2年連続で賞金王に輝いた今平周吾や、昨季賞金王の金子駆大はいずれも右打ちですが左利きです。賞金王となったシーズンのパーオン率は、今平が4位と2位、金子が11位と高水準を記録しており、左手の感覚を生かしたショット精度が強みになっている可能性があります。
海外に目を向けても、リードアームが非利き腕の選手は少なくありません。米女子ツアーで賞金女王に輝いた岡本綾子は左利きです。さらに、米ツアー45勝、メジャー6勝を誇るフィル・ミケルソンは右利きの左打ちとして知られています。
筋電図解析の結果や、こうした選手の傾向を踏まえると、「左手主導」をベースにする考え方には一定の妥当性があると言えそうです。
左手の使い方
ただし、「左手主導であるべき」といっても、それはあくまで結果であり、トップゴルファーの全員がその意識を持っているわけではありません。「右手主導のイメージでも結果的に左手主導になっている」ケースは十分にあり得ます。
また、ダウンスイングで左手が浮いたりチキンウィングになったりする原因は、左手主導の意識が強すぎることではなく、左手の“使い方”にあると考えるべきでしょう。
トップで左親指に過度に力が入ったり、左ひじや左手首を固めたまま切り返しに入ってしまうと、スイングエラーは起こりやすくなります。
切り返しではクラブの重みと慣性を生かし、ダウンスイングからインパクトにかけて左手の筋活動を適切に使いながら、手首を柔らかく使うことが重要です。そうすることでチキンウィングを防ぎ、スムーズに振り抜けるようになります。
右手については、その左手の動きに同調させる意識を持つことで、結果的に安定したスイングにつながると言えるでしょう。
解説:野洲明
ゴルフ活動家/各種スポーツメディアに寄稿、ゴルフ情報サイトも運営する。多くのゴルファーを見てきた経験や科学的根拠をもとに、論理的なハウツー系記事などを中心に執筆。ゴルフリテラシーを高める情報を発信している。
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