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- ゴルフ場運営は航空機の運航に似ている? “割引天国”のゴルフ場は経営ピンチじゃない! 賢い運営の秘密
ゴルフ場の割引プランは「経営ピンチ」のサインではなく、平日の予約を埋めて安定収益を確保するための戦略の一環。航空機運航の考え方にたとえ、利用者に魅力を伝える工夫や現場スタッフの判断力が成功の鍵となる。
割引プランが多いのは「経営努力」の証?
ゴルフ場のラウンド料金は一般的に1万円前後ですが、中には手頃な価格で回れる「割引プラン」を用意しているところもあります。
しかし、こうしたプランが多いと「このゴルフ場は、ここまでしないと人が来ないのか」と心配になる人もいるかもしれません。では、割引プランを多数打ち出すゴルフ場は、経営の観点から見てどうなのでしょうか。
ゴルフ場の経営コンサルティングを行う飯島敏郎氏(株式会社TPC代表取締役社長)はこう話します。

「割引やお得プランを多く出しているからといって、経営が必ずしも苦しいとは限りません。
ゴルフ場は、土日祝日の予約は埋まりやすい一方、平日は空きが目立ちます。それでも年間を通して営業している以上、クラブハウスやコースの維持・管理費をまかなうためには、平日の予約を埋めて安定収益を確保したいのが本音です。
そこで、さまざまな割引プランを打ち出すことは、むしろ経営に積極的に取り組んでいる証拠と言えるでしょう」
飯島氏はさらに、単に「お客が入らないから割引」という機械的な対応では、創意工夫や経営努力が不足していると感じると言います。
「たとえば美容院は月曜・火曜が休みのことが多く、不動産業は水曜休みが多いといわれます。こうした特定の曜日や業種をターゲットにしたプランを作れば、面白く価値の高い割引になります。また、近隣の大規模工場が平日休業の場合、その日限定のプランを設定すれば大きな需要を取り込めます。酷暑化が進む昨今なら、涼しい時間帯にプレーできる『早朝割引』も効果的です」
ちなみに、美容院の月曜・火曜休みは戦後の電力不足対策で電気が使えない「休電日」の名残、不動産業の水曜休みは契約が「水で流されないように」というゲン担ぎが由来とされています。
割引プランの効果は運営スタッフ次第
飯島氏は「サステナブルなゴルフ場運営には、現場トップの手腕が不可欠」とも語ります。
「ゴルフ場の運営は航空機の運航に似ています。飛行機は満席でも空席でも、人件費や整備費など総合コストは大きく変わりません。ゴルフ場も同様で、来場者数に関わらずクラブハウスやコース維持には常に費用がかかります。そのため、いかに多くの人に魅力を感じてもらえるかがカギです」
ただし、プランが多すぎると運営側も利用者も混乱します。現場の支配人や運営会社が連携し、予約状況を分析して近隣コースの動向を見ながら戦略を立てる「インサイドセールス」のスキルが求められるのです。
つまり、多彩な割引プランを用意しているゴルフ場は、常に万全の態勢でゴルファーを迎え入れる準備ができており、前向きに経営努力をしている魅力的なコースと言えるでしょう。
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