「言うべきか言わざるべきか…」同伴者に“過少申告”疑惑→指摘するべき？

　ゴルフでは、基本的に各ホールの打数を自分で数えて申告します。初心者ゴルファーの場合は、OBを連発してしまったり、池にボールが落ちてしまったりと、打数を正確に記録するのが難しく、間違えてしまうホールもあるかもしません。

　一方、まれにスコアを「過少申告」する人もいます。自己責任のスポーツとはいえ、ルールを厳格に守らなければならない「競技ゴルフ」で過少申告したスコアカードを提出すれば失格になりますし、いくらプライベートゴルフだとしても、同伴者が不快になる可能性がある行動は控えたほうが良いでしょう。

　では、もし過少申告をした人がいた場合、同伴者は注意するべきなのでしょうか。ゴルフ場の経営コンサルティングを行う飯島敏郎氏（株式会社TPC代表取締役社長）は、以下のように話します。

「競技の場合は、過少申告をすると失格になるので、オフィシャル時と遊びのゴルフではシチュエーションが変わってきます。もし、故意に過少申告を繰り返すような人ならば、わざわざ注意をしなくても一緒にラウンドをしてくれる人は減っていくでしょう。ルールブックにも『プレーヤーは自分自身に規則を適用する責任がある』と書かれていますが、ゴルフは『自己責任』のスポーツ。その中でプレーして楽しむのがゴルフの定義です」

　また、スコアを指摘するケースは時と場合によるとも言います。

「プライベートのラウンドでも、スコアを争っている親しい仲であれば過少申告を指摘しても良いかもしれませんが、スコア99で初めて100を切って喜んでいるところに『あそこで過少申告してたから100切れてないよ』と水を差したところで、なんの意味もないでしょう」

　このように、ゴルフは自己責任のスポーツなので、間柄によっては、過少申告をしていたとしても指摘しないほうが無難といえます。

　しかし、当然ながら故意ではなくスコアを間違えてしまう人もいます。よくあるケースとして、前出の飯島氏は、初心者ゴルファーの中に「OKパット」の意味を理解していない人がたまにいると話します。

「OKパットを『1打』としてカウントしない人がいます。カップの近くに寄ったから『入ったとみなしてOKです』という意味にとらえてしまっているようです。実際は、4パットしているのに、OKパットをもらったから3パットでカウントするといった感じです。そのようなルールを理解していない初心者ゴルファーには、しっかりと指摘してあげるべきです」

　OBやペナルティー、池にボールが入ってしまったときなど、初心者ゴルファーの中には、スコアの付け方をあまり理解していない人もいるので、その場合は、教えてあげるべきでしょう。

　また、レッスンプロの関浩太郎氏は、そもそもプライベートゴルフであれば、スコアに固執しすぎないほうがゴルフを楽しめると話します。

「私はアメリカにゴルフ留学をしていましたが、アメリカの人たちは、きっちりとスコアをつけてラウンドしているわけではありません。一般のゴルファーの中には、缶ビールを飲みながら周りに迷惑をかけない音量で音楽を流しながらプレーしている人もいます。ゴルフに飽きたら途中でやめて帰る人もいるぐらいで、ゴルフをゲームのような遊びとしてプレーしています」

　関氏は、スコアをつけ始めるタイミングについても言及しています。

「ゴルフをプレーしている人のほとんどが、スコアをつけて一喜一憂しています。競技になれば、スコアを追い求めるのは当然ですが、特にゴルフ歴の浅いアマチュアゴルファーの場合は、ある程度ラウンドに慣れてきて、ただ打っているだけではつまらないと感じるようになってから、スコアをつけ始めるぐらいがベストだと思います」

　このように、スコアを追求しなくても、ゴルフは十分に楽しむことができます。同伴者によって異なるかもしれませんが、スコアに固執せず、広大な自然の中でゴルフを楽しむことを意識してみると、おのずとスコアも良くなっていくのかもしれません。