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- ヤマハ撤退は序章か ゴルフ業界に迫る二極化と実店舗淘汰
ヤマハのゴルフ用品事業撤退を受け、業界構造の変化を分析します。海外メーカーの資本力と開発競争の激化を背景に、今後は「海外寡占」と「国内メーカーのニッチ化」が進行。小売や市場にも波及する二極化の可能性を指摘します。
撤退の背景にある構造的な課題
今年2月、あまり良くない意味での大きなニュースが飛び込んできました。ヤマハがゴルフ用品事業から撤退するという報道です。同社は2026年6月をもって同事業を終了すると発表しました。
長年ゴルフ業界に携わってきた立場からすると、どこかで仕方ないという思いがある一方で、中堅クラブメーカーとして積極的に新技術を取り入れてきた姿勢は非常に興味深いものでした。楽器メーカーならではの“音”を強みにしたクラブも多く、一定のファンを獲得していただけに、個人的には残念に感じます。
そして今回の撤退は、国内メーカーにとって決して他人事ではありません。ここでは、その要因と今後の業界の行方について考えてみます。(文/クラブフィッター・石井建嗣)

まず、ヤマハの事業撤退の主な要因を整理します。報道ベースではありますが、同事業は3期連続の赤字となる見通しで、短期的な業績回復および中長期的な成長が見通せないと判断されたとされています。
背景には、海外ブランドとの競争激化、原材料費の上昇、ゴルフ人口の減少といった事業環境の悪化があります。
個人的には、なかでも海外ブランドとの競争激化が最大の要因だと考えています。近年のゴルフクラブ事業は研究開発費の負担が大きく、一定規模(1000億円規模とも言われています)の売上がなければ、グローバル市場で継続的に利益を出すのは難しい構造になっています。この点で優位に立つのは、潤沢な開発資金を持つ海外メーカーです。
国内メーカーの生き残り戦略
一方で、興味深いデータもあります。ゴルフ産業白書によると、国内ゴルフ用品市場はコロナ前の2019年よりも、2025年の方が大きく上回っています。
市場規模だけを見れば、国内メーカーもコロナ以降、着実に売上を伸ばしており、海外ブランドだけが一方的に勝っているわけではありません。
では、今後の業界はどうなるのでしょうか。冒頭で触れた通り、ヤマハの撤退は国内メーカーにとって決して対岸の火事ではありません。
むしろ、これを皮切りに撤退や縮小に踏み切る企業が出てくる可能性もあります。為替変動や原材料費、物流費の高騰といったコスト圧力は、すべての国内メーカーに共通する課題だからです。
ただし、悲観一辺倒ではありません。この環境だからこそ、新たな生き残り戦略を模索する動きも加速すると考えられます。
例えば、クラブ性能だけでなく、フィッティングや体験価値と組み合わせた付加価値型の販売が今後の主流になる可能性があります。この領域では、国内に拠点を持つ企業の優位性が発揮されやすいでしょう。
また、中古市場の活性化も進むと見られます。新品ドライバーが10万円を超える現在、価格面での選択肢として中古クラブの需要が高まるのは自然な流れです。
小売・ゴルフ場にも波及する変化
ここからは私見になりますが、今後のゴルフ業界は明確な二極化が進むと考えています。
一つは海外メーカーによる寡占です。潤沢な資金を背景に研究開発と広告投資を続け、短いサイクルで新製品を投入し続けることで市場をリードしていくでしょう。
もう一つは国内メーカーのニッチ化です。海外勢と同じ土俵で戦うのではなく、サービスと一体化したビジネスへとシフトし、地クラブのような熱量の高いファン層の獲得を目指す流れになると考えられます。
この動きは小売業界にも波及します。量販店が幅広い層をカバーする一方で、コアなゴルファーは専門店へと流れていくでしょう。
さらにオンラインショップの存在感が増すことで、実店舗の淘汰は避けられません。ゴルフ場も同様に二極化が進むと言われており、業界全体が同じ方向へと向かっているのは間違いなさそうです。
【解説】石井 建嗣(いしい・たけし)
香川県丸亀市で「ゴルフショップイシイ」を営むクラブフィッター。フィッター界の第一人者である浅谷理氏に師事し、クラブ&パターフィッター、TPIインストラクター、ゴルフラボ公認エンジニアの資格を持つ。ゴルフはHDCP「9.9」の腕前だが、自身のプレーより他人のクラブを“診る”ことに喜びを感じる職人肌。出演するYouTubeチャンネル「ズバババGOLF」では軽快なトークで人気を集める。
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