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「これを決めれば…」 緊張のラストパットを沈める秘訣は“届かせる意識” プレッシャーに屈しない1メートルオーバーの強気な打ち方
PGAツアーの解説も務めるゴルフスイングコンサルタント・吉田洋一郎氏が、ツアーの第一線で活躍する選手のプレーを独自の視点で分析。今回は2年に1度開催される米国選抜と欧州選抜の対抗戦「ライダーカップ」で、シェーン・ローリー選手がバーディーを決めた“パッティング”に注目しました。
大きなプレッシャーに打ち勝ったシェーン・ローリー
2年に1度開催される米国選抜と欧州選抜の対抗戦「ライダーカップ」は、欧州選抜の勝利で幕を閉じました。
初日、2日目のダブルス戦を終えた時点で4.5ポイントの獲得にとどまった米国選抜に対し、欧州選抜は11.5ポイントと大量リード。最終日のシングルス12戦は、早い段階で欧州選抜の勝利が決まると思われていました。
しかし、米国選抜が意地を見せてジワジワとその差を縮めていきます。「大逆転もあるか!?」と思われましたが、勝負が決まったのは第8試合のシェーン・ローリー選手(欧州選抜)とラッセル・ヘンリー選手(米国選抜)のマッチでした。
最終ホールまでもつれた2人の争いは「ローリー選手がバーディー、ヘンリー選手がパーなら引き分けで、欧州選抜がライダーカップ勝利」という状況。

18番はともにパーオンに成功し、ヘンリー選手はカップまで2.5メートル、ローリー選手は1.8メートル。ほぼ同じフラットなストレートラインから、先にラッセル選手がバーディーパットを打ちます。しかし、「ライダーカップの重圧」「団体戦のプレッシャー」があったのか、カップに10センチ届かずパーとします。
一方のローリー選手にも同様のプレッシャーがかかりますが、これをしっかりと沈めて欧州選抜が勝利。ローリー選手はその場で飛び跳ねてチームメイトとともに喜びを爆発させ、「とてつもないプレッシャーがかかると、トッププロでも2メートル前後のパットが打てなくなることがある」ということを改めて感じたシーンでもありました。
ジャストタッチの意識はショートのミスが増える原因に
一般ゴルファーの皆さんでも、「これを沈めればベストスコア更新」「人生初の90切り、100切りがかかった最後のパット」など、プレッシャーがかかる2メートル前後のフラットなストレートラインを経験したことがあると思います。そんな時、「手がスムーズに動かずにショートしてしまった……」という人も多いのではないでしょうか。
勝負所のパットを決め切るポイントは、カップに“届かせること”です。当たり前のことですが、極限のプレッシャーの中にいると意外とこれができなくなります。
プレッシャーがかかる中でもしっかりとカップへ届かせるには、普段のパットからカップをオーバーさせるイメージを持つことが重要。2メートル前後のフラットなストレートラインの場合、「ジャストタッチでカップの手前からコロンと入れる」というイメージだとショートのミスが増えます。
理論的には、カップの先43センチの位置にボールを止める強さで打つと、最もカップインしやすいと言われています。ですから、常日頃から“43センチオーバー”を意識しておくとよいでしょう。そのうえで、プレッシャーがかかるパットの時はさらに50センチ先にボールを止めるつもりで打ってください。つまり、カップの1メートル近く先にボールを止めるイメージです。
緊張する場面では「スムーズに振ろう」と思っていても、手は動かなくなるもの。しっかり打てないことを想定して1メートル近くオーバーさせるつもりで振ると、カップインしやすくなるはずです。
シェーン・ローリー
1987年生まれ、アイルランド出身。2009年の欧州ツアー「アイルランドオープン」で優勝し、同年にプロ転向。12年にプロ初勝利を飾る。PGAツアー初勝利は15年。19年の「全英オープン」ではメジャー初制覇を成し遂げた。24年シーズンはPGAツアー唯一のダブルス戦「チューリッヒクラシック」で、ローリー・マキロイとペアを組んで勝利を手にしている。
【解説】吉田 洋一郎(よしだ・ひろいちろう)
1978年生まれ、北海道出身。世界のゴルフスイング理論に精通するゴルフスイングコンサルタント。デビッド・レッドベターから世界一流のレッスンメソッドを直接学ぶ。毎年数回、米国、欧州へ渡り、ゴルフに関する心技体の最新理論の情報収集と研究活動を行っている。欧米の一流インストラクター約100名に直接学び、世界中のスイング理論を研究している。海外ティーチングの講習会、セミナーなどで得た資格は20以上にのぼる。
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