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女子メジャー会場変更で“池ダイブ”は西郷真央が最後に!? サウジ接近、トランプ孫娘の推薦など米LPGAは迷走しているのか?
女子メジャートーナメントのシーズン第1戦「シェブロン選手権」で恒例の「チャンピオンズ・ダイブ」が来年からは行われなくなるかもしれない。会場の変更の観測が確度の高い情報として報道されているからだ。現在、米女子ツアーを運営するLPGAの施策には疑問の声も少なくないが……。
新会場と報じられているメモリアルパークの18番に池はない
米女子ゴルフのシーズン最初のメジャー大会「シェブロン選手権」の戦いの舞台が、来年からは、またしても変更されるというニュースが飛び込んできた。
まだ米LPGAからの正式発表はされていないため、変更されない可能性もゼロではないが、すでに複数の米メディアから次なる試合会場も含めて報じられており、会場変更は、ほぼ確実と見られている。
新たな戦いの舞台となるのは、テキサス州ヒューストンにあるムニシパル(公営)コースのメモリアルパークゴルフコースだという。
それにしても、目まぐるしい変更と言わざるを得ない。今年、西郷真央が見事な勝利を挙げ、18番グリーン脇の池にダイブしたことは、記憶に新しい。
同大会は「ナビスコ ダイナ・ショア」「クラフト・ナビスコ選手権」「ANAインスピレーション」など名称を変更しながら、長年カリフォルニア州ランチョミラージュのミッションヒルズで開催され、優勝者が18番グリーン脇のポピーズポンドと名付けられた池に飛び込む「チャンピオンズ・ダイブ」は、すっかり伝統の儀式として慣例化していた。

しかし、2023年に戦いの舞台はテキサス州ヒューストンのザ・クラブ at カールトンウッズに移され、当初、恒例のチャンピオンズ・ダイブは消滅の危機にさらされた。
というのも、このコースにも18番グリーン脇に池はあるのだが、水は汚染されており、池底には岩がゴツゴツしている上にヘビやワニも生息していて危険だったからだ。
そこで大会側は池の水を浄化したり、池底の岩を移動させて網を張ったりと必死の努力を重ね、なんとかダイブ可能な状態にした。そして、初年度の23年にはリリア・ヴ、翌24年にはネリー・コルダ、そして今年、25年には西郷が意を決して飛び込み、ファンを沸かせくれた。
それなのに、たった3年で、しかも契約期間があと2年も残っているこのタイミングで、戦いの舞台を移すことになった背景には、カールトンウッズのコース設定や設営、とりわけ18番グリーン奥の巨大なギャラリースタンドが、選手たちが思い切って打ったショットを止めてくれる「受け」に使われているという指摘がある。今年の大会直後もSNSでは「メジャー大会の最終ホールにふさわしくない」といった声が多数上がっていた。
来年から新たな舞台となるメモリアルパークGCは、カールトンウッズ同様、タイトルスポンサーであるシェブロンのお膝元、ヒューストンにあるという意味で、まず白羽の矢が立ったと思われる。
そして、メモリアルパークGCは男子のPGAツアー「テキサスチルドレンズ・ヒューストンオープン」の会場でもあり、すでにトップレベルの試合会場としてのコース設定や集客のノウハウも実績もあるという意味で、米LPGAやシェブロン選手権にとって“安全パイ”ということなのだろう。
26年は3月26~29日にPGAツアーでヒューストンオープンが行なわれ、1カ月後の4月23~26日に米LPGAのシェブロン選手権が開催される運びとなる。
気になるのは、あの伝統儀式がどうなるのかだが、メモリアルパークの18番に池はなく、チャンピオンズ・ダイブが消滅することは明らか。西郷はダイブを行なった最後のチャンピオンということになる。
サウジ政府系ファンドの支援受ける欧州女子の大会を共催へ
シェブロン選手権の突然の会場変更の陰には、コース設定のみならず、大会運営上の問題も潜んでいる様子である。
これまで同大会はIMGによって運営されていたが、米メディアによると、IMGは大会オペレーションから突然離れたとのことで、来年からの大会運営の担い手は未定。ヒューストンオープンを運営しているアストロス・ゴルフファウンデーションになる見込みが高いと言われているが、いずれにしても、メジャー大会の戦いの舞台がコロコロ変わり、運営会社も宙に浮くというこの事態は、尋常ではない。
折しも、男子のリブゴルフを支援しているサウジアラビアの政府系ファンド「PIF(パブリック・インベストメント・ファンド)」が欧州女子ツアーのLETで展開しているアラムコ・シリーズの一環と言える「アラムコ選手権」を、来季は米LPGAとLETが共催大会という形で、米ラスベガスで開催することを決めたばかりだ。
アラムコ・シリーズはLETの大会としては、すでにテキサス州内で開催されているが、米LPGAの大会として米国内で開催されるのは来季が初めてとなる。
米ゴルフ界やファンの間では、米LPGAがサウジアラビアのオイルマネーを頼りにすることに眉をひそめる人々も多いのだが、米LPGAからも選手たちからも「お金を出してくれるのだから、ウエルカム」といった声が聞かれており、シェブロン選手権の会場変更を含めた諸問題の根底にあるのは、「やっぱりお金なのでは?」という見方が広がっている。
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