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- メジャーとシグネチャーイベント以外はPGAツアーにとって“お荷物”!? スクープされた生々しい将来像
2027年にも実施とされるPGAツアーの構造改革。シーズン短縮、試合数削減、そして上下2階層化――。スター集約による収益最大化の裏で“平等”を掲げてきたツアーの理念は揺らぐ。「ザ・プレーヤーズ選手権」で示される新構想は論争必至だ。
「最良のスケジュールを作るよう取り組んでいます」とウッズ
そもそもことの発端は昨年11月にPGAツアーの選手諮問委員会(プレーヤー・アドバイザリー・カウンシル)の委員も務めたハリス・イングリッシュが、ツアー内部でツアーの構造的な改革が検討され、早ければ2027年にも実施されるだろうとメディアにもらしたことが始まりでした。
そこで彼が口にしたのは、概略「シーズンの開幕は2月になる(=アメリカンフットボールリーグのNFLとの競合を避ける)」「シグネチャーイベントやフォールシリーズの廃止(=平準化)」「年間の試合数は20試合余り(メジャーを除く)に減少(=希少性)」といった、ファンやメディアには“寝耳に水”の驚きの内容でした。
トーナメントの日程や開催地を厳選し、シーズンを凝縮することで各トーナメントの希少価値は増し、併せて有力選手の欠場が減ることで高いクオリティーに平準化されるため、ツアーの市場価値はより高まる、というのがツアーの経営判断です。

当然、この話は高い関心を集め、中心になって動いていたPGAツアーのブライアン・ローラップCEOや「新時代競技委員会(フューチャー・コンペティション・コミッティ)」委員長のタイガー・ウッズは機会あるごとにメディアから質問を受けることになりました。
それに応じたタイガーは、昨年12月の自身がホストを務めるツアー外競技「ヒーロー・ワールドチャレンジ」で次のように答えています。
彼は、ローラップCEOやスポンサー、選手など多方面の関係者と数カ月にわたってツアーの新構想について協議を重ねてきたとして、「ファンの皆さんにできる限り最高のものを提供しようと努力しています。それができれば、ツアーで実力を発揮する選手たちにより多くのもの、金銭的恩恵を提供できるでしょう。われわれはすべてのパートナーと協力して、2027年に最良のスケジュールとトーナメントを作るよう取り組んでいます」
「コグニザントのような大会はビジネスにおいては収益性を落とす」
大きな変革が間近に控えていることは間違いありません。しかし、その後もタイガーやローラップCEOから具体的な案が明かされることはありませんでした。
ところが先日、ゴルフコラムニストのイーモン・リンチ氏が米「ゴルフウイーク」に、より生々しいツアーの将来像を報じたのです。
彼はまず、今週のPGAツアー競技「コグニザントクラシック」がシグネチャーイベント2連戦(AT&Tペブルビーチプロアマとジェネシス招待)の直後であり、翌週には次のシグネチャーイベント(アーノルド・パーマー招待)、そして翌々週にはPGAツアーの旗艦トーナメント「ザ・プレーヤーズ選手権」が控えていることから、ほとんどのトッププレーヤーがスキップすることを指摘。結果、フィールドのとても弱い大会であることに言及しました。
さらに、こうした注目度で劣る大会は、シーズンが進むほどメジャーとシグネチャーイベントが続くため、数が増すというのです。
こうしたツアーの構造を踏まえ、リンチ氏は「ツアーが何十年もかけて築き上げてきた表向きの体裁――選手、大会、スポンサーに序列などないという体裁――は、実際は見せかけで、ローラップCEOはその序列を制度化しようとしている」といいます。つまり、ローラップCEOは「平等主義」というツアーの建前をかなぐり捨てようとしているというのです。
そして、「PGAツアーはより収益性が高まるよう、スター選手が集い、可能な限りメディアの注目が集まるマーケットで、限られた数のクオリティーの高いトーナメントを軸に事業を展開する計画であることは明らか」と断じています。
しかし、その一方で、コグニザントクラシックのような弱いフィールドの大会が必然的にできてしまいます。そのため、「ローラップCEOが直面しているジレンマは、コグニザントのような大会は(中堅以下の)プレーヤーには必要だが、彼のビジネスにおいては収益性を落としてしまうこと。現実問題として、彼は2種類の商品をマネジメントすることになる。一つはエリートプレーヤー向け。もう一つはそれ以外のプレーヤー向け」
こうしてツアーは上下2つに階層化されるというのです。トッププレーヤーのための“憧れ”の階層(=ツアーに大きな収益をもたらす)と、それ以外の選手のための“前座レベル”の階層。そして、後者においては好成績のプレーヤーは昇格し、平凡な成績のプレーヤーは降格する仕組みになる。ただし、下の階層は既存のマイナーリーグであるコーン・フェリーツアーより上位に位置する必要があるということです。
上下2階層案が「ザ・プレーヤーズ選手権」で発表される見通し
さらに、下の階層はより徹底した実力主義になり、力が落ちたベテラン選手からは従来のさまざまな保護の仕組みは奪われ、スポンサー推薦といった非実力主義の制度は廃止されるだろう。そのため、当初は選手の間に大きな動揺をもたらすだろうとリンチ氏は敢えて言及しています。
このように収益性の高いトーナメントのシリーズと、それ以外のトーナメントの2層構造になるというツアーのビジョンは果たして……?
いずれにせよ、ローラップCEOは3月第2週のザ・プレーヤーズ選手権で新時代競技委員会がまとめた改革案を発表するとみられています。その瞬間、これまで飛び交ってきたさまざまな憶測や噂は現実の問題となり、「おそらく論争が巻き起こるだろう」とリンチ氏。そして、実施までには複雑で長いプロセスが必要だろうと述べています。
ファンとしては、最終的にPGAツアーがよりエキサイティングで魅力的、そして、できれば日本選手がフェアに挑戦できる構造になれば歓迎です。
文・小関洋一
出版社、編集プロダクションを経て83年からフリーランスライターに。テレビ誌・トレンド誌などで主にスポーツに関する記事を執筆。テレビ、ラジオのスポーツ番組の構成も手掛ける。その後はゴルフ誌やネットメディアで内外の最新情報やゴルフ場レポート、ルール解説を執筆。JGAやKGA競技のオフィシャルライターも務める。東京ゴルフ倶楽部や日本ゴルフ協会の年史制作に携わっており、ゴルフ史に関する執筆機会も多い。
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